
- わたしには今年102歳になる祖母がいます。
祖母は大正生まれで、
大正・昭和・平成・令和と、
4つの時代を生きる人です。
102歳になったいまも、
自分のことはほとんど自分でできます。
耳はだいぶ遠くなり、
意思疎通が少し難しいときもありますが、
優しくてお茶目で、
わたしにとって大切なおばあちゃんです。 - そんな祖母と、子どものころ何度か
戦争の話をしたことがあります。
しかし、わたしは幼くて、祖母の弟が戦争中、
物資を運ぶ船に乗っている際に爆撃を受け、
亡くなったことくらいしか覚えていません。 - ときどき、
上が三角のかたちをしたお墓がありますよね。
あれは戦争で亡くなった人のお墓なんだよ、
と教えてくれたのも祖母でした。
20年ほど前に亡くなった祖父も、
戦争中は中国へ行っていましたが、
病気を患い日本に戻ってきている間に
戦争が終わったとか。
祖父が帰って来なければ、
父は生まれなかったわけですから、
わたしもこの世にはいなかったでしょう。 - 実はわたしは、8月6日生まれなのです。
幼いころから、誕生日の日の朝は
広島の平和記念式典の映像が流れており、
ラジオ体操から帰って朝ごはんを食べながら、
よく祖母と見ていました。
自分が生まれた日に大勢の人が亡くなったこと、
幼いころから知っていました。
自分の誕生日を入り口に、
戦争については何かと興味を持っていました。 - 原爆のこと、沖縄のこと、特攻隊のこと、
戦争が終わってもなかなか帰国できなかった人々のこと、
そんな時代が本当にあったのだと、
わたしのそばにはその時代を実際に生きた人がいるから、
決して自分たちに無関係ではないと思えたのです。 - わたしは今、小学校教諭です。
教科書にはいくつか戦争を題材にした物語が出てきます。
わたしが子どものころに学んだのと一緒。
戦争は怖い。
繰り返したくない。
でもその時代、誰かのために、国のために、
あらゆる場所で闘い抜いた人たちのことは、
いまを生きるものとして心から尊敬しますし、
感謝しかありません。
戦争を経験したわけではないけれど、恐ろしさや悲しさ、
そして人々の強さや優しさは
伝えていけると信じています。
ね、おばあちゃん。 - (しろいるか)
2026-02-14-SAT

