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読者のみなさんから届いたお便り #119

 
鹿児島の私の祖父は無口な人で、
加えてわたしが
祖父の方言をうまく聞き取れなかったことから、
あまり話をした覚えがありません。
そんな中でも覚えているのが、
わたしが子どものころ、
お盆に親戚一同が祖父の家に集まって
食事を取っていた際に、
テレビで東京大空襲の話をしていたのだったか、
祖父がぽつりと
「俺は東京大空襲のときに東京にいたよ」
と呟いたことです。
母や伯父たちが、一瞬きょとんとしたあとに、
「何言ってるの、
お父さん東京なんて行ったことないでしょ」
と返したところ、
祖父は「うん‥‥」と言ったまま黙ってしまい、
その話題は終了となりました。
それから10年ほど経って祖父が亡くなり、
祖父の家を整理していたら、
「海軍経理学校」と表紙に書いた
和洋中の料理のレシピの載った教科書のようなものが
出てきました。
調べてみると、戦前に東京にあった学校のようですが、
教科書に書き込まれた日付入りのメモを見ると、
毎日のように和洋中の料理の作り方を学んでいたようで、
戦争末期にしてはあまりにのどかな上に、
当時こんな食材が残っていたのかと驚きました。
東京大空襲から数日後にも
調理実習をしていたような記録があります。
母は、祖父が戦争に行っていないのは
知っていたけれど、戦時中に何をしていたかは
聞いていなかったとのことです
教科書は祖父のものではなく、
古本屋で手に入れたのではないかとも言っていました。
古本屋説も否定できませんが、
わたしはあのお盆の日を思い出し、
祖父が東京にいたと言ったのは本当だったんだと
謎を解いたような気持ちになるとともに、
なぜ祖父は子どもに何も話していなかったのか、
なぜあの日急に話をしかけたのかと
新たな謎が生まれました。
祖父が話しかけたあのときに、
きちんと聞いてあげればよかったと思っています。
(匿名さん)

2026-02-21-SAT

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  • ヴェトナム戦争/太平洋戦争にまつわる
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    その中から、
    「50/80 ヴェトナム戦争と太平洋戦争の記憶」
    の特集のなかで、
    少しずつ紹介させていただこうと思います。

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    特集 50/80 ヴェトナム戦争と太平洋戦争の記憶