
- わたしの父から聞いた戦争体験の話です。
わたしの父は昭和3年生まれ、長野県松本市の出身です。
戦争中のある日、学校の朝礼で名前を呼ばれ、
そのまま連れて行かれたのが「松代の大本営」でした。
地下だけど三階までの吹き抜けがあり、
壁はガラス張りで広かったそうです。
たぶん、皇居や軍部が疎開する予定だったところだと思います。
高校生の父の仕事は、運ばれてきた物資と台帳を付き合わせて、
間違いが無いかどうかを確認することだったそうです。
父は戦争中のこの何もないときに、
これだけのものがどこにあったのかと驚くほど、
いろいろなものが運ばれてきて、
贅沢な設えがつくられていったそうです。
そして迎えた8月15日をすぎても、
父は、何日かはそこにいたようです。
高校生のことなんて後回しだったのでしょう。
朝起きたら、あれだけあったものが、
あっという間にそっくり無くなっていたと言っていました。
父は高校で選ばれたということには
誇らしい気持ちがあったようですが、
いろいろな思いがあったようです。 - さらに時期はその前になると思いますが、
父の兄(わたしの叔父)が病気で、
戦争からは帰れたそうですが、
はたらきに行っていた大阪で亡くなり、
父が遺骨を受取にいった帰り、
汽車が鉄橋の上を走っているときに空襲を受けて、
汽車の下に潜って鉄橋にぶら下がって助かったと
話していました。とても怖かったそうです。 - 父の話は以上です。
父が亡くなる前に、もっと戦争や戦争の時代の話を
聞いておけば良かったと思います。 - (ヨコ ハ タテ)
2025-10-12-SUN

