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読者のみなさんから届いたお便り #62

 
大正5年うまれの祖父は口数が少なく、
夕方から居間に座って、
黙って相撲中継を見ている人でした。
戦争の話も、ほとんど聞いたことはありません。
先日、実家を整理しているときに、
きちんと額縁に入れられた書類が出てきました。
おそらく、国から贈られたもののようです。
一部を抜粋します。
昭和12年6月、支那事変勃発を前に、
現役として横須賀海兵団に入隊。
厳しい初年兵の基礎訓練を受け、佐世保海兵団にて軍務に精励。
同14年、南海島攻略作戦に参戦。奮闘して武勲を立てる。
同年4月。両陛下より御着衣の御品を下賜され感激する。
同15年2月、第四艦隊に編入。
ハウランド方面の攻撃に出動して奮戦。
同17年、ニューブリテン島ラバウル方面の攻略作戦に参加して
数々の戦果を挙げる。
同年8月、戦艦「武蔵」に乗艦。連合艦隊第一戦隊に編入。
任務に精励する中、同20年8月15日の終戦を迎える。
海軍上等兵曹にて復員。
戦地における多くの功績に対し勲七等瑞宝章を受賞。
また、従軍記章を贈られる‥‥。
まったく知らない祖父の横顔が、そこにありました。
(匿名さん)

2025-10-11-SAT

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    特集 50/80 ヴェトナム戦争と太平洋戦争の記憶