
- 亡くなった祖父は、
まだ20才そこそこだったときに召集され、
満州に派遣されたそうです。
孫であるわたしは
戦争中の話しを聞いたことは一度もありません。
子どもである母にも、
ようやく戦争が終わって日本に帰れるとなったとき、
上官達が我先にと帰国してしまって
自分たちは置き去りにされたこと、
生きて帰るために必死で考え行動したことだけを
断片的に話してくれたそうです。
口で語ることはなかった祖父ですが、
祖父の書斎には
大正昭和の時代に関する書籍やビデオが
山のようにありました。
自分が何に巻き込まれ、何に関わってしまったのか、
祖父は生涯必死で考え続けていたのだと思います。
頭の良い人だった祖父の考えや気持ちを、
少しでも聞いてみておけば良かった。
また、祖母も壮絶な飢えを経験したようで、
出かけるときは
つねに食べものをカバンに入れていました。
そうじゃないと出かけられないと言っていたことを
覚えています。
美味しいものが大好きで、料理上手だった祖母が、
食べものがない恐怖を
一生忘れられなかったことを思うとたまりません。
何よりも、
人に語れないような経験をさせてしまう戦争って、
いったいなんなのかと今も時折考えます。 - (匿名希望)
2025-09-18-THU

