手を動かす人たち。
darling
家族として犬を飼うという発想は、
昔はなかったような気がします。
犬はもともと、
猟犬や番犬としていたんだよ。
やまかわ
子どもと同じで、
職業として存在していたんですね。


darling
うん。だから、
間違ってるとか、正しいとかいうことよりも、
社会にある考え方の一部を
人は心の中に持つものなんだね。
スガノ
心のいい悪いじゃなくて、
全体的にどういうふうに考えるのが
ちょうどいいのかを、
探っていきたいとは思うんですが‥‥。
ゆーないと
この映画の監督も
そんな感じですよね。
darling
うん。監督は訴えてないもんね。
ただ、「あ、そうか」って言ってる。
映画としてほんとうによかったと思うのは、
「なぜ作ったか」ということが
映画の中に入っていたことです。
スガノ
あのおばあさんが
最初に出てきたから。


ゆーないと
そりゃー、全然違うね。
やまかわ
違いますね。
darling
もしも映画が
「私はそのことを知りたいと思った」
という監督の独白ではじまっちゃったら、
いい心とかいい映画を作るために
映画を撮った、みたいなことになります。
でも、この映画は見事に、
受け身からはじまってるんです。
最初さ、観るの、
ちょっと気が重くなかった?
ゆーないと
重かった。
やまかわ
重かったです。
darling
オレも。でも、
最初におばあさんが出てきちゃったから。
スガノ
うん。監督に映画制作を頼んで
私は人を見る目はありますから、って
おっしゃってました。
darling
映画を作った人も頼まれたんだなぁ、
と思ったら、
ものすごく楽になったよね。
ゆーないと
それで、監督は
とりあえず町に出て、
野良猫にズームインしたりして、
フラフラ歩いてみた、みたいなこと言って。
やまかわ
私たちと、おんなじ気持ちで。
ゆーないと
探っていく感じでした。
スガノ
特にくわしいわけでもなかったんだよね。
ゆーないと
そうそう。


darling
最初に夢と希望ありきではじまってたら、
それに合わない現実に対して
もっと怒る映画になっていただろうと思います。
だけど、この映画は、
「どうしたものかね」という感じで
はじまったから、ありがたかったです。
それに、徹底的に優しいです。
スガノ
監督、画面に映ってましたもんね。
マイクとかも
画面に入っちゃったりしてたような気がする。
darling
インタビューして、ふつうに
「そうですか」とか
おっしゃってたし。
スガノ
自分と近い気持ちなんだということが、
悲しいとか辛いとかはあるけど暗くならない、
大きなポイントだったと思います。
darling
映画観て、笑ったりもしたもんね。
ゆーないと
(笑)動物たちがね、
それぞれがちょっと、愛くるしくて。
スガノ
「しろえもん」


やまかわ
ああ、「しろえもん」(笑)
ゆーないと
「にゃんだぼ」(笑)


やまかわ
「にゃんだぼ」、よかったね。
ノートの下とかに、
フニャッとなったりしてるのがかわいかった。
ゆーないと
野良なんだけどね。
やまかわ
そう(笑)。
自分でドアとか開けてましたもん。
スガノ
あと、夏になると
毛狩りされるやつらとか。
ゆーないと
そうそうそう(笑)。
あとは、出てくる人たちが
すごいおもしろかった。
やまかわ
そう。
こんな人いる? って感じで
いっろんな人たちが出てきました。
山梨の、犬を保護するところに協力している
マルコさんとか‥‥
darling
ああ、マルコさん!
そうだねぇ。


やまかわ
うん。
スガノ
多摩川の近くに住んで
猫たちのめんどうを見ていらっしゃる
カメラマンさんと、奥さん。
darling
うん、うん。
傍にいたら、
「はい。手伝います」
という感じがする人たちだね。


ゆーないと
うん。
darling
‥‥なんだろう?
この映画に出てきた人たちに
共通する部分がある気がします。
つまり、みんな、
考え方を言ってるんじゃなくて、
実際にやってるんだ、ということなのかな?
スガノ
うん。現実に向き合ってる。
そういう人たちが次々と、
犬と猫の世界をめぐって
登場してきた。
そこにすごく
引き込まれていきました。
(つづきます!)
2009-11-17-TUE

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今回の感激団メンバー
darling 山川 ゆーないと
スガノ    

感激団による
『犬と猫と人間と』の
おおまかなあらすじ
くわしくは、こちら

日本版公式サイト
ユーロスペースにて上映中
(〜2009年11月20日)
横浜シネマジャック&ベティ
(11月28日〜)
川崎市アートセンター
(12月5日〜)
など
全国順次公開