もくじ
第1回表現を仕事にするってなんだろう 2019-03-19-Tue
第2回自分で選び、続ける才能 2019-03-19-Tue
第3回目に映る世界すべてがデザイン 2019-03-19-Tue
第4回私のこたえ 2019-03-19-Tue

ちゃんとした広報になりたくてじたばたしている広報担当者です。食べて、寝て、エンタメ見たら大体元気になります。最近「幸せのへハードルが低い」と友達に言われたことが自慢です。

表現を仕事にするって?

表現を仕事にするって?

担当・あおね

第3回 目に映る世界すべてがデザイン

では、聞いていきますね。
よろしくお願いします。
小出
え、緊張してきた。
雑談の気持ちで!(笑)
小出が、自分のデザインで
お金をもらい始めたのはいつ?
結構、経つよね?
小出
うん。
20歳くらいの時に、まきちゃんから、
「友達とピアノのリサイタルをやるから、
チラシとかデザインしてみない?」って言われて。
「やるやるー!」って軽く返事してやってみたら、
ちゃんとしたのができちゃったから、
そこからお金もらったかな。
そこから、コンスタントに作っている感じ。

13年前!
その前までは、そういう絵やデザインを
自分の中でやってたりしたの?
小出
そうだね。
紙1枚の上で何かを表すみたいなことはしてた。
それは休みの日とかに
「よーし、絵を描こう!」みたいになるの?
小出
「週末にはキャンバスを立てて窓辺で…」
みたいな気取ったことは嫌で。(笑)
チラシの裏とか、何かの隅っことかに
思いついたら何か書くってタイプだから、
時間もなにも決まってないかな。
ただ、思いついたことをそこにぎゅっと
表すみたいなのはずっとやってるかな。
それは子供のころから?
小出
そう、子供のころからかな!
それは、何を思いついたら書くの?
やろうと思う瞬間というか。
小出
私はさ、空を見ていて「雲の形が○○に似ている」って
発想したものをすぐ表現する子供だったの。
それを「いいぞ!もっと言え!」みたいな両親なの。
「お前はそう見えるのか、俺にはこう見えるぞ」
みたいのを言い合ったりね。
「あなたには見えているもの、
私には見えてないけど認めるよ。」みたいな
空想めいたものでしゃべれる家族なの。
だから、現実のものよりも空想のものに
重きを置いていても何も言われない環境だったの。
なんか、ご両親を知っているから想像つくね。
それが小出の絵の元?
小出
そう。
たとえば「おなか痛い」と思ったら、
おなかが痛いとかどんよりしている絵を描くの。
それは「おなか痛い」って口に出すのと、
同じ感覚で絵を描いているってことなのかな?
小出
そうそうそうそう。
じゃあ、書くときは気分に左右される?
楽しいときには超ハッピーな絵を描くみたいな。
小出
そうそう。
でも、それはみんなと合ってないかも。
楽しいとき、みんなは女の子が跳んでて音符とか
書くかもしれないじゃん、一般的には。
私は「超ハッピー」っていう感情を持っているんだけど、
ただ点と線をつないでぐるぐる書いただけが
私にとっては「超ハッピー」の表現かもしれないし。
私的なハッピーであって、
人からみたらハッピーな絵ではない可能性がある。
おもしろいね。
小出
芸術家とか絵を描く人は、
変わっている人が多いって言われるけど、
本当、どれだけ変になれるかっていうのはあると思う。
自分の世界で、色やものがどういう風に見えてるかっていう。
小出から見ている世界が、
私と同じように映っているとは限らないわけだね。
小出
そうそう。
その表現を絵やデザインでしているよね。
あとはちょっとだけ、
「変わっている自分をわかってほしい」みたいな
自己顕示欲みたいのが強く出る時期もあるかな。
「自分が楽しくて、自分だけがこの表現が分かれば良い」
じゃないときもあるんだ?
「これを見てくれ!私は今こう思っている!」みたいな。
小出
ある。
言葉でいうよりも絵で描くほうがうまく出せる気がする。
あと、私にとって「文字」も絵のひとつだから、
みんなにとって字は言葉ための手段であるけど、
字の「とめ・はね・はらい」で表現したいみたいのはある。
文字自体が絵とかデザインかぁ。
改めて聞いたことなかったけど、
そこまで考えていて、
高校進学、大学進学、デザインや絵を
学ぼうとは思わなかったの?
小出
確かに!
うーん。興味ないんだよね。
え?
興味ない?
小出
誰かから教えてもらうもんじゃないって思いが
自分の中にはあって。
歴史を学ぶなら授業が必要なのもわかるよ。
学校とかを否定するわけじゃないけど。
芸術は教えてもらうより感性だと思っているのかも。
デザインは?
小出
デザインは教えてもらわないとだめかも!(笑)
子供のころ何になりたかったの?
小出
考古学者。
デザインじゃなかったんだね。
小出
面白いのが、
私の世界観は西洋のアートでできているってだけなの。
西洋文化。
そうしたときに、勉強しなきゃいけないのは
英語じゃんって常に思ってたの。
それは西洋文化を理解するためにってこと?
小出
うんうん。
あ、すごい。
小出がずっと、英語を勉強している理由につながった。
だから、高校も英語コースで、
大学でも英語を勉強してたんだ。
小出
うふふ。そうなのよ。
つながった?(笑)
小さいときから英語に興味はあったんだけど、
今はツールの一つだなと。
私は、仕事にもあまり興味がなくて。(笑)
西洋のように物事を整えたいだけなのね。
今は、本業で事務員をしているよね。
デザインをメインの仕事にしようと思わないの?
小出
それはない。
なんでないんだろ、わかんないんだけど。
今、副業だけど、
デザインでお金もらってるじゃん?
小出
メインの仕事にするってことはさ、
すごく自分を消すことになると思ってるのかも。
お客さんに合わせることが必要になる。
会社とかに入ったら、
会社の方向性とかテイストに合わせるとか?
お客さんの希望するデザインにしなきゃいけないみたいな?
小出
そうそう。そういうのがいやで。
わがままなの。
でも、本当に好きだからわがままになるのであって。
やりたくないから言っているんじゃなくて、
ただ自分の時間に味わいたい何かな気がする。
趣味の延長線なのかな?
小出
そう。
「なんで整えないんだろう」っていうのを
ただ、整えたいだけなの。
じゃあ、クライアントは口出ししません、
すべては小出の思うように作ってくれたものを買います
ってだけだったら本業にする?
小出
それはもう私にとっては働いてないと同然だね。(笑)
納期くらいは設定しよう。(笑)
デザインはすべてお任せ。
小出
最高じゃんそれ。
じゃあ、ネックになっているのは
自分の思う通りにできないってことだね。
小出
うん!!!!
じゃあ、誰かのためとかじゃないんだね。
小出
じゃないじゃない!!
やりたいからやってるだけ。
それがたまたまお金になっているから副業なんだよね。
自分が好きでやっているうちに、
身に付いたことで人を助けることができるっていうのが
自然に増えていっただけ。

お金にしようみたいな気持ちじゃないってことだね。
小出
そう、目的が最初じゃない。
続けてきて、できるようになったから、
相手に対して「どうですか?これ使いますか?」みたいな
選択肢の一つとして小出があるだけなのよ。
そうかー。
相手の選択肢のひとつとして提示しているんだ。
小出
そうそう。
好きだからやってんのよ。
だから、デザインについて話してくださいって
言われたいくらでも話せるよ。
見えているもの全部がそうなんだもん。
そりゃもう大変だよ(笑)
あ、じゃあ小出は四六時中見えているものを
デザインとして「あれは○○だなぁ」とか思っているんだ。
小出
そう、だから尽きることはない。
芸術は人に教わるものじゃないって話していたでしょ?
デザインへの感性は生活の中で磨いているのかな?
小出
自覚はないけど、
自然とトレーニングしているかもしれない。
楽しくて仕方がないの。
自分で目に見えるものを課題にして解を探している。
誰かに言われたとかじゃなくて自分でやってるの。
問題を出す→考える→解答と何百周もやっているから、
人に教えてもらうとは別の意味があると思っているし、
これをやっていると学び方は一方向じゃないなと思う。
目に映るものは他人がデザインしたものじゃん?
どういう気持ちで見ているの?
小出
「私にはこんな絵は描けない」っていう人は
世の中に沢山いるわけじゃん。
「何これ、うまー!どうやって描いてんの?」みたいな。
2Dである紙の上に、彼らが見ている3Dの世界を
のせていくわけでしょ。
そういうものに出会うと
「私はここまで見えているな」
「でもここは見えないな」ってのがあるの。
人が描いた世界をみて
「自分はここまで見えているな」っていうのを
確認していたりする。
「見える・見えない」なんだ。
「この表現はできないな」
「この技術はないな」とかじゃないの?
小出
もちろん、それもあるんだけど、
「見える・見えない」が大きい気がする。
描かれている対象を同じように見たときに、
「私にはそれは見えないぞ」ってこと?
小出
そうそう。
じゃあさ、うまい人とかみて、
「この人にはこれが見えてる」とかで
嫉妬したりすることはあるの?
小出
ないっ!
言い切った!
しないんだ?
小出
「はい、あなたの世界すごい!」であって、
私の世界は別にあるから。
じゃあ、テクニックの話じゃないんだね。
小出
うん。
私は、ロマン派とか写実派とかだけじゃなくて
古代の土偶とかも好きだったりするの。
人が脳内で考えたことが好きだから、
人との差もないし上下もない。
比べたりすることではないと思っている。
「あれ私もやってみたい」はあるけど、
上に上にみたいな気持ちはないね。
じゃあデザイナー小出として、
世に名を馳せたいみたいのは…
小出
なーい!
お金持ちになりたいって気持ちはあったとしても、
お金を持ちたいんじゃなくて仕事しなくて、
デザインだけをみていたいっていう(笑)
自分に重きを置いてなくて、
自分の中で起こる感情とか表現の方に興味がある。
「小出にとってデザインとは」って
聞かれたらなんて答える?
小出
うーん。
なんだろ、面白くない答えかもしれないけど、
デザインは解決策なんですよ。
なんの解決策?
小出
いつも、何を見ても課題が浮かんでいるから。
自分の中の課題ではなく世の中の?
小出
そう、整理したいんだよ私は。
それは「課題に対して挑む」みたいな気持ちなの?
小出
どうなんだろ。
自然に発生している感じなんだけど。
綺麗に整理したいだけじゃないんだよね。
デザインとしてあるべき姿に
完成させたいみたいな気持ちがあるの。
等間隔に綺麗に並べるだけがデザインじゃないから。
デザイン対象にとっての正解っていうのがあると思うの。
たとえば、それは名刺のデザインを依頼されたときに
「この人が持つ名刺としてはこれが最適」ってのがある?
小出
そう。
デザインとしての正解を導きだしたくて。
それが色であったり、フォントであったり、
紙の質だったりで表すんだけど、
私は、その前の時点で
その人自身や雰囲気を見たりして、
反映させるのがデザインだと思ってる。
デザインは人に教えてもらわなきゃいけないって
言ったけど、見えないものもひっくるめてデザインだから
やっぱり人に教えてもらうものじゃないかもね。
デザインはやっぱり日々の意識や
自分が見ている世界で磨かれていくってことだね。
小出にとっては紙に書くことだけじゃないんだね。
小出
そんなかっこいいものじゃないかもしれないけど、
作ったものは私から見たその人自身になっている…
はず(笑)
そうでありたいと思って作っているね。
だから本業にしないで、
副業として個別に受けて自由にやりたいのかも。
小出はこれからもずっと描くのかな?
小出
そうね。
死ぬまで描くかもね。
自分の棺桶とかデザインしちゃうのかな。
小出
いいねいいねいいいね!
楽しくなってきちゃった。(笑)
第4回 私のこたえ