振り返ってみれば
オットと付き合い始めた当初、
私は割とかたい考えの持ち主だったように思う。
家は新築以外ありえないと思っていたし
仕事は一度勤めたらなかなかやめちゃいけないし
いろんなことを
「ちゃんとしなければ」
「自分はこうじゃなきゃいけない」
と自分自身を縛っていた。
変化に上手に付き合えるタイプではなかった。
今は、180度性格が変わったとは言わないが、
オットに影響を受けてだいぶ変わってきた。
「まあいいか」
「これもまた楽しいよね」
って変化が面白くなってきた。
それは、ずっとオットが一貫して言ってきた言葉が
影響しているような気がする。
「あきこの好きにするといい。やりたいことやりな」
これは別に私に選択や責任を
押し付けているわけではなく、
見守ってくれているスタンスゆえの言葉だ。
私にとっては魔法の言葉。
今だから思うが、オットは私よりも先に
大工という職人の道を歩み、社会の中で
自分の腕を磨いて生きていく術を得ていた。
健康な精神の持ち主で自信があったのだと思う。
私は、悩んだ時はいつもその言葉を糧にして、
「やりたいことはなんだろうな」
と考えてきた。
「やりたいこと」を因数分解すると
「面白いこと」
「チャレンジしたいこと」
「楽しいこと」
といろいろ出てきて、
あと自分がやれること、やれないこともわかってきて
自分の軸も細いながらに少しずつできてきた。
自分の軸ができると判断基準も生まれる。
「面白いと思ったことには挑戦しよう」
というのが私の一つの軸となった。
その判断のうちの一つが
新卒で勤めていた医療関連の仕事をやめて
紆余曲折を経て編集者になったことだ。
編集といっても一つのジャンルにこだわらず
映画もゲームもwebも本も
やりたいと思ったことはチャンスを逃さずに
自分の力のできる限りでやってきた。
そんな私を見てオットは
「あきこを見てると飽きないな」
とよく言う。
私も私でオットに多少なりとも影響を与えていたらしい。
オットは私に出会ってから
「自分の人生をちゃんとしなきゃな」
と節目で口にしていた。
「ちゃんと」しようと考えた一つが
私との結婚だったらしい。
結婚というものにあまり興味がわかなかった私は
のらりくらりとかわしていたのだが、
オットの最終的なプロポーズの言葉が
決め手となって結婚を決めた。
「結婚しないと俺が死んだときに
あきこが保険金受け取りできないんだよ!?」
こんな現実ラインで攻めてくるとは。
彼は彼なりにちゃんと真面目に言っていたのだが
申し訳ないが思わず笑ってしまった。
出会った時には、まだ男の子って感じだったのに
そんなことも考えるようになったんだなって
何様目線なのか、そんなことも思った。
笑ってありがたく
そのプロポーズを受けることにした。
私たちはそうやって影響しあって
変化しあって今がある。
少しずつ歩幅があってきて家族になった。
私は、このお互いを楽しんで面白がれる関係というのを
今でもとても気に入っている。