もくじ
第1回ヒュッゲは、特別なことじゃない。 2019-03-19-Tue
第2回自分だけの「リラックス」。 2019-03-19-Tue
第3回気持ちをオープンにする。 2019-03-19-Tue
第4回「考えること」からはじまる。 2019-03-19-Tue

駆け出しフリーライター。

「心地いい」の見つけかた。

「心地いい」の見つけかた。

担当・いちかわあかね

第3回 気持ちをオープンにする。

セバスチャン
北欧の人たちが得意なのが、リラックスともうひとつ、
自分の心の状態をよく話すことだと思うんだ。
市川
そうなの?
セバスチャン
うん、デンマーク人は、かなり率直に自分の気持ちを話す。
でも、日本はあまり直接的には言わないんだな、
と日本に来て思った。
これはたぶん、文化的なものだよね。
市川
そうだね。
日本は、あまりストレートな表現をしない文化があるから。
セバスチャン
日本人は、ときどき気持ちを内側に抑えているように感じる。
それって、ときにすごくストレスになると思うんだ。
市川
うんうん。
セバスチャン
例えば、日本語で「ゲンキデスカ?」って聞かれたとき、
日本の人は「元気です」って答えるよね。
市川
うん。
大抵、そう答える。
セバスチャン
本当は、元気じゃなかったとしても。
市川
あ、たしかに……。
セバスチャン
デンマークでは、友達に「元気ですか?」と聞かれたら
「ちょっと疲れてる」とか「仕事が大変なんだ」って答えるのが
自然なことなんだ。
「ボスが意地悪でさ……」とかもね。
 
もちろん人によって違いはあるけれど、
気持ちをオープンにする人が多いよ。
市川
なるほど。
自分の気持ちを素直に話せる相手を持つのは、
大事かもしれない。

セバスチャン
僕は、自分の気持ちをダイレクトに言える場所が
あった方がいいと思ってる。
自分が感じることや思うことを素直に言えるような状態だと、
リラックスできるんだ。
市川
うんうん。
セバスチャン
もちろん、会社の上司になんでも話すのは難しい。
 
でも、友達や家族、自分をよくわかってくれている人なら、
自分の気持ちや考えていることを率直に話せるように思う。
「こう言ったらこう思われるかも……」なんて、
顔色を伺わずにね。
市川
人の目を気にせず、素直な自分でいられるってこと?
セバスチャン
その通り。
 
よく知らない相手に対しては、
好印象を持ってもらおうとしたり、言うべきことを考えてしまったり、
結果的にリラックスできないことも多いでしょ?
市川
たしかに。
初対面の人もそうじゃない?
 
素直に自分の気持ちを言うのは、難しいなって思う。
セバスチャン
僕について言えば、新しい人に会うことは好きだよ。
でも、新しい人に会うことは、
たくさんのエネルギーを使うことでもあるよね。
市川
うんうん。
セバスチャン
例えば、初対面の人に何か言われて言い返したいと思っても、
「この人のことはよく知らないから、言わないでおこう」と
自分の中にとどめてしまったりとか。
市川
そしたら、リラックスは難しいね。
セバスチャン
もちろん新しい人に会うのは素敵なことだけど、
自分がリラックスできる時間をもつことも、
同じくらい大切なんだ。
自分が言いたいことを存分に言える環境というのは、
そんなに多くないから。
市川
ああ、それわかる。
セバスチャン
あとは、「書く」タイプの人もいる。
話すよりも日記を書く方が好きな人もいて、
それは人によって違っていいんだ。
 
必ずしも、話すこと書くことは
みんなに必要なことじゃないかもしれない。
 
でも、悲しいときや強いストレスを感じたとき、
きっと何かの助けになると思う。
 
 
(つづきます)
第4回 「考えること」からはじまる。