「心地いい」の見つけかた。
担当・いちかわあかね
第2回 自分だけの「リラックス」。
- 市川
-
日本だと長時間働く人が多くて、
自分の時間を過ごすのは難しいのかなって思う。
リラックスする時間をうまく作れない、というか。
- セバスチャン
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長時間働いていると、自分の時間を見つけるのは難しいよね。
デンマークにいたときに、僕も同じような経験をしたんだ。
- 市川
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そうなの?
- セバスチャン
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うん。デンマークのアパレル会社で働いていたとき、
僕は、毎週45時間以上は働いてた。
日本では普通のことかもしれないけど、
これは、デンマークではオーバーワークなんだ。
そのときは、会いたい友達にもなかなか会えなかったし、
スポーツをする時間もないし……。
なかなか自分の時間を持てなかった。
- 市川
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知らなかった。
- セバスチャン
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とはいえ仕事は楽しかったけど、古い体質の会社だったんだ。
僕はもっと新しいやり方を試したいと思ってた。
- 市川
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それで、日本で自分のビジネスをすることを決めたの?
- セバスチャン
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うん。
東京は「ファッションの街」っていうイメージがあって。
日本には、いつか行きたいと思ってたんだ。
- 市川
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そっかぁ。
デンマークの人は、自分の時間をすごく大切にしているよね。
- セバスチャン
-
そうだね。
僕が知ってるデンマーク人はみんな、
家族や友人と休日をのんびり過ごすのが大好きだよ。
働いていると毎年もらえる最低5週間の休暇は、特にね。
- 市川
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え、5週間も!? いいなぁ。
そういえば、わたしがデンマークの幼稚園で
ボランティアをしていたとき、
16時とか17時くらいにお父さんが子どもを迎えにくるのを見て、
びっくりしたの。
これって、デンマークだと普通なのかな?
- セバスチャン
-
うん。よくあることだよ。
デンマークの会社の多くは、
時短勤務で子どもを迎えにいくのを許可してる。
- 市川
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そうなんだ。
- セバスチャン
-
社会的、文化的な理由もあるだろうけど、
デンマーク人は、自分の時間をとるのがすごく上手だと思う。
リラックスするのが上手だから、
ストレスも少ないように思うな。
- 市川
-
それが「ヒュッゲ」な時間を過ごせる理由なのかな。
- セバスチャン
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自分にとって何がリラックスできることなのか、よくわかってるんだ。
毎晩家族でご飯を食べながら、話をするのもそう。
- 市川
-
あぁ、そうだ。
デンマークだと、家でご飯を食べることを重視してる
と感じたんだけど、どうなのかな?
- セバスチャン
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たしかに、デンマーク人は家でご飯を食べることが多いね。
それには、2つの理由があると思う。
ひとつ目は、デンマークで外食すると、
値段がすごく高いから。
- 市川
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あ、なるほど。
- セバスチャン
-
ふたつ目は、家でご飯を食べる方が
リラックスできるから。
だから、友達とご飯を食べるにも家に呼ぶことが多いんだ。
- 市川
-
そうなんだ。
- セバスチャン
-
デンマーク人は家でリラックスするのが好きってだけで、
日本人もまた別のリラックス方法があると思うよ。
例えば、「トリキゾクに行く」でもいいし。
- 市川
-
鳥貴族……!(笑)
- セバスチャン
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誰かと過ごすのに、デンマークでは、
外食よりも家で食事をするためにお金をかける。
でも日本では、カフェとか居酒屋とか、
外で食べるのにお金をかける人も多いよね。
単に、文化が違うんだ。
- 市川
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そっかぁ。
セバスチャンは、「違う」と言うだけで、
「こっちの方がいい」「こっちはよくない」とは
全然言わないよね。
- セバスチャン
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うん、言わないね。
- 市川
-
家で過ごす時間にお金をかけるのもいいし、
居酒屋で過ごすのにお金をかけるのもいい、ってことでしょう?
- セバスチャン
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うん。
違う文化だから、どっちがいいとかはないんだ。
「自分にとって」どっちがいいかはわかるよ。
僕の場合、家で過ごす方が好きだ。
でも、誰かに「カフェよりも家でリラックスすべきだ」とは言いたくない。
もしカフェの方がリラックスできるなら、そうすればいいんだよ。
- 市川
-
そっか。
「何が自分にとっていいのか?」を考えるのが大切なのかも。
- セバスチャン
-
そう。
もしスペインなら、イタリアなら、
それぞれまた別のやり方があるのかもしれないし。
- 市川
-
なるほどなぁ。
ただ北欧の文化を取り入れればいい、ってわけじゃないね。
- セバスチャン
-
世界にはいろいろな国があって、いろいろな文化がある。
全部を取り入れようとするより、
「いいな」と思う一部ずつを取り入れて、
自分のライフスタイルをつくっていけばいいと思うよ。
(つづきます)