もくじ
第1回ヒュッゲは、特別なことじゃない。 2019-03-19-Tue
第2回自分だけの「リラックス」。 2019-03-19-Tue
第3回気持ちをオープンにする。 2019-03-19-Tue
第4回「考えること」からはじまる。 2019-03-19-Tue

駆け出しフリーライター。

「心地いい」の見つけかた。

「心地いい」の見つけかた。

担当・いちかわあかね

第2回 自分だけの「リラックス」。

市川
日本だと長時間働く人が多くて、
自分の時間を過ごすのは難しいのかなって思う。
 
リラックスする時間をうまく作れない、というか。
セバスチャン
長時間働いていると、自分の時間を見つけるのは難しいよね。
デンマークにいたときに、僕も同じような経験をしたんだ。
市川
そうなの?
セバスチャン
うん。デンマークのアパレル会社で働いていたとき、
僕は、毎週45時間以上は働いてた。
日本では普通のことかもしれないけど、
これは、デンマークではオーバーワークなんだ。
 
そのときは、会いたい友達にもなかなか会えなかったし、
スポーツをする時間もないし……。
なかなか自分の時間を持てなかった。
市川
知らなかった。
セバスチャン
とはいえ仕事は楽しかったけど、古い体質の会社だったんだ。
僕はもっと新しいやり方を試したいと思ってた。
市川
それで、日本で自分のビジネスをすることを決めたの?
セバスチャン
うん。
 
東京は「ファッションの街」っていうイメージがあって。
日本には、いつか行きたいと思ってたんだ。
市川
そっかぁ。
 
デンマークの人は、自分の時間をすごく大切にしているよね。
セバスチャン
そうだね。
僕が知ってるデンマーク人はみんな、
家族や友人と休日をのんびり過ごすのが大好きだよ。
 
働いていると毎年もらえる最低5週間の休暇は、特にね。
市川
え、5週間も!? いいなぁ。
 
そういえば、わたしがデンマークの幼稚園で
ボランティアをしていたとき、
16時とか17時くらいにお父さんが子どもを迎えにくるのを見て、
びっくりしたの。
 
これって、デンマークだと普通なのかな?
セバスチャン
うん。よくあることだよ。
デンマークの会社の多くは、
時短勤務で子どもを迎えにいくのを許可してる。
市川
そうなんだ。
セバスチャン
社会的、文化的な理由もあるだろうけど、
デンマーク人は、自分の時間をとるのがすごく上手だと思う。
リラックスするのが上手だから、
ストレスも少ないように思うな。
市川
それが「ヒュッゲ」な時間を過ごせる理由なのかな。
セバスチャン
自分にとって何がリラックスできることなのか、よくわかってるんだ。
毎晩家族でご飯を食べながら、話をするのもそう。
市川
あぁ、そうだ。
  
デンマークだと、家でご飯を食べることを重視してる
と感じたんだけど、どうなのかな?
セバスチャン
たしかに、デンマーク人は家でご飯を食べることが多いね。
それには、2つの理由があると思う。
 
ひとつ目は、デンマークで外食すると、
値段がすごく高いから。
市川
あ、なるほど。
セバスチャン
ふたつ目は、家でご飯を食べる方が
リラックスできるから。
 
だから、友達とご飯を食べるにも家に呼ぶことが多いんだ。
市川
そうなんだ。
セバスチャン
デンマーク人は家でリラックスするのが好きってだけで、
日本人もまた別のリラックス方法があると思うよ。
 
例えば、「トリキゾクに行く」でもいいし。

市川
鳥貴族……!(笑)
セバスチャン
誰かと過ごすのに、デンマークでは、
外食よりも家で食事をするためにお金をかける。
 
でも日本では、カフェとか居酒屋とか、
外で食べるのにお金をかける人も多いよね。
 
単に、文化が違うんだ。
市川
そっかぁ。
 
セバスチャンは、「違う」と言うだけで、
「こっちの方がいい」「こっちはよくない」とは
全然言わないよね。
セバスチャン
うん、言わないね。
市川
家で過ごす時間にお金をかけるのもいいし、
居酒屋で過ごすのにお金をかけるのもいい、ってことでしょう?
セバスチャン
うん。
違う文化だから、どっちがいいとかはないんだ。
 
「自分にとって」どっちがいいかはわかるよ。
僕の場合、家で過ごす方が好きだ。
 
でも、誰かに「カフェよりも家でリラックスすべきだ」とは言いたくない。
もしカフェの方がリラックスできるなら、そうすればいいんだよ。
市川
そっか。
「何が自分にとっていいのか?」を考えるのが大切なのかも。
セバスチャン
そう。
もしスペインなら、イタリアなら、
それぞれまた別のやり方があるのかもしれないし。
市川
なるほどなぁ。
ただ北欧の文化を取り入れればいい、ってわけじゃないね。
セバスチャン
世界にはいろいろな国があって、いろいろな文化がある。
 
全部を取り入れようとするより、
「いいな」と思う一部ずつを取り入れて、
自分のライフスタイルをつくっていけばいいと思うよ。
 
 
(つづきます)
第3回 気持ちをオープンにする。