もくじ
第1回「好きになれる人たち」を探してた 2019-02-26-Tue
第2回曲がいい。歌詞もいい 2019-02-26-Tue
第3回コンサートのクオリティと持久力がすごい 2019-02-26-Tue
第4回推しがいたから 2019-02-26-Tue
第5回天才的にかわいい子 吉澤ひとみさん 2019-02-26-Tue
第6回黒髪ショートのかわいい子 工藤遥さん 2019-02-26-Tue
第7回人生が下向きなときに救ってくれる 2019-02-26-Tue
第8回まだまだ全然言い足りない 2019-02-26-Tue

コンテンツ制作を7年やった後、ほかのWeb系企画職に寄り道して現在ライター・編集者。
ライブと映画とかき氷が人生の楽しみ。モーニング娘。が20年好きです。

だからモーニング娘。が好き

だからモーニング娘。が好き

担当・ぐみ

第7回 人生が下向きなときに救ってくれる

思えばコンサートに行くようになってからと
社会人になってからはほとんど同じ期間。
決していいことばかりではなかったし、
つらいことも多かった。

はじめの会社の仕事はやりがいがあったけど薄給だったし、
いつもこのままでいいのか悩んでいた。

おばあちゃんになるまで一緒だろうなと思っていた
友人が病気になって、そこから半年と少しで亡くなった。

転職をしてからは苦しみの連続で、
得意なことが生かせない仕事で
人の役に立てていないなと思って悩んだし、
ブラック企業のオンパレードで3年間で4回会社をかわった。

まあまあ地獄を見てきたほうかなと思う。
悔しい思いもたくさんした。
退職届を叩きつけた帰りの電車で
涙が止まらなくなったこともあった。

自分で選んだことの結果だけど、
「どこで選択を間違えてしまったんだろう」
「こんなはずじゃなかったのにな」
と何度思ったことか。

モーニング娘。のコンサートは、
公演のかなり前にチケットを確保することが多い。
何か嫌なことがあったときにもすでに予定に入っていて、
そこで曲やメンバーのパフォーマンス、
あらためて入ってくる歌詞の内容に救われてきた。

『みかん』
例えば友人が亡くなった少し後に行ったコンサート。
「みかん」という曲が歌われた。

積極的に 生きるんだ
人生は 一回
笑う人に 人集う
life is one time

今日も明日も 毎日は
24時間
どんな人も朝の陽に
包まれる

モーニング娘。『みかん』より引用

人生は一回というのを痛感して悲しくもあるけれど、
生きている人には朝が来る。
悲しいけれどまだ続いている自分の人生を
大事に生きていかなきゃいけないなと
あらためて感じ、勇気づけられた。
言葉にすると陳腐になってしまうけど、ありがたい時間だった。

あくまで私はだし、最近気づいたことだけど、
コンサートはパフォーマンスを楽しむと同時に、
常に動いている自分が立ち止まって
振り返る場でもあるなと思っていて、いろいろ気づかされる。
もちろんコンサートの内容に
テンション上がりっぱなしでそれどころではない時もあるけれど。

『涙ッチ』
そして数年前、1年に2回会社をやめた年。
ずっとしんどかった会社をやっと辞め、
心機一転入った会社が入ってみたら
同じくらいかそれ以上にひどくて。

慎重に選んだつもりだったのに
また失敗した自分に失望したし、
こちらの常識からは理解できない状況が
起こりすぎていた。

ちょうどこの時期にやっていたツアーが
推していた工藤遥さんの卒業ツアーだったため、
全日程の3分の1くらい行っていた。

最後に歌われる曲が「涙ッチ」。
「10 MY ME」というアルバムの曲で注目してこなかったけど、
自分のそんな状況と、もうすぐ
推しが卒業してしまうという動かせない現実
を感じながら見た歌詞は、あらためて印象に残った。

優しくなって許し合って
終わったこと引きずらないで
だけど反省は大切さ
失敗生かし 次は成功するのさ

ガキの頃みたく まっすぐに
泣いて 笑って たくさん食べて
人間らしく 誇り高く
あしたをこっちのペースに巻き込むのさ

モーニング娘。『涙ッチ』より引用

もうさすがに自分すら信用できなくなって
落ち込んでいたので、励まされた。
毎回そう、そうだよなあ‥‥と心の中で頷いていた。

涙ッチというのはおそらく、
「涙を見せられる、見せ合える友達」の略だ。
まだ頑張れるのかもしれないと思った。

人生が下を向いているとき、
人生に負けているなと感じるとき。
モーニング娘。はそんな自分を
認めて寄り添い、元気づけてくれる。

落選者から生まれたグループであるモーニング娘。
どんなに実力があったり容姿がかわいい子でも、
歴代メンバーはそれぞれコンプレックスや劣等感を
抱えて悩んでいた(いる)。

一度は国民的なグループになったのに、
メディアへの露出が減り、変わらず活動していても
「まだいるの?」と言われることが増えたのも
悔しかったと思う。

プロデュースしてきたつんく♂さんも、
大変な思い、悔しい思いを人一倍してきた人だ。

彼女たちは素晴らしいパフォーマンスと同じくらい、
悔しさと戦い乗り越える姿を見せ続けてくれた。
時には乗り越えられないものもあったかもしれないが、
そこには足掻く美しさがあった。

人生の影の部分に寄り添ってくれる一方で、
人生に光を与えてくれる。

第8回 まだまだ全然言い足りない