もくじ
第1回「好きになれる人たち」を探してた 2019-02-26-Tue
第2回曲がいい。歌詞もいい 2019-02-26-Tue
第3回コンサートのクオリティと持久力がすごい 2019-02-26-Tue
第4回推しがいたから 2019-02-26-Tue
第5回天才的にかわいい子 吉澤ひとみさん 2019-02-26-Tue
第6回黒髪ショートのかわいい子 工藤遥さん 2019-02-26-Tue
第7回人生が下向きなときに救ってくれる 2019-02-26-Tue
第8回まだまだ全然言い足りない 2019-02-26-Tue

コンテンツ制作を7年やった後、ほかのWeb系企画職に寄り道して現在ライター・編集者。
ライブと映画とかき氷が人生の楽しみ。モーニング娘。が20年好きです。

だからモーニング娘。が好き

だからモーニング娘。が好き

担当・ぐみ

第5回 天才的にかわいい子 吉澤ひとみさん

4期。4代目のリーダー。
「天才的にかわいい子」というのは、オーディションの映像を見たつんく♂さんが言った一言。

決定的に吉澤ひとみさんを好きになった一言、
それはオーディションの審査の後、感想を求められて放った
「ムカつく」という言葉です。正確には「だめだった‥‥ムカつく」で、
おそらくうまくできなかった自分に対しての言葉だと推測するが、
他の子なら多分好感度を気にしてちょっと違う言葉を使うのに、
正直に言っちゃうところが面白いなと思って、好きになった。
結果はめでたく合格、3人予定だったところに4人入った。

すごく美人なのに気取らず、笑いも積極的に取りに行くタイプ。
『ハロモニ。』という番組内でのコント、
同じ4期メンバーの石川梨華さん、辻希美さん、加護亜依さんと
4人で家族を演じた「頑固一徹一家」ではカツラに腹巻にももひき、
気が短くすぐに怒ってちゃぶ台をひっくり返すお父さん役を演じていました。
このコントの印象もあったのか、よく「4期は家族」と言われていて、自分たちでも言っていました。

・初めてのセンターは男役

吉澤ひとみさんがはじめてのセンターをつとめたのは
『Mr.Moonlight 〜愛のビッグバンド〜』。宝塚よろしく男装して周りの女の子たちをメロメロにさせ
る曲です。

「天才的にかわいい子」がキレ芸のおっさんを演じたり、
かっこいい男役をやったり、新しい一面がどんどん出てきて
見ていて飽きない。
ボーイッシュキャラだけど女子だな~と思う一面もあって、
二面性があるところが好きでした。

コンサートに行くきっかけは卒業発表。だったけど

モーニング娘。のコンサートに行ってみたいとは思いつつ、当時はライブにたくさん行くタイプでもなかったし、何より客層が男性ばかりでどうしたらいいのかもわからないし怖いと思っていました。しかし、よっすぃ~が卒業するというニュースを見て「これに行かなければ私が好きな3期4期がいるモーニング娘。を生で見ることなく終わってしまう」と思って卒業コンサートに行くことを決めました。

そしてその矢先、彼女の弟さんが交通事故で亡くなりました。彼女が2人の弟さんと仲が良く、かわいがっているのは当時の私のような情報を逐一追っているわけではないレベルの人間でも知っているくらい有名な話でした。メンバーの卒業でも泣かない彼女が人と話ができないくらい憔悴しているという報道を見て心を痛めました。ちょうどその時はモーニング娘。をはじめとしたハロープロジェクトのグループの合同コンサート、通称「ハロコン」が行われている最中。これだけのことが起こってしまったら休むのは致し方ない、無理をせず今はゆっくり休んでほしい‥‥そう思ったのに翌日、彼女はコンサートに出ることを決めたのです。

本当に無理しない方がいいのにと思いましたが、彼女がそんな中でも出ることを決めたのであればファンは見に行くべきだろうと思い、急遽神奈川で行われる予定だったコンサートのチケットを取りました。図らずもコンサートデビューです。初めて見たモーニング娘。というよりもう吉澤さんの印象になってしまいますが、あんなに悲しいことがあったのに、そんな表情はひとつも見せずににこにこ笑いながらパフォーマンスしていました。すごくかわいかった。つらいことがあったのは彼女なのに、こちらのほうが勇気づけられてしまった。これがプロなんだ。と思った。

この時から、何か彼女がやるときはできるだけ見に行こう。応援する人は一人でも多いほうがいいだろう。そう思って卒業後のソロ活動から本格的にコンサートにたくさん行くタイプのファンになった。やはりその時は大人の男性が多かったけど、実際に行ってみたらそんなことは小さなことで、コンサートを実際に見られることのほうがずっとずっと貴重で楽しくて大事なことだと気づいた。

卒業曲がほんとうにかっこいい

モーニング娘。では、卒業するメンバーにあてた曲が作られることがあって、それはタイミングなどもあり毎回ではないが、吉澤さんの卒業シングル『悲しみトワイライト』はバリバリのセンターで、曲のテイストも衣装も吉澤ひとみさんに寄せてくれていた。つんく♂さんありがとうという気持ちでいっぱい。

このMVの吉澤さんが本当に美しくて、何度見たことか。特に最後のスローモーションでどアップになるところ、この世の奇跡か‥‥となります。

実物はこの世のものとは思えない

握手したこともありますが、大げさでなく
会ったことのある全人類の中で一番かわいかったです。
かわいくて美しくて何度会っても慣れないし、
この世のものとは思えない(ほめている)。
いつも優しくて穏やかでした。

ソロのコンサートは全体の数が多くないのでほぼ全部行っていたし、ユニットのコンサートも結構行っていたと思います。福岡から大阪の移動でプロペラ機に乗るという貴重な体験もしました。乗る前はあれが本当に飛ぶの‥‥? と不安だったけれど、畑の上を飛んでいる間じゅう自分が乗っている飛行機の影が見えて楽しかったです。

海外遠征

一度だけですが海外にも行った。HANGRY&ANGRYという、洋服ブランドの世界観とコラボした音楽ユニットを石川梨華さんとやっていた際に出演したサクラコンというイベント。

フランスで行われるジャパンエキスポの小さい版というとイメージしやすいだろうか、日本の漫画やアニメ、音楽などの文化に関するイベントや展示が行われるイベント。
まったく行く気はなかったのに、友人に「ぐみちゃん、行かない?」と誘われてよくよくスケジュールを確認したら無理すれば行けなくはない、ということでそこからが早かった。よくわからない英語のサイトとにらめっこしてチケットを取ったり。ライブで自分が好きなものに対して盛り上がっている異国の人たちを見るのも楽しかったし、日本ではあまりやらないサイン会も楽しかった。広いアメリカで、シアトルで行われたそのイベントに来るためにかなり遠い州から来ている人もいて、こちらの片言の英語と向こうの片言にの日本語で会話して、こんなに日本の文化を好きな人がいるんだということに感動したし、それまでは日本って海外の人から見て面白いポイントあるのかな? と思っていたので日本を誇らしく思えたり。

その後、彼女のソロのコンサートには行かなくなってしまったけれど、あの4年間は本当に頑張ったし、いろいろ新しい世界を知れてとても楽しかった。

事故、引退。今思うこと

長々と吉澤さんについて語ってしまいましたが、ご存知の通り、彼女は昨年飲酒運転をして事故を起こして被害者の方々に怪我をさせ、さらに現場から逃げて逮捕されました。そしてそれを受けて引退しました。

絶対に許されないことで、いくらファンでも1ミリも擁護できません。被害者の方が、肉体的にも精神的にも回復されていくことを心からお祈りしています。

信じられない出来事で、こんなことを言っていい立場なのかわかりませんが、本当にショックでした。私だけではなく、ほかのファンの人たちはきっと人生を照らしてもらっていました。その人が、人の人生を奪いかねないようなことをしてしまった。飲酒して事故の時点で駄目だけど、逃げるなんて。事故によって悲しくてつらい思いをしたのに、きっと本人がよくわかっていたのに、どうして。こんな言葉人に言うもんじゃないけど、馬鹿だなぁ‥‥。

4期の10周年イベントは3人でした。今年2019年は20周年。昨年2018年の8月に10年以上ぶりに加護亜依さんがハロプロの舞台に立ち、20周年はついに4人揃うかなと思っていたのに‥‥。吉澤さんは結構苦労が多くて、前のリーダーが脱退して突然リーダーになり、自分が卒業した次のリーダーも突然脱退し、同期が妊娠して降板した舞台の代役を時間のない中つとめ、それでも文句も言わずに頑張ってきた。でも、どんなに頑張ってきても、それが台無しになるようなことをしてしまった。本人が一番公開しているだろうけど、頑張ってきたのも知っているから、残念でなりません。

でも、好きにならなければよかったとは思わない。
はじめは、思いあがった話だけど、ファンの応援なんて意味がなかったのかなとか、この目で見ていたものは何だったのだろうとかずっと考えていたけど、どれかが嘘だったとかそういうことではなくて、真面目で優しい人が悪いことをして逃げるようなことは起こりうるということなのだろう。人間ってそういうものなのかもしれない。

大好きだった人がこんな最悪の形で引退してしまって悲しいけど、当時の私の毎日に光をくれていことは事実だし、そして何より、彼女がいなかったらモーニング娘。のコンサートに行くことはなかったかもしれない。いろんなことに感謝しているのは変わらない。

してしまったこと、きちんと反省して償って、改善できることはしてくれたらいいなと思う。
そして、自分がたくさんの人の人生を光で照らしていたということも忘れないでほしい。

第6回 黒髪ショートのかわいい子 工藤遥さん