「飲み会」という場はたしかに、好きだ。
みんなで集まってわいわいするのは楽しい。
そこに行けば何かしら面白いことがある、
という期待のようなものもある。

それに、飲み会にはいろんなチャンスが溢れている。
他の多くの人がそうであるように、
わたしもお酒を飲むと、普段より少し陽気になれる。
人見知りで引っ込み思案な自分がいなくなって、
憧れていた人とも普通に会話ができたりする。
この人ちょっと苦手かも、と
一方的に食わず嫌いをしていた人とも、
酔っ払った勢いで話してみたら
意気投合できてしまうこともある。
「ゲレンデマジック」ならぬ、「飲み会マジック」だ。

お酒はうまく使えば、人間関係の潤滑剤になる。
日常生活ではまずありえないような機会を
与えてくれるという意味で、お酒が好きだ。
うまくコントロールできなくて、
逆にお酒に飲まれて
失敗することもしばしばあるけれど。

さらに、大人になってからわかったことだけど、
「飲みに行きましょう」という誘い文句は、とても万能だ。
社会に出て働き始めてみると、
大学でいうサークルや部活動のようなものもほとんどなく、
自分と趣味や気が合う人を探すのは、結構難しい。

仲良くなりたいと思っている人へのお誘いとして、
「ランチでも行きましょう」もアリかもしれないけれど、
個人的には、まだ仲良くなっていない人と
しらふの状態でご飯を食べて、話をして、
冷静な状態でお互いをジャッジし合うのは少し怖く、
ランチはハードルが高い。

その点、なにか失態を演じることになっても、
お互い「お酒を飲んでいたから」という言い訳が通じる
飲み会というシチュエーションは、
後腐れがなくて都合が良いのかもしれない。

さらに、「飲みに行きましょう」という台詞は、
社交辞令としても世間一般に浸透しているので、
予防線的に一度誘ってみて、音沙汰がなければ
相手にとってわたしはそういうことだったんだ、と
傷の浅い内に自分を諦めさせることもできる。

そう考えると、飲み会の重要度は計り知れない。
わたしは今まで飲み会にとてつもなくお世話になっている。
そしてその飲み会を支えているお酒にも。
ありがとうお酒。
なんだかんだ言って、やっぱり好きかも。