今年届いた私宛の年賀状は11枚。
小学生の時は100枚を超えていたはずだ。
いつの間にかとても少なくなってしまった。

減りだしたのは小学校高学年の時だっただろうか。
「あけおめーる」が流行りだした頃だ。
キラキラ動くデコレーション絵文字を使って
1月1日0時ちょうどに一斉送信する。
サーバーがパンクして送受信ができなくなるほどだった。

それでも依然、私は年賀状派だった。
手書きのメッセージが貰えるのは嬉しいし、
それが “好きな人から” となるとなおさらだ。
私も好きな人に年賀状を送りたいし、
直筆の年賀状が欲しい！
と意気込んでいた。

冬休み前、クラスで女の子たちの連絡帳が回る。
「年賀状送っていい人は住所書いて〜」
もちろん全員の住所が欲しいのではない。
これは好きな人の住所を聞くためのローラー作戦だ。

一方その頃からひねくれていた私は
そんな作戦はダサいからやらないぞ、
と心に決めていた。
かと言って、好きな人に聞きに行く勇気はない。

結局私は卑劣な手を取った。
ローラー作戦で住所を聞いていた女の子から
こっそりゲットしたのだ。
よっぽどダサいやり口である。

来たるねずみ年。
年女の私は気合いを入れて
可愛くておしゃれなモチーフを彫った。

しかし裏ルートで入手した住所。
送ったら嫌われるだろうか、と悩みに悩んで、
三が日を過ぎた頃、そっとポストに投函した。

その年、好きな人から年賀状が返って来ることはなかった。
代わりに「喪中なのでごめん」とメールで返信がきた。
ほろ苦い思い出である。