もくじ
第1回初めてのはんこ 2019-02-26-Tue
第2回葛藤する年女 2019-02-26-Tue
第3回特別さに気づいたとき 2019-02-26-Tue
第4回続けられる理由 2019-02-26-Tue

大学4年生で春から社会人。ライターをするのは初めてです。好きなものはお米。

私の好きなもの</br>消しゴムはんこの年賀状

私の好きなもの
消しゴムはんこの年賀状

担当・トミカ

私の好きなものは「消しゴムはんこの年賀状」です。

興奮して立ち上がるくらいの好きや、
頬が赤く染まるような好きではなく、
しみじみと噛みしめるような好き。

初めて彫ったのは、ちょうどひとまわり前のいのしし年。
私が10歳の時でした。
それからというもの、
年末は我が家の消しゴムはんこ彫り師をしています。

そして今年、2度目のいのしし年が回ってきました。

なんでこんなに好きになったんだろう。
振り返ってみるとなんだか懐かしくて、
いろんな人に聞いてもらいたくなりました。

消しゴムはんこの年賀状と私の13年のお話です。

全4回。お付き合いください。

第1回 初めてのはんこ

初めて消しゴムはんこを彫ったのは小学5年生のとき。

毎年パソコンでイラストを描いて印刷していたのが
その年の暮れにパソコンの調子が悪くなって
できなくなってしまったのだ。
そんな時に母が津久井智子さんの
「消しゴムはんこ。で年賀状」(主婦の友社)
という本を見つけてきた。

図工で木版画をやっていたので、
彫刻刀の扱いは難しくなかった。
それに、木より柔らかくて滑らかだから
するすると彫れる。
家族みんな私を褒めてくれて、
得意になって彫り進めた。

始めての消しゴムはんこは
着物を着たイノシシの女の子。

冬休み明け、
「あれ自分で彫ったの?すごいね!!」と
たくさんの人に褒められた私は、もっと鼻高々になる。

それから消しゴムはんこは毎年私の仕事になった。

第2回 葛藤する年女