初めて消しゴムはんこを彫ったのは小学5年生のとき。
毎年パソコンでイラストを描いて印刷していたのが
その年の暮れにパソコンの調子が悪くなって
できなくなってしまったのだ。
そんな時に母が津久井智子さんの
「消しゴムはんこ。で年賀状」(主婦の友社)
という本を見つけてきた。
図工で木版画をやっていたので、
彫刻刀の扱いは難しくなかった。
それに、木より柔らかくて滑らかだから
するすると彫れる。
家族みんな私を褒めてくれて、
得意になって彫り進めた。
始めての消しゴムはんこは
着物を着たイノシシの女の子。

冬休み明け、
「あれ自分で彫ったの?すごいね!!」と
たくさんの人に褒められた私は、もっと鼻高々になる。
それから消しゴムはんこは毎年私の仕事になった。