糸井

この対談はテーマを決めてないから
いつ終わってもいいんだけど、
燃え殻さんから、もし何かあれば。

燃え殻

今日は、何も考えずに来ました（笑）。

糸井

一応、通り一遍になるんだけど聞いておきます。
会社は辞めないんですか？

燃え殻

ああ、ええっと。
絶対に辞めないです。

糸井

絶対に辞めないですか（笑）。

燃え殻

絶対に辞めないです（笑）。
今、うちの会社の同僚や若手社員たちが、
ぼくの仕事を見てくれていて。
それがいちばん、おもしろいというか、
うれしいというか。

糸井

ああ。

燃え殻

ぼくが昔、似顔絵塾で選ばれたように、
会社を通して、何度か社会に認められたことがあって。
ここで「いてもいいんだ」感を得られたんです。
小説を書いて今のようになった時も、
社長がいちばん喜んでくれましたし。

糸井

仲間、ですね。

燃え殻

それこそ、血縁関係もないんですが、
ある意味、親より喜んでくれて。
それが、いちばんうれしかったなぁ。

糸井

聞いていて、うれしくなってくるね。

燃え殻

でも、本音ですね。本音。

糸井

何かを書くってことは続けていくんですか？

燃え殻

今まで、依頼があったことに対して、
全力で取り組むということを続けてきました。
小説でも、企画でも、美術制作でも、まったく同じで、
「全然知らない人が喜ぶにはどうしたらいいのか」。
そればかり考えています。

糸井

誰かが喜んでいるんだったら、
その人たちに向かって、
何をどうしていこうか考えながら、
一緒に手をつないでいたい。
そういうことってあるよね。

燃え殻

ぼくはもう、それだけですね。
せっかくやるんだとしたら、関わった人も含めて、
みんなが喜ぶにはどうしたらいいのだろう、
というのが、心の中にずっとあるんです。
そう考えながら働くのが楽しいんです。

糸井

その答えは、すごくいい。
耳にいいですね。
いやぁ、最後までいい話が聞けました。
今回は、このあたりにしておきましょうか。
また、機会があればお話しましょう。
今日はお疲れ様でした。
オフィスまで来てくれて、どうもありがとうございました。

燃え殻

こちらこそ、今日も楽しかったです。
ありがとうございました。

（おわります）