【数分で読める!】燃え殻×糸井重里 対談
担当・あいうえお

第3回 作品と商品のバランス。
- 糸井
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やっぱり世の中の物事は、
作品と商品の間を揺れ動くハムレットなんじゃないかな?
だって、結婚は愛じゃないとか言う人っているじゃないですか。
- 燃え殻
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いますね。
- 糸井
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事業だとかさ。
「結婚が愛という人とは一緒になんないほうがいいわよ」
って忠告するのは、商品として完成しなさいって話じゃない。
恋愛のまま突き進んでいって失敗する人というのは、
作品が売れなくなって大変な思いをする人。
両方ありますよね。
- 燃え殻
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ありますねえ。
- 糸井
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だから、作品と商品、
あるいは自分が気持ちいいか、みんなに伝わるか。
それは全員の中にバランスがあるんじゃないでしょうか。
- 燃え殻
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ありますね、絶対。
難しいですけど、バランスがいいと、嬉しいなぐらいですよね。
- 糸井
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バランスをよくする方法は、実はバランスを壊すのだと思う。
だから、近くを見てると倒れるというか。

- 燃え殻
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はいはいはい。
- 糸井
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オートバイ乗ります?
- 燃え殻
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乗らないです。
- 糸井
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オートバイの練習で、一本道というのがあるんです。
一本道をずーっとオートバイで行って、
トンと普通に下りればいいだけなんだけど、脱輪するんですよ。
それは、脱輪しないように車輪の先を見てる人は必ず脱輪するんです。
- 燃え殻
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うんうん。
- 糸井
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で、一本道は、車輪なんか見ずにまっすぐ前を見ればいいんです。
すると、自然にまっすぐ行くの。
それ、オートバイの練習してる時に、
なんていいこと教わったんだろうと思って。
近くで一生懸命考えれば脱輪しないってこと、絶対ないんで。
前見るんですよね。みたいなことを考えるようになった。
・・・なんかこう、年上の人からのお話みたいな。
- 燃え殻
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いやいや、年上じゃないですか(笑)。
