もくじ
第1回出会いときっかけは、突然に 2017-12-05-Tue
第2回先生、なんでグループノートをやってたの? 2017-12-05-Tue
第3回先生があの頃抱いていた「想い」 2017-12-05-Tue
第4回再会によって得た「気付き」と「決意」 2017-12-05-Tue

音楽と旅行が好きなアラサー女子。地方で食べるおいしい食べ物とお酒が大好きです。

再会が導く</br>「書く」ことへの決意

再会が導く
「書く」ことへの決意

担当・蒼山静花

第2回 先生、なんでグループノートをやってたの?

蒼山
おひさしぶりです。
先生
あんまり変わってないね。(笑)
蒼山
よく言われます。(笑)
今回は、当時やってた「グループノート」について
お話しを伺いたいのですが。
先生
はいはい。
蒼山
そもそも、なぜグループノートをやろうと思ったのか
っていう話を聞いてもいいですか?
先生
えーっと‥‥やっぱりね、
「文を書く力をつけさせたかった」っていうのが一番かな。
「しゃべり」っていうのは日常生活でもするんだけど、
「文を書く」っていうのは
なかなか意図的な設定をしないとやらないし、
一番頭を使うのかなとも思ったしね。
構成を考えたりだとか、漢字を使ったりというのもあるし。
最初のほうを見てもらうと、非常に短い文章しか書けてない
っていうのがほとんどだと思うんだけど‥‥。
あわせて学級通信にも載せていくので、
「人に読んでもらう」っていうのも
やっぱり大切だったのかなとは思うんだよね。
蒼山
何かに影響を受けて、っていうのはありますか?
先生
本のタイトルは忘れちゃったんだけど、
『おもしろ作文』みたいな本があって。
例えば‥‥「私は消しゴム」って自分を物に例えるのとか、
「〇年後の自分」とか「芸能人がやってきた」とか‥‥
そういうものだったら結構書けるんじゃないかなと
思ったりもして。
蒼山
ありましたね。そういうのも。
先生
あとは、自分の先輩が
「グループノート」をやってたんだよね。
やっぱりそれをもとにしたのかなっていう気はするね。
蒼山
これって、担任をもっている間はずっとやってましたか?
先生
やってたね。
やってたんだけど、「負担になるから」って言われて、
毎週じゃなかったのかな。
2週間に1回ぐらいになっちゃった。
蒼山
わたしたちも週に1回これを書くのは大変だったと
記憶してるんですけど、1週間でクラス40人分の作文を
先生自身が見ないといけないじゃないですか。
これって毎週末に赤字が返ってきてるんでしたっけ?
先生
いや、多分その日中に見て書いて、ってしてたかな。
蒼山
先生も負担じゃないの?ってわたしは思っていて‥‥。
先生
しんどいしんどい。(笑)
ほかの先生が授業を見てくれる空き時間に
見るっていう感じだったから‥‥。
蒼山
月曜日から木曜日まで毎日、1日あたり10人分の作文を見て、
全員の文章に赤字が入れてあって、
そのうえで学級通信に毎週まとめてくれて。
膨大な作業量だなと思ってたんですけど‥‥。
先生
若かったね。今ならやらないね。(笑)
まあ、やっぱりやらせっぱなしだと失礼だから、
みんなに書いてもらったからには自分も目を通すし、
みんなに読んでもらうように学級通信に載せていくっていう‥‥
そこだけは変えないようにしたかったからね。
蒼山
学級通信に載るのって、人によっては
親から「なんでこんなこと書いたの!」って
怒られたりもするのかなって思ったりもしたんですけど‥‥。
先生
その辺りはどうなんだろう。
わからないけど、「読んでもらわなきゃいけない」っていうのは
思っていて‥‥あと、やっぱり書いたものは残るんだよね。
最後にまとめの文集も毎回作ってはいたんだけど、
やっぱり物として残っているといいのかなと。
うちの学校でこの前タイムカプセルを掘り起こしたのね。
「掘り起こしますよ」って回覧を地域に送ったら
当日100人以上見に来てくれて。
そんな風に、大人になってちょっと振り返るときに
自分がこうだったんだなーっていうのがわかるきっかけには
なるかなって。
蒼山
グループノートを見るときに気をつけていたこと、
視点みたいなものってあります?
先生
最初のうちはとにかく褒める感じで‥‥
「少しでも長く書いてもらう」っていうのが目的なので。
花まるとかも結構つけてたと思うんだけど。
だんだん慣れてきたら、例えば遠足に行った作文だと
「朝何時に起きて学校に何時に集合して」みたいなところを
メインに書いていて、肝心の遠足の内容が2、3行で
「楽しかったです」はい終わり、みたいなのは
違うでしょっていう‥‥。
やっぱり「話を絞って書く」というところには気をつけていて。
なので、いい文の紹介とかもやってたんだと思うんだよね。
蒼山
やってましたね。
先生
やっぱりいい文を真似ることが大切かなとも思うのでね。
なので、いい文はどんどん紹介していきたいなとも
思っていたし、あとは「気持ちを書く」っていうのかな。
気持ちだってただ「楽しかった」っていうのではなくて、
「何がどう楽しかった」のか、みたいなことを
書いてもらいたいなと思うし。
で、だんだんよくなってきたら改行とか、字の丁寧さとか、
見やすさとか、「人に向けて書いてる」っていうのを
意識してもらえればな、という風には思ってたね。
蒼山
これをやっていて「おもしろいな」と思ったことって
あります?
先生
とにかく読むのは楽しかったね。それは言えるかな。
蒼山
一冊ちょっと読み返してみたんですけど、
みんな全然違うじゃないですか。
人それぞれ書けている度合いも書く内容も、
同じテーマでも全然違ったりして。
「小学生だから」っていうおもしろさというか、
そういうものって記憶に残っていたりします?
先生
まあ、長く書けていればいいのかっていうと
そういうわけでもなくて、
短くてもすごく気持ちが表せているパターンもあるし、
あと先生がコメントを書いているからかもしれないけど、
最初と最後ではだいぶ文が変わってきていると思うので、
そういう成長みたいなのは‥‥はっきりと味わえるというか、
感じられたんじゃないかなとは思うね。
「継続は力なり」ということでね。
蒼山
これをやっていて「よかったな」と思うことって
ありました?もしくは逆に「やらなきゃよかった」と
思うこととか‥‥。
先生
卒業アルバムはすごい楽だったよ。
埋まらないっていうことがなく、ほぼみんな書けてたし、
改行の仕方とかもちゃんとできてたから。
そういうのはやっぱり日々の積み重ねで
ちゃんとできるようになってたから、よかったかなと思うね。
まあ、やらなきゃよかったなと思うのはね‥‥
みんなが不満を言っているのはよくわかっていたので
申し訳ないなと。(笑)
あとは、個人面談とか家庭訪問でも
「書くことがないって言って大変なんですよ」
って保護者から言われたことももちろんあった。
あったけど、そこは若かったから‥‥。
自分の信念を曲げず。(笑)
今だったら「そうですね、やめましょう」みたいなことに
なっちゃうかもしれないけど。(笑)
蒼山
若かったなーって思います?これをやってた頃の自分。
先生
そうだね、若かったね。(笑)
蒼山さんの学校にいた頃が一番好き勝手に
やってたのかもしれない‥‥ごめんなさいね。(笑)
迷惑を受けてるかもしれないな。

(もう少し、話は続きます。)

第3回 先生があの頃抱いていた「想い」