「いつかサウナと水風呂で『ニルヴァーナ』を感じたい」を書いてからも、スーパー銭湯に通い続けていたけれど、『ニルヴァーナ』を感じられない日々が続いていた。
しかし、時の流れとともに、『サウナー』や『サウナ神』という言葉が生まれたり、サウナにまつわる様々なコンテンツが生まれたりすることによって、当時よりも色んな人が『ニルヴァーナ』へのヒントや情報を発信してくれるようになり、それとともに、私自身も『ニルヴァーナ』への道を、より戦略的に進むことになった。
そして、本当に突然、その日はやってきた。
サウナを出たあとに
「あ、今日いける」
という確信があった。
そして、水風呂に行き、当たり前のように全身浸かった。今まで何度挑戦しても絶対入れなかった水風呂に、まるで入り慣れているかのように、すっと入れたのだ。
入るまでは、ほとんど無意識だったように思うが、全身浸かってから、じーんと感動が全身を駆け巡り、そしてそのあとで驚きが込み上げてきた。
まさか、と思い、しばらく水風呂を堪能したあとに、もう一度サウナに戻った。熱いのが苦手だったサウナも、水風呂のあとだと気持ちよくて、13分なんてあっという間に過ぎた。
そしてそのあとの水風呂は、もう当たり前のように入れた。
そして、きた。
『ニルヴァーナ』が。
初めて感じる『ニルヴァーナ』は、本当に気持ちよかった。
ふわふわとした感覚に包まれて、心地よくて、ずっとこのままこの気持ち良さを感じていたい、不思議な感覚だった。
その日を境に、私は、『ニルヴァーナ』を知らない人から、『ニルヴァーナ』を知っている人となり、サウナと水風呂に入れない人から、サウナと水風呂に入れる人となった。
その後も成功体験を重ね、今では、その日の1セット目であっても感じることができるし、どんなに疲れていてもサウナと水風呂があれば「心と身体が整いストレスが全て無くなる」ようになった。
最近は、当時のように毎週『スーパー銭湯の日』として行くことは出来なくなってしまったけれど、それでも時間を見つけてスーパー銭湯に行っているし、出張の際には、必ずサウナと水風呂のあるホテルを予約している。どんなに疲れていても、慣れない環境でも、『ニルヴァーナ』を感じられれば、回復するからだ。
いま30歳。ようやく『ニルヴァーナ』を感じることが出来た。