本編のあらすじではない部分でツボに刺さったことを
つらつらと書いてしまいましたが、
もちろんストーリーも大きな「好き」ポイントです。
ドラマは古典落語をモチーフにしています。
そう書くと
「あれ? もしかして落語知らないとつまらない?」
と思う人もいるかもしれませんが、
まったくそんなことはありません。
私もまったくと言っていいほど知りませんでした。
ほぼ一話完結で進むドラマで、
「三枚起請」「芝浜」「饅頭怖い」など、
各話、古典落語の演目がタイトルになっています。
その落語の話をベースに物語が展開していくのですが、
ドラマの前半で落語の大まかなあらすじが紹介されるので
落語を知らなくても安心。
そしてそのストーリーと、劇中で展開される現代劇が
うまーくリンクしていく‥‥
というのがこのドラマの主な流れになっています。
たとえば「厩火事」の回の場合、
飲んだくれで働かない亭主は自分のことを愛しているのか
そう疑問に思っている妻がいて、
夫が大事にしている瀬戸物を割り、
ケガがなかったか心配してくれるか、
瀬戸物を心配するのか試す
という古典落語「厩火事」の話をまずは紹介。
それになぞらえて、
飲酒による暴行事件でつかまるほど飲んだくれの夫と
夫婦漫才をしている妻が、夫の気持ちを確かめるため、
「実は病気で余命いくばくない」
というウソをついて夫を試す
といった現代劇が展開するという具合です。
回によっては、落語と現代劇のリンク具合が
ちょっとあやしいところもあるのですが、
ピタッとハマッている回はこちらも興奮。
ただ、落語の解説のために突然時代劇のような
劇中劇がはじまり、そうかと思えば現代劇に戻るので、
見慣れていない人は戸惑うかも!?
でも、そんな一見わかりにくいと思われる物語なのに
笑いどころも泣きどころもちゃんと入っているんです。
そんなところにもついつい気持ちが高ぶってしまいます。