僕の好きなもの父と母の手料理
担当・くりむらともひろ
20歳の僕には、
ちょっぴり頑固で頼り甲斐がある料理人の父と、
ちょっぴり繊細で優しい看護師の母がいます。
ふと、生まれ育った地元、そして離れて暮らす
両親のことを思い出すとき、
決まってふたりの手料理が食べたくなります。
それは、父と母がつくる料理のことが今でも大好きという
紛れもない証拠です。
僕にとってふたりの手料理は、実家に帰省するときの、
最大の楽しみなのです。
そして、この文章を書きながら、僕はあることに
気づかされました。
その「好き」という思いを、
「ありがとう」という感謝の気持ちを、
まだちゃんと、ふたりに伝えたことがないのです。
だからここで伝えます、ということはしません。
やっぱり次会ったときに直接、面と向かって伝えたい。
そのためにまずは、父と母がつくる手料理の思い出と
それに対する感謝の気持ちを、
全4回のエッセイを通じて、整理してみたいと思います。
最後まで温かい気持ちでお付き合い
いただければ幸いです。