もくじ
第1回栗が嫌いだった私 2017-11-07-Tue
第2回栗を好きになった日 2017-11-07-Tue
第3回栗が大好きになった私 2017-11-07-Tue
第4回栗を好きになって思い出したこと 2017-11-07-Tue

実家がスポーツ屋なのでスポーツメーカーで働いていましたが、20代最後の年に本当にやりたいことってなんだろう?と考えて、雑貨も置いている本屋に転職しました。
そして本を売ることの面白さに目覚め、今も本屋で働いています。
5年前からは自分でも、お店のない本屋を始めました。
本と、音楽と、焼きそば、栗が好物です。あと、イカも好きです。

私の好きなもの「栗」

私の好きなもの「栗」

担当・店主

第2回 栗を好きになった日

職場である書店の閉店時間間際に、オフィスに残っていた方にもらった、
岐阜の有名店「すや」の栗きんとん。

「どうぞ〜」と手渡された瞬間、
「あ、やばい。これ、栗だ。」と思いました。

「嫌いなんでいりません」なんて言えるわけもなく、
「かわいい〜!ありがとうございます!」
と、つい受け取ってしまいました。

でも、さっき言った「かわいい〜」は、嘘ではないなと、
その後すぐに思いました。

指先にちょこんと乗るくらい小さくって、丸っこいところ。

白くて薄い紙に包まれていて、
ちょっとだけ中の黄色が透けて見えているところ。

その薄い紙に、手書き風の朱色の文字で
「栗きんとん」って書いてあるところ。

それらが私に、「かわいい」と思わせたからです。

とっさにその姿を記録したいと思い、
深夜0時を回って閉店した、誰もいない真っ暗な店内で、
一人撮影会をしました。

こっちを向かせてみたり、あっちに向かせてみたり、
手に乗せてみたり、本の上に乗せてみたり。
かわいくって楽しくって、とっても愛おしくなりました。

一通り撮影して満足した後、包みを開いてみました。
中には、やっぱりかわいい、薄い黄色の小さなかたまり。

そして・・・

そっとつまんで、食べてみました。

好きじゃないはずなのに。

なぜか一口で、パクリと。

「お・・・お・・・おい・・・し・・・い・・・」

2013年10月1日、深夜0時半を過ぎたその瞬間、
私は、栗に目覚めました。

こんなに美味しいものを、今まで嫌いと思っていたなんて!
天津甘栗も、モンブランも、お正月のおせちに入っている
つやつや輝く栗きんとんも!
なんで今まで食べて来なかったんだろう!?

後悔と、それ以上に、未来への喜びに震えました。

これから私は、栗を食べる!うんと食べるんだ!!!!

第3回 栗が大好きになった私