もくじ
第1回栗が嫌いだった私 2017-11-07-Tue
第2回栗を好きになった日 2017-11-07-Tue
第3回栗が大好きになった私 2017-11-07-Tue
第4回栗を好きになって思い出したこと 2017-11-07-Tue

実家がスポーツ屋なのでスポーツメーカーで働いていましたが、20代最後の年に本当にやりたいことってなんだろう?と考えて、雑貨も置いている本屋に転職しました。
そして本を売ることの面白さに目覚め、今も本屋で働いています。
5年前からは自分でも、お店のない本屋を始めました。
本と、音楽と、焼きそば、栗が好物です。あと、イカも好きです。

私の好きなもの「栗」

私の好きなもの「栗」

担当・店主

私の好きなものは、「栗」です。

でも、つい4年前まで嫌いでした。

理由はあとで詳しくお話ししますが、
生まれてこのかた35年間、
一度も美味しいと思ったことはなかったし、
自ら食べようと思ったこともなかったくらいでした。

でもある日突然、

「やだ!栗って・・・美味しい!!」

と思う瞬間がやってきました。
世界が一変する出来事でした。

その日からというもの、栗の食べものを見かけると、
必ず手に取るようになりました。

秋になると、続々と出てくる栗のたべものを買って、食べて、
「今日の栗ツイート」をするのが日課になりました。

栗を好きになって4年。
今も、栗まんじゅうを食べながらこれを書いています。

どうか、その愛を、存分に語らせてください。

第1回 栗が嫌いだった私

35年間、栗が嫌いだった理由。
それは、口の中の水分が全部取られるから、でした。

ということは多分、何度か食べたことはあったのでしょう。
記憶はありませんが、その度に、口の中がパニックに陥ったのだと
思います。
同じ理由で今も、きな粉は苦手です。

そして、匂いも苦手でした。
まだ地元にいた頃、習い事や買い物で絶対通らなければならなかった
甘栗屋の売店の匂いを嗅ぐたび、
なぜみんな、これを美味しいって思えるんだろう?
と、思っていました。

最初から皮を剥いた状態で売られている栗が画期的な理由も、
当時は理解できませんでした。
だって私の生活に、栗の皮を剥かなくちゃいけないという
”面倒くささ”は、存在しなかったから。

家族でケーキを買いに行っても、
モンブランを選ぶなんて考えられなかったし、
必ずモンブランを食べる母に「一口いる?」と聞かれ、
「だから嫌いって前から言ってるじゃん」と、
何度となく応えたことも、覚えています。

だから、そんな自分がまさか、
「甘栗むいちゃいました」を嬉々として買う日が来るなんて。

実家に帰ると、私のための甘栗(お徳用)が用意される日が
来るなんて。

赤ワインと甘栗って合うよね〜とか言う日が来るなんて。

誕生日とクリスマスと、ケーキを食べるタイミングでは、
必ずモンブランを選ぶようになる日が来るなんて。
(栗がのってるってだけで選んで、食べてみたらチョコケーキだった
という失敗経験もあり)

栗ごはんの栗を、グリンピースご飯のグリンピースみたいに
よけていた私が、栗多めで!っていう日が来るなんて。

20年前の栗が嫌いだった私に、
今の私は、なんて声をかけるのでしょう?

それは、栗を好きになった日のことを思い出しながら、
考えてみようと思います。

第2回 栗を好きになった日