糸井: やっぱり喜んだ話が聞こえてくるというのが、
でかいですよね。
古賀: そうですね。
糸井: 僕は、主役自分じゃないんだけど、
自分が苗を植えたみたいな仕事が増えてるんです。
古賀: はい。
糸井: そうすると、その実った米やら果物やらを
食べて喜ぶ人とかがいるっていう、
その循環そのものを作るようになって、
面白さが、飽きない面白さになったんですよ。
古賀: それは最初から、その喜びを得ようと
思ってやったことじゃないですよね。
糸井: 解決して欲しい問題があるからやるっていう形は
とってるけど、でも問題がなくても、
やりたいんじゃないかな。
俺が元時計職人で、近所の中学生がさ、
「時計壊れちゃったんだ」って時、
「おじさんはね、昔時計職人だったんだよ、貸してごらん」
みたいな、そんなことのような気がする。
「どうだ」って、1回だけ言わしてみたいな(笑)

古賀: (笑)
わかります。
糸井: 「お礼に…」なんてことがあっても、
「あ、もうそれは要らない」みたいな(笑)。
その1回、“どうだ!って言わせて感”は、
ちょっと年取っても残るね。
古賀: そうですね。
特にライターだと、編集者がいるんで、
まずはこいつをビックリさせたいというのがあるんですよね。
全然期待してなかったはずの原稿に120点で返した時の、
どうだ!という、喜びはありますね。

糸井: あとは単純に、あの人の周りには楽しい人がいるから、
あの人が死んだ時に集まる人は楽しい人だって思われたら、
どのぐらい僕が楽しかったかわかるじゃないですか。
古賀: そうですね、うん。
確かに結婚式って、俺と奥さんが主役じゃないですか。
俺達をちやほやしなさいっていうことを強要する場で…
糸井: そうですね。
古賀: お通夜とかお葬式って、俺は主役じゃないけど
君達楽しんでくれ。
その違いは全然違いますよね。
糸井: そうですね。
お葬式用の写真って僕は、絶えず更新してますからね。
古賀: そうなんですか。
糸井: うん。
2枚、今候補があって、今日死ぬと、どっちかになるんです。
それはもう人にも言ってあるし。
ものすごい楽しみにしてるんです。
その未来に向かって、今日を生きてるんですよ。
いいものですよ、なかなか(笑)。
古賀: (笑)
糸井: 僕は、ちょっと自信があるな。
みんなが、遊びに集まってくれること。
亡くなったらもうね、50円玉ぐらい包もうかな。

一同: (笑)
糸井: 「おお、すごい。50円か」みたいな(笑)。
古賀: (笑)
糸井: 古賀さんも、僕の年までの間がものすごい長いですから、
いっぱい面白いことありますよ。
古賀: 楽しみです。
糸井: 楽しみだと思うんですよ。
そう楽しみにされるようなおじさんでいたいですよね。

(終わります)