怪・その43

「帰りにちょっとだけ」



昨日のことです。
お盆にごちそうを食べ過ぎたせいか、
胃の調子が悪く、吐き気もするため、
朝から寝込んでいました。

うつらうつらしていると、
ふと、
背中にぬくもりを感じて目が覚めました。

その日は、
隣の市に住んでいる娘と
出かける予定があったのですが、
体調不良で行けなくなったことを
LINEで知らせていたので、
心配して見に来てくれたのかな?

それにしても声もかけずに、
ベッドに入ってくるのも不自然‥‥。
だとすると、誰???

思いきって身を起こし、
ふり返ってみると、誰もいませんでした。

でも、怖さは感じませんでした。
そのぬくもりは、とても優しい感じがしたからです。

そして気付いたのです。
1年半前に亡くなった愛犬は、
私が体調を崩すと
布団の中に入ってきて、
お腹のあたりに丸まって寄り添ってくれました。

そういえば、
背中にあたっていた感触が、
人ほども大きくなく
あの子だったとすれば、腑に落ちます。

ちょうどお盆休みの始まる日の朝、
虹が出ていました。

ふと、亡くなったペットが居るという
虹の橋のことを連想し、
あの子が帰ってくるサインかなと、
冗談交じりに思ったりしていたのですが、
ほんとうに来てくれたのかもしれません。

お盆が明け、
あちらへ帰り際に私が体調を崩したので
ちょっとだけ寄り添ってくれたのかな。
お腹側だと姿が見えてしまうから、
背中側に‥‥。

ありがとうね。

(ララのお母さん)

こわいね!
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2023-09-01-FRI