怪・その26

「二人分の寝息」



子供の頃母と二人で寝ていたら、
夜中にふと目が覚めました。

なんだか違和感。

寝息が二人分聞こえてくるのです。

起き上がって、
母の枕元に座り母の顔を覗き込みました。

母の寝息。
そして母の頭上からも息の音。

気づかないふりをして、自分の布団に戻りました。

翌朝、その話を母にすると
驚きもせずにこう言いました。

「そうそう、時々聞こえるのよねぇ!
誰なのかしらね??」

母の図太さが恐かったです。
(C)

こわいね!
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2022-08-20-SAT