怪・その26
「二人分の寝息」
子供の頃母と二人で寝ていたら、
夜中にふと目が覚めました。
なんだか違和感。
寝息が二人分聞こえてくるのです。
起き上がって、
母の枕元に座り母の顔を覗き込みました。
母の寝息。
そして母の頭上からも息の音。
気づかないふりをして、自分の布団に戻りました。
翌朝、その話を母にすると
驚きもせずにこう言いました。
「そうそう、時々聞こえるのよねぇ!
誰なのかしらね??」
母の図太さが恐かったです。
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