怪・その22

「昼間の事務所で」



10年以上前の話です。

私は、子育てとの両立が難しく、
長く勤めた病院を辞めて
新しく出来たデイサービスで
看護師として働き始めました。

デイサービスでは、
利用者さんが帰ったあとに事務仕事があって、
初めての自分のデスクやパソコンに
ちょっとワクワクドキドキしました。

そのデイサービスは、
閉院した外科の跡地に建てられており、
どうやら「出る」らしいのです。

土曜日は基本的に職員が少なく、
利用者さんが帰ったあと
私は2階の事務所で1人で
日誌を書いたり
実績を打ち込んだりしていました。

すると、
1階のデイルームの自動ドアが
開く音がしました。

「誰かきたのかな?」と思いましたが
何だか様子が変でした。

それでも、
階段を誰かが上がってくる
「気配」はありました。

とっさに、これは生きてる人ではない、

と思ったとたん
全身冷や汗で
身体も動かなくなりました。

事務所のドアは閉まってましたが
ドアの前まで来た「気配」を感じ、
心の中であっちに行け!! と念じました。

それからどうやって仕事を終えたか、
記憶がありません。

その時の息苦しさだけが
じわーっと思い出されます。

よく金縛りにあい、
いろいろ体験している私ですが、
真っ昼間にあったこの出来事を
あまり人に話せません。

(ちぇぶ)

こわいね!
Fearbookのランキングを見る
2021-08-18-WED