怪・その26

「部屋に降る雨」

わたしが中学生の頃、
受験勉強真っ只中の、真夏の夜のことです。
その日の授業の復習を終えて、
床に着いたのは夜中の1時過ぎでした。

部屋の電気を消して横になり、
タオルケットをかけました。

すると、タオルケット越しに、
水がポタッポタタッと
落ちてくる音と感触がします。

あれ? と思い、
手のひらで表面を撫でてみました。

が、全く濡れておらず、
何かが触れるということもありません。

そのうち、

ポタタッタタタタタッザザザーッ!

と、にわか雨のような音が部屋に鳴り響き、
何かがタオルケットの全面に降ってきました。

ベッドから起き上がり、
電気をつけ、
表面をじっと観察してみました。

やはり濡れてないし、
小さなたくさんの虫が
跳ねているわけでもない‥‥。

しかし、よーーーく目を凝らして見ると、

それが当たっている表面が
音とともにほんの少し
凹んでいるのがわかりました。

目に見えない何かが当たっていますが、
不思議なことに、
わたしの身体には当たってきませんでした。

若いわたしは、なぜか怖いとは思わず、
一体全体これは何という現象だろう??

と、ポコポコ凹むタオルケットの上を
眺め続けました。

半時間ほどで雨(?)は止み、
静かな部屋に戻りました。

明日みんなに話そう(呑気だなぁ)! と

再びベッドに横たわったその瞬間、

ドォォオン!!

と、太鼓のような音が轟きました。

まるで部屋の真ん中で
太鼓を思い切り叩いたような。

さすがに震え上がり、
一目散に母の居る部屋に駆け込みました。

外は、影が落ちるほどの明るい月夜だったのを
覚えています。

その後もその部屋では
不思議なことが起き続けましたが、
これが一番不可解でした。

(ハナハナマロン)

こわいね!
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2020-08-20-THU