怪・その1

「学校のトイレで」

それは私が中学生の時。

生徒会役員をしていたのですが、
その日何かの話し合いがあって
夜まで学校に残っていました。

すっかり日も暮れ、
職員室と私たちがいた教室以外は
真っ暗でした。

トイレに行きたくなった私は、
友人と二人でトイレに行きました。

トイレのドアは
左右どちらからでも開けられる
二枚の引き戸でした。

建付けが悪くなったのか、
左側のドアは動かないので、
右側のドアから入りましたが、

そちらのドアも
ガタガタと大きな音をさせないと
開きません。

電気のスイッチは、
入って左側の壁にあったので、
暗い中手探りで電気を付け、
またガタガタとドアを閉めて
トイレに入りました。

しばらくすると、
友人が入っているトイレのドアを
誰かがノックする音がしました。

「誰〜?」と言う友人。

でも返事はなく、
次は私が入っているドアが
「コンコン」と。

何かがおかしい、
と思った時、
電気が消えて真っ暗になったんです。

友人は悲鳴を上げ、
すでに出られる態勢だった私は
「誰!?」と言いながら飛び出ました。

出た瞬間電気が付き、

私たち以外は、誰もいませんでした。

そういえば、

ドアを開ける音も

足音もしなかった‥‥

と気づいたらとてもゾッとしました。

念のため、
他の人たちに聞いてみましたが、
誰もトイレには入っていない、
と言われました。

友人は泣き出すし、
一体何だったのか、
今でも不思議です。

(m)

こわいね!
Fearbookのランキングを見る
2020-08-01-SAT