怪・その22

「大変だったのよ」

わたしは子供の頃から
不思議な体験をすることがありました。

家族全員が眠った夜中に、
家中を歩き回る足音を聞いたり、
鏡に青白い顔をした老婆が見えたりと、様々でした。

小さかった私は、
不思議だな、くらいにしか思っておらず、
家族に自分の体験を話しても
適当にあしらわれるので、
自分の気のせいかもしれないと、
あまり気にしていませんでした。

つい先日、母と
今年のお盆のお墓参りはいつ行こうかと
話をしている時に、
ふと、子供の頃、
家族や親戚とお墓参りに行くと、
そんなにたくさん人が来ているわけでもないのに
やけに墓地の辺りが騒がしかったのを思い出し、
あの時期、近くでお祭りやってるよね、
と何気なく話しました。

すると、母が急に真剣な顔になり、

「あんたは昔からよく、
お墓参りに行くたびに
お祭りに寄ってから帰ろう、
って駄々こねてたけど、
あの時期、
近くでお祭りなんてやってないの」

「あんたがお墓から連れて来た人が、
一晩中片っ端から窓や壁をドンドン叩いて
家の中に入ろうとするから、
入ってこないようにするのが
大変だったのよ」

私には気のせいと言っていたけど、
本当は、母にも霊が見えていたそうです。

(純)

こわいね!
2014-08-26-TUE