おとなの小論文教室。

受験のテクニックとして、小論文の書き方を勉強した?
その後は、ナイスなテキストを書いていますか?
考えること伝えることの愉快を、ここで味わいましょう。
ありがたいことに、小論文というものを
考えたり、たのしんだり、たくさん読んできた
カジュアルで優しい先生がいるんです。
さぁ、山田ズーニー先生、お願いしまーす。

Lesson999
抜けない棘

だれかの言ったほんの一言が、
棘(トゲ)のように刺さることがある。

「よくそんな給料で働けるね。」

小さいだけに深く入り込んで

「抜けない棘」

こんな棘を抱えてしまった人は、
どうすればいいのか?

読者2人の実体験から出口を探ってみよう。

 
……………………

<ママ友に言われた一言>

ワーキングママ友同士で話していたときに、

「よくそんな給料で働けるよね。」

って言われたことがありました。
相手は高収入のバリバリキャリアウーマン。
年収やボーナスなどおおっぴらに話す人でした。

なんて失礼な‥‥

「必要とされてる仕事なんだけどねー」と
苦笑いで返すのが精一杯で、

その言葉は棘となって私の心に突き刺さりました。

反論できない自分が哀しかった。

でも、忘れるには悔しすぎた。

今まで、仕事を通して何百万回もいただいてきた
「ありがとう」の言葉より、
この言葉が刺さってしまったことが悔しくて、
余計に何度も反芻してしまう。

(読者Kさんのおたよりは後半につづきます)

 
……………………

<あの日から好きなものに胸を張れない>

学生時代、よさこいソーランというものに
打ち込んでおりました。

寝ても覚めても踊るような日々を送るうち、
当時お付き合いしていた方から、

「よさこいって宗教みたいだな。」

と言われ、
おそらく彼は軽い気持ちだったでしょうが
私には棘となり、

好きなものなのに胸張って好きと言えず、

好きなものを誰かに伝える場があっても、
どこかに自虐を含ませて話すようになりました。

人に棘を刺されても気づかないように、
自分で棘を刺してきました。

(読者Iさんのおたよりは後半につづきます)

 
……………………

「抜けない棘」

ふだん忘れて生きていても、
なにかの拍子にふとよみがえる。
相手の口調や声までリアルに。

するとそこが疼きだす。

まるで慢性炎症の種を抱えたよう。

大病にはならないだろうし、
人に言うほどでもない、でも、癒えもしない。

癒えない傷を一生抱えたままなのだろうか?

読者2人はどうしたか?

つづきをみていこう!
まずよさこいソーランに打ち込んでいた読者から、

 
……………………

<彼が棘を出した理由>

「よさこいって宗教みたいだな。」

彼に言われて以来、
好きなものに胸を張れず、
自虐を含ませ話すようになりました。

その方とは間もなくお別れし、

10年経っても、
好きなものを好きと言えない臆病は
変わらぬままでした。

ですが昨年、ほぼ日手帳の中に、

「“宗教みたい”というのは、
相手をこきおろし、自分を正当化したいとき
良く持ち出されるもの言いだ。
宗教ではない方法でちゃんとやっている人にも、
宗教をちゃんとやっている人にも、
両方に失礼なもの言い、だれも幸せにしないし、
私は言わないようにしている。 山田ズーニー」
(『ほぼ日手帳』日々の言葉。おとなの小論文教室。より)

この言葉を見つけ、心に風が通り抜けました。

「あぁ、あの人は私を下に見ていたのか」

「自分を正当化したかったのか」

体がカラッとする感覚!

「今これを言われたとして、
今の自分ならどう返すか?」

なんてことも考えられるようになりました。

(I)

……………………

<何でこの仕事してるんだっけ?>

「よくそんな給料で働けるよね。」

なんて失礼な‥‥

私はいわゆるエッセンシャルワーカーで、
ママ友に年収の話なんかしたことなかったけど、
相手は、一般情報で「きついけど安い」と
思っていたのでしょう。

悔しくて余計に何度も反芻してしまい、

そのたび怒り、憎み、頭の中で、
さらに強い言葉で言い返す
妄想シミュレーションを繰り返してきました。

けど疲れた。もう、不毛、すぎる。

「そもそも私、何でこの仕事してるんだっけ?」

振り返ってみて、
暗いトンネルの中にいるみたいだった子ども時代。
出口が見えなくて困ってたときに、
色んな人が助けてくれた。
だから、

「大人になったら助ける立場になりたい。」

と思っていた。

勉強して、働いて経験して、また勉強して、
資格とって、働いて、今がある。

今までいただけた「ありがとう」は、
なによりの価値だ!

それにそれに、なにより、

「この仕事が好きなんだものー!」

そう思えたときに、
頭の上の曇り空がすぅっと晴れた気がしたのです。

(K)

……………………

 
「どうしてこの人は棘を出すのか?」

自分に棘を刺した相手の心の底を
考えて見る。すると、

彼女がのめり込んでいるものを、
こきおろしてきた元彼さんも、

収入で自分を誇示し、
マウントをかけてきたママ友さんも、

もしかするとそんなに満たされてなかった
のかもなあ。

人がマウントを取るとき優越感が揺らいでいる。

棘を刺さざるを得なかった相手の心の底に、
寂しさ・揺らぎ・痛みが見えたなら、

棘は、天の言葉ではない。
客観的な言葉でも、大多数の言葉でもなく、
ひとりの弱さを持つ人間が発した言葉だ、
と受け止められるかも。
すると、棘は威力を失いはじめる。

そして、

「そもそも私、何でこの仕事してるんだっけ?」

という問いの素晴しさ。

自分がいまの道に進んだ理由、
ここまで来た努力や経験、
支えてくれる人々、
受け取った嬉しい言葉、
それらを1つ1つ考えて、言語化していったとき、

自分にとって大切なものを、
本当に大切だという想いを取り戻す。

その時、棘は氷解するかもしれない。

収入のことは、
私も悩んだり迷ったりしてきた。
でも、もし、そこに棘を刺してくる人がいたら、
私はこう言おう。

この収入で生活するのは、「私」だから。

あなたじゃないから。

私が、あなたの収入を得ることができないように、
あなたは、この収入で暮らすことができない。

けど、

あなたは、私にできないことができる。
私も、あなたにできないことができる。

私は、この収入で暮らしていける!
この生活に充実も創意工夫も歓びもある!

私は、他のだれでもない「私」を生きる。

私は、この仕事、この人生が好き。

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お申込みURL:https://forms.gle/CWB7PorRGe9BJkYx6 
お問い合せ先:北日本新聞就職情報センター(kinet) 
メールアドレス:kitanippon.kinet@gmail.com 
電話:076-445-3337(平日9:00〜17:00)「とやま就活」まで


【満員御礼!】この講座は満席になりました。
キャンセル待ちも締め切りました。
たくさんのお申込みありがとうございました。

宣伝会議 表現力養成コース

編集・ライター養成講座20周年記念講座

山田ズーニー専門クラス
——–伝わる・揺さぶる!文章を書く

山田ズーニーです。
私は、これまで北は北海道から南は鹿児島まで、
大学・高校生から
ビジネスマン・プロのライターから作家まで
幅広い層に、数えきれないほど表現講座を開いてきました。
その原型が生まれたのが、
宣伝会議の編集・ライター養成講座でした。
現在も講師をつとめており、毎回、
受講者に次のような声をいただき手ごたえを感じています。

 

・自分の想いの根幹を探るという経験を
こんなにじっくりと時間をかけてやったことはなかった、
得難い経験でした。

・終了したとき、この講義の意図が
身体にしみわたるように理解できた。
コミュニケ―ションが苦手だったが、
非常に楽しく有意義に受講できた。

・自己開示が苦手だったが、一気に開くことができた。

・現実の出来事を多角的に見て、表現のヒントを探すことは
全ての実務に活かせると思います。

・自分の可能性を信じようと思えた。
自分はつまらない人間ではない。

今回20周年を記念して、ご担当者の、
「この先を行く特別な講座をひらきたい。
表現力をつけたい気持ちはあるものの、
そもそも自分に伝えたいことはあるのか、
と悩む人も多く、その人たちに、
自分を貫くテーマを発見したり、
相手の心に響くように伝えるコミュニケーション力を
つけたりできる場を提供したい。」
という志に共感しました。
2時間×12コマで、
文章表現の本格的な基礎づくりから始まって、
相手に伝わる表現、社会に説得力を持って書く、
さらに、自分にしか書けない主題を発見して書く!
までを責任を持ってサポートします。
ひとりでは気づけない自分の潜在力も、
多彩な仲間とともに引き出しあえるから開花します!
表現を通して他の受講者と心底通じ合える
「感動」の授業です。
心を揺さぶる文章を書きに、ぜひ、来てください。

あなたには書く力がある。

●詳細・お申し込み・お問い合わせは、すべて
こちらのページから
(株)宣伝会議 教育事業部 担当:小林Tel.03-3475-3030まで
*「ほぼ日」へのお問い合わせはしないでください。
*コラムの感想メールでお問い合わせはしないでください。

………………………………………………………………………

「おとなの小論文教室。」を読んでのご意見、ご感想を
ぜひお送りください
題名を「山田ズーニーさんへ」として、
postman@1101.com までメールでお送りくださいね。
★仕事のご依頼はここに送らないでください。
山田ズーニーtwitter( @zoonieyamada )へお願いします。
または山田ズーニーの本を出している出版社に
連絡先をおたずねください。


表現して人とつながる勇気のレッスン!



『理解という名の愛がほしい。』
河出文庫

会社を辞めた私がツラかったのは、まわりが
平日の昼間うろうろしている
無職のおばさんと見ることだった。

それまで仕事をがんばって経験を積んできた
他ならぬ私をわかってほしい。

この発想・考え・想い・感性が、
かけがえなく必要とされたい。

理解という名の愛がほしい。

「理解されたいなら、自分を表現しなきゃだめだ。」

やっとそう気づいた私は、
インターネットの大海原で
人生はじめての表現へ漕ぎ出した。


山田ズーニーワークショップ満員御礼!

いったんウェイトリストを締め切ります。

2017年6月開講したワークショップ型実践講座
「伝わる・響く!言葉の表現力をつける」
にたくさんのお申込みをありがとうございました。

大好評で即日満席、
2期、3期、4期と増設するも追いつかず、
1年待ちのウェイトリストのみ受け付けておりましたが、
現在までに12期分のお申込みがあり、
2年待ち以上の方が出てくる見込みが強くなりました。

責任を持って対応するため、
ここでいったんウェイトリストを締め切ります。

言葉の表現力をつけたいと
申し込んでくださった方々の想いを大切に
受け入れを進めてまいります。

 

●この講座に対するすべてのお問い合わせはこちらへ。

お問い合わせ先 
毎日文化センター東京 TEL03-3213-4768

http://www.mainichi-ks.co.jp/m-culture/each.html?id=699

2018年以降、東京開催、詳細未定、1年待ち。

*「ほぼ日」へのお問い合わせはしないでください。
*コラムの感想メールでお問い合わせはしないでください。

 

ワークショップ型実践講座
「伝わる・響く!言葉の表現力をつける」

――3回で一生ものの書く力・話す力が育つ

書くことによって、人は考える。
自分の内面を言葉で深く正しく理解する。
そのことにより、納得のいく選択ができるようになり、
意志が芽生える。

さらに、

言いたいことを、相手に響くように伝えられるようになる。
インターネット時代に、広く社会に
説得力を持って自分の考えを発信できるようになる。

書く力=想い言葉で表現するチカラを鍛えれば、
自分を知り、自分を表現することができる。

自分の想う人生を、この現実に書いて創っていける。

あなたには表現力がある。

山田ズーニーワークショップ型実践講座、
2017年6月東京で開講しました!


「おとなの小論文教室。」を読んでのご意見、ご感想を
ぜひお送りください
題名を「山田ズーニーさんへ」として、
postman@1101.comまでメールでお送りくださいね。

注:講演など仕事の依頼メールは、
上記アドレスに送らないでください。
山田ズーニーのtwitter(@zoonieyamada)に
直接ご連絡いただくか、
山田ズーニーの本を出している出版社に
連絡先をお問い合わせのうえで、
ご依頼くださいますようおねがいします。


★出演情報などお知らせのあるときは
 山田ズーニーのtwitter(@zoonieyamada)にも掲載します。



『半年で職場の星になる!
 働くためのコミュニケーション力』
 ちくま文庫

あなたが職場の星になる!コミュニケーション術の決定版。
一発で信頼される「人の話を聞く技術」、
わかりやすい報告・説明・指示の仕方、
職場の文書を「読む技術」、社会人としてメールを「書く技術」。
「上司を説得」するチカラ、通じる「お詫び」、クレーム対応、
好感をもたれる自己紹介・自己アピールのやり方。
人を動かし現場でリーダーシップを発揮する表現力から、
やる気が湧き・上司もうなる目標の立て方まで。
この1冊で仕事のフィールドで通じ合い、チームで成果を出していける!
自由はここにある!


ラジオで、山田ズーニーが、
『おかんの昼ごはん』について話しました!

録音版をぜひお聞きください。
「ラジオ版学問ノススメ」(2012年12月30日~)
 インターネット環境があれば、だれでもどこからでも
無料で聴けます。
 聴取サイトは、http://www.jfn.co.jp/susume/
 (MP3ダウンロードのボタンをクリックしてください)
 または、iTunesからのダウンロードとなります。


ほんとうにおかげさまで本になりました!
ありがとうございます!


『おかんの昼ごはん』河出書房新社
「親の老い」への哀しみをどう表現していいかわからない
私のような人は多いと思います。
読者と表現しあったこの本は、思い切り泣けたあと、
胸の奥が温かくなり、自分の進む道が見えてきます。
この本が出来上がったとき、おもわず本におじぎをし、
想いがこみ上げいつまでもいつまでも本に頭をさげていました。
大切な人への愛から生まれ、その先へ歩き出すための一冊です。



『「働きたくない」というあなたへ』河出書房新社
「あなたは社会に必要だ!」
ネットで大反響を巻き起こした、おとなの本気の仕事論。
あなたの“へその緒”が社会とつながる!



『新人諸君、半年黙って仕事せよ』
―フレッシュマンのためのコミュニケーション講座(筑摩書房)
私は新人に、「だいじょうぶだ」と伝えたい。
「あなたには、コミュニケーション力がある」と。
            ――山田ズーニー。



『人とつながる表現教室。』河出書房新社
おかげさまで「おとなの小論文教室。II」が文庫化されました!
文庫のために、「理解という名の愛がほしい」から改題し、
文庫オリジナルのあとがきも掲載しています。
山田はこれまで出したすべての本の中でこの本が最も好きです。



『おとなの進路教室。』河出書房新社
「自分らしい選択をしたい」とき、
「自分はこれでいいのか」がよぎるとき、
自分の考えのありかに気づかせてくれる一冊。
「おとなの小論文教室。」で
7年にわたり読者と響きあうようにして書かれた連載から
自分らしい進路を切りひらくをテーマに
選りすぐって再編集!



▲文庫版でました!
 あなたの表現がここからはじまる!

『おとなの小論文教室。』 (河出文庫)


ラジオ「おとなの進路教室。」
http://www.jfn.co.jp/otona/

おとなになっても進路に悩む。
就職、転職、結婚、退職……。
この番組では、
多彩なゲストを呼んで、「おとなの進路」を考える。
すでに成功してしまった人の
ありがたい話を聞くのではない。
まさに今、自分を生きようと
もがいている人の、現在進行形の悩み、
問題意識、ブレイクスルーの鍵を
聞くところに面白さがある。
インターネット、
ポッドキャスティングのラジオ番組です。



「依頼文」や「おわび状」も、就活の自己PRも
このシートを使えば言いたいことが書ける!
相手に通じる文章になる!

『考えるシート』文庫版、出ました。



『話すチカラをつくる本』
三笠書房

NHK教育テレビのテキストが文庫になりました!
いまさら聞けないコミュニケーションの基礎が
いちからわかるやさしい入門書。


『文庫版『あなたの話はなぜ「通じない」のか』
ちくま文庫

自分の想いがうまく相手に伝わらないと悩むときに、
ワンコインで手にする「通じ合う歓び」のコミュニケーション術!


『17歳は2回くる―おとなの小論文教室。III』
河出書房新社


『理解という名の愛が欲しいーおとなの小論文教室。II』
河出書房新社


『おとなの小論文教室。』
河出書房新社


『考えるシート』講談社


『あなたの話はなぜ「通じない」のか』
筑摩書房</small



『伝わる・揺さぶる!文章を書く』
PHP新書

内容紹介(PHP新書リードより)
お願い、お詫び、議事録、志望理由など、
私たちは日々、文章を書いている。
どんな小さなメモにも、
読み手がいて、目指す結果がある。
どうしたら誤解されずに想いを伝え、
読み手の気持ちを動かすことができるのだろう?
自分の頭で考え、他者と関わることの痛みと歓びを問いかける、
心を揺さぶる表現の技術。
(書き下ろし236ページ)



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