おとなの小論文教室。

受験のテクニックとして、小論文の書き方を勉強した?
その後は、ナイスなテキストを書いていますか?
考えること伝えることの愉快を、ここで味わいましょう。
ありがたいことに、小論文というものを
考えたり、たのしんだり、たくさん読んできた
カジュアルで優しい先生がいるんです。
さぁ、山田ズーニー先生、お願いしまーす。

Lesson992
飲み食いをとられたら
コミュニケーションできませんか?

「新年会がないから、
今年は、みんなに会えない。」

妙な言葉だ。

コロナ禍でこう言う切なさは、よくわかる。
でもここで負けてしまってはいけない。

宴会をとられたら、会えないのだろうか?

料亭をとられたら、会議はできないの?

ゴハンしながらでないと、じっくり話せない?

「飲み食い」と「コミュニケーション」が
がっつり結びついた習慣から、
私たちは自由にならないといけないのかもしれない。

「飲み食い」は、
料理人や生産者に敬意を持って、
黙っていただき、味を堪能する。

「人と人との交流」は、
たとえコロナ過で飲食を介せない期間でも、
色んなバリエーションで豊かに楽しめるように。

私たちは新しいやり方を
編み出すチカラを持っている。

…………………………………………………………

今年の正月は初めて実家に帰らなかった。

やってみると予想外に平気だった。
それどころか満たされた想いがある。
それは、

「伝えたいことが伝わったから。」

母に小包を贈った。
想いを込めた。

まず「想い出」をつめた。

母と行った富士山の目の前の温泉、
海が広がる絶景ホテル、
溜息が出るような秋のいちめんの紅葉‥‥
などなど、いままで家族で旅行してきて、
楽しかった「写真」をコラージュしたり、
大きくひきのばしたりして、まずつめた。

それから「美容」。

母が人生でいちばん肌がスベスベと
超気に入ってくれたシートパックもつめた。

そして美味しくてカラダにいい「おやつ」。

小腹がすいたとき、口さみしいとき、
小さなものを色とりどりに。「お年玉」的なものも。
言葉をそえて。

母から、

「元気が出たー!!!!!」

とすごく嬉しそうなはずんだ声で
電話がかかってきた。

あの旅行も、あの景色も、楽しかったねと。
いまお茶を入れて美味しいおやつをいただいて
なごんだんだと。
コロナがあけたら、また旅行いこうね、と。

まさにまさに、
いまコロナ禍で会えないけれど、
楽しかった日々を思い出して、
つらくなったら美味しいものでも食べてなごんで、
きっとまた会えるから、
その日を楽しみに元気でいてね、と。

伝えたかった想いはまんま、母に伝わった。

通じ合えたら人は満たされる。

大事なことは、伝えたい時、伝えたい人に、
まずしっかりと、

「想いを表現することだ。」

電話でも、小包でも、手紙でも、その合わせワザでも、
見えない想いをカタチに表せたら、
ただそれだけでも嬉しいものだ。

小包を、考えながら、工夫しながら
少しずつつくっていく時間は、私にとって、
まさに自分の想いをカタチに表す時間だった。
とても満たされた。

考えたら私たちは、
コミュニケーションと言えば、

「飲み食いしながらしゃべる」

そこに頼りきって来た。

家族や友人と親しむにも、
結婚を披露するにも、
同窓会、新人歓迎会、送別会も、
打ち合わせも、密談も、相談も、
そして、お葬式をする際にも。

飲み食いなら、どんな人とも、
よりラクに、よりはやく、うちとけやすい。

でも、いまコロナ過で、
飲み食いしながらしゃべるが思うようにできない時、
「食」と「コミュニケーション」を別々に楽しむ方法も
身に着けたい。

まず、「会話のない食事は寂しい」という先入観から
いったん自由になって、

「黙ってする食事は豊かだ。」

と仮定してみる。
ひとりひとりが孤独に食に向き合えば、
しゃべっていたときには気づけなかった、
食感や、歯ごたえ、香りに気づける。
味を堪能できる、季節感も楽しめる。

料理をつくった人の想いを理解したり、
食材の生産者を尊んだり、
自分を食育するいい時間だととらえてみる。

そしてコミュニケーションは、
「想いが通う(かよう)こと」を第一に考えたい。

飲み食いしながら4時間、5時間、しゃべったって、
想いがすれちがったまま、
お互い自分を偽ったままならストレスになる。

でも、電話の短いやりとりでも、
想いが通ったら、人は満たされる。

「スポーツ」をする人は、

例えば、サッカーをする学生に、
たびたび教えられるのは、
サッカーは言葉を超えた
コミュニケーションの手段でもあることだ。
海外で差別を受けた日本の学生が、
サッカーを通して、自分を表現し、仲間を理解し、
通じ合えて、のりこえた体験をよく耳にする。

サッカーをする人なら、たとえ「新年宴会」をとられても、
「初蹴り」で通じ合える。

「音楽」をやる人なら、
例えば、ピアノとギターを合わせることで、
想いを通わすことができる。

「ともに歩く」、

マスクをつけて、少し離れて、淡々と一緒に歩く。
ただそれだけでも、
相手の歩調を感じたり、相手の背中を見たり、
おなじ景色に立ち止まったり、
知らず知らずに歩調が合ってきたり、
無言だからこその、新たな気づきがきっとある。

そして私には、「文章表現」がある。

2020年を振り返ると、
オンライン授業で、その人、その人の、
人生に立脚した心底の想いに触れ、
深く心揺さぶられ、
そのオンラインの場にいるたくさんの人と通じ合えた。
幸せな、満たされた想いがまず蘇る。

そんなふうに人は、自分の「好き」に立脚して、
新しい人とのコミュニケーションの取り方を
編み出していける。

最初はうまくいかなくても、
それは習慣がないからだ。

コロナ禍があける頃には、また、
人と飲んだり食べたりしゃべったりできる。
さらに、その頃には、
新しいコミュニケーションのやり方も習慣づいて、
豊かに使い分けていけると私は思う。

「私たちには適応力がある!」

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【満員御礼!】この講座は満席になりました。
キャンセル待ちも締め切りました。
たくさんのお申込みありがとうございました。

宣伝会議 表現力養成コース

編集・ライター養成講座20周年記念講座

山田ズーニー専門クラス
——–伝わる・揺さぶる!文章を書く

山田ズーニーです。
私は、これまで北は北海道から南は鹿児島まで、
大学・高校生から
ビジネスマン・プロのライターから作家まで
幅広い層に、数えきれないほど表現講座を開いてきました。
その原型が生まれたのが、
宣伝会議の編集・ライター養成講座でした。
現在も講師をつとめており、毎回、
受講者に次のような声をいただき手ごたえを感じています。

 

・自分の想いの根幹を探るという経験を
こんなにじっくりと時間をかけてやったことはなかった、
得難い経験でした。

・終了したとき、この講義の意図が
身体にしみわたるように理解できた。
コミュニケ―ションが苦手だったが、
非常に楽しく有意義に受講できた。

・自己開示が苦手だったが、一気に開くことができた。

・現実の出来事を多角的に見て、表現のヒントを探すことは
全ての実務に活かせると思います。

・自分の可能性を信じようと思えた。
自分はつまらない人間ではない。

今回20周年を記念して、ご担当者の、
「この先を行く特別な講座をひらきたい。
表現力をつけたい気持ちはあるものの、
そもそも自分に伝えたいことはあるのか、
と悩む人も多く、その人たちに、
自分を貫くテーマを発見したり、
相手の心に響くように伝えるコミュニケーション力を
つけたりできる場を提供したい。」
という志に共感しました。
2時間×12コマで、
文章表現の本格的な基礎づくりから始まって、
相手に伝わる表現、社会に説得力を持って書く、
さらに、自分にしか書けない主題を発見して書く!
までを責任を持ってサポートします。
ひとりでは気づけない自分の潜在力も、
多彩な仲間とともに引き出しあえるから開花します!
表現を通して他の受講者と心底通じ合える
「感動」の授業です。
心を揺さぶる文章を書きに、ぜひ、来てください。

あなたには書く力がある。

●詳細・お申し込み・お問い合わせは、すべて
こちらのページから
(株)宣伝会議 教育事業部 担当:小林Tel.03-3475-3030まで
*「ほぼ日」へのお問い合わせはしないでください。
*コラムの感想メールでお問い合わせはしないでください。

………………………………………………………………………

「おとなの小論文教室。」を読んでのご意見、ご感想を
ぜひお送りください
題名を「山田ズーニーさんへ」として、
postman@1101.com までメールでお送りくださいね。
★仕事のご依頼はここに送らないでください。
山田ズーニーtwitter( @zoonieyamada )へお願いします。
または山田ズーニーの本を出している出版社に
連絡先をおたずねください。


表現して人とつながる勇気のレッスン!



『理解という名の愛がほしい。』
河出文庫

会社を辞めた私がツラかったのは、まわりが
平日の昼間うろうろしている
無職のおばさんと見ることだった。

それまで仕事をがんばって経験を積んできた
他ならぬ私をわかってほしい。

この発想・考え・想い・感性が、
かけがえなく必要とされたい。

理解という名の愛がほしい。

「理解されたいなら、自分を表現しなきゃだめだ。」

やっとそう気づいた私は、
インターネットの大海原で
人生はじめての表現へ漕ぎ出した。


山田ズーニーワークショップ満員御礼!

いったんウェイトリストを締め切ります。

2017年6月開講したワークショップ型実践講座
「伝わる・響く!言葉の表現力をつける」
にたくさんのお申込みをありがとうございました。

大好評で即日満席、
2期、3期、4期と増設するも追いつかず、
1年待ちのウェイトリストのみ受け付けておりましたが、
現在までに12期分のお申込みがあり、
2年待ち以上の方が出てくる見込みが強くなりました。

責任を持って対応するため、
ここでいったんウェイトリストを締め切ります。

言葉の表現力をつけたいと
申し込んでくださった方々の想いを大切に
受け入れを進めてまいります。

 

●この講座に対するすべてのお問い合わせはこちらへ。

お問い合わせ先 
毎日文化センター東京 TEL03-3213-4768

http://www.mainichi-ks.co.jp/m-culture/each.html?id=699

2018年以降、東京開催、詳細未定、1年待ち。

*「ほぼ日」へのお問い合わせはしないでください。
*コラムの感想メールでお問い合わせはしないでください。

 

ワークショップ型実践講座
「伝わる・響く!言葉の表現力をつける」

――3回で一生ものの書く力・話す力が育つ

書くことによって、人は考える。
自分の内面を言葉で深く正しく理解する。
そのことにより、納得のいく選択ができるようになり、
意志が芽生える。

さらに、

言いたいことを、相手に響くように伝えられるようになる。
インターネット時代に、広く社会に
説得力を持って自分の考えを発信できるようになる。

書く力=想い言葉で表現するチカラを鍛えれば、
自分を知り、自分を表現することができる。

自分の想う人生を、この現実に書いて創っていける。

あなたには表現力がある。

山田ズーニーワークショップ型実践講座、
2017年6月東京で開講しました!


「おとなの小論文教室。」を読んでのご意見、ご感想を
ぜひお送りください
題名を「山田ズーニーさんへ」として、
postman@1101.comまでメールでお送りくださいね。

注:講演など仕事の依頼メールは、
上記アドレスに送らないでください。
山田ズーニーのtwitter(@zoonieyamada)に
直接ご連絡いただくか、
山田ズーニーの本を出している出版社に
連絡先をお問い合わせのうえで、
ご依頼くださいますようおねがいします。


★出演情報などお知らせのあるときは
 山田ズーニーのtwitter(@zoonieyamada)にも掲載します。



『半年で職場の星になる!
 働くためのコミュニケーション力』
 ちくま文庫

あなたが職場の星になる!コミュニケーション術の決定版。
一発で信頼される「人の話を聞く技術」、
わかりやすい報告・説明・指示の仕方、
職場の文書を「読む技術」、社会人としてメールを「書く技術」。
「上司を説得」するチカラ、通じる「お詫び」、クレーム対応、
好感をもたれる自己紹介・自己アピールのやり方。
人を動かし現場でリーダーシップを発揮する表現力から、
やる気が湧き・上司もうなる目標の立て方まで。
この1冊で仕事のフィールドで通じ合い、チームで成果を出していける!
自由はここにある!


ラジオで、山田ズーニーが、
『おかんの昼ごはん』について話しました!

録音版をぜひお聞きください。
「ラジオ版学問ノススメ」(2012年12月30日〜)
 インターネット環境があれば、だれでもどこからでも
無料で聴けます。
 聴取サイトは、http://www.jfn.co.jp/susume/
 (MP3ダウンロードのボタンをクリックしてください)
 または、iTunesからのダウンロードとなります。


ほんとうにおかげさまで本になりました!
ありがとうございます!


『おかんの昼ごはん』河出書房新社
「親の老い」への哀しみをどう表現していいかわからない
私のような人は多いと思います。
読者と表現しあったこの本は、思い切り泣けたあと、
胸の奥が温かくなり、自分の進む道が見えてきます。
この本が出来上がったとき、おもわず本におじぎをし、
想いがこみ上げいつまでもいつまでも本に頭をさげていました。
大切な人への愛から生まれ、その先へ歩き出すための一冊です。



『「働きたくない」というあなたへ』河出書房新社
「あなたは社会に必要だ!」
ネットで大反響を巻き起こした、おとなの本気の仕事論。
あなたの“へその緒”が社会とつながる!



『新人諸君、半年黙って仕事せよ』
―フレッシュマンのためのコミュニケーション講座(筑摩書房)
私は新人に、「だいじょうぶだ」と伝えたい。
「あなたには、コミュニケーション力がある」と。
            ――山田ズーニー。



『人とつながる表現教室。』河出書房新社
おかげさまで「おとなの小論文教室。II」が文庫化されました!
文庫のために、「理解という名の愛がほしい」から改題し、
文庫オリジナルのあとがきも掲載しています。
山田はこれまで出したすべての本の中でこの本が最も好きです。



『おとなの進路教室。』河出書房新社
「自分らしい選択をしたい」とき、
「自分はこれでいいのか」がよぎるとき、
自分の考えのありかに気づかせてくれる一冊。
「おとなの小論文教室。」で
7年にわたり読者と響きあうようにして書かれた連載から
自分らしい進路を切りひらくをテーマに
選りすぐって再編集!



▲文庫版でました!
 あなたの表現がここからはじまる!

『おとなの小論文教室。』 (河出文庫)


ラジオ「おとなの進路教室。」
http://www.jfn.co.jp/otona/

おとなになっても進路に悩む。
就職、転職、結婚、退職……。
この番組では、
多彩なゲストを呼んで、「おとなの進路」を考える。
すでに成功してしまった人の
ありがたい話を聞くのではない。
まさに今、自分を生きようと
もがいている人の、現在進行形の悩み、
問題意識、ブレイクスルーの鍵を
聞くところに面白さがある。
インターネット、
ポッドキャスティングのラジオ番組です。



「依頼文」や「おわび状」も、就活の自己PRも
このシートを使えば言いたいことが書ける!
相手に通じる文章になる!

『考えるシート』文庫版、出ました。



『話すチカラをつくる本』
三笠書房

NHK教育テレビのテキストが文庫になりました!
いまさら聞けないコミュニケーションの基礎が
いちからわかるやさしい入門書。


『文庫版『あなたの話はなぜ「通じない」のか』
ちくま文庫

自分の想いがうまく相手に伝わらないと悩むときに、
ワンコインで手にする「通じ合う歓び」のコミュニケーション術!


『17歳は2回くる―おとなの小論文教室。III』
河出書房新社


『理解という名の愛が欲しいーおとなの小論文教室。II』
河出書房新社


『おとなの小論文教室。』
河出書房新社


『考えるシート』講談社


『あなたの話はなぜ「通じない」のか』
筑摩書房</small



『伝わる・揺さぶる!文章を書く』
PHP新書

内容紹介(PHP新書リードより)
お願い、お詫び、議事録、志望理由など、
私たちは日々、文章を書いている。
どんな小さなメモにも、
読み手がいて、目指す結果がある。
どうしたら誤解されずに想いを伝え、
読み手の気持ちを動かすことができるのだろう?
自分の頭で考え、他者と関わることの痛みと歓びを問いかける、
心を揺さぶる表現の技術。
(書き下ろし236ページ)



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