第15回 秋深し 虫に食われた 栗眺め。

今日の虫博士に出てくる「クリシギゾウムシ」に
あまりに心奪われて、ついつい一句詠んでしまいました。
みなさんは、栗、もう堪能されましたか??
近所の和菓子屋さんでは、栗を使った「栗蒸し羊羹」は
12月始めまでしか作らないそうです。
もう栗のおいしい時期が終わっちゃうんでしょうね。
これから栗を調理する際は、ちょっと注意して、
虫に食われた栗を探してみてください。
「クリシギゾウムシ」の幼虫に出会えるかもしれませんよ。

本日の虫博士はそんな「クリシギゾウムシ」のほかに、
全く毛色の違う、「ハリガネムシ」と
「イモムシ」についてのメールをご紹介します。
それぞれ全く異なった世界を持っているんですけど、
でも、同じ地上の生物なんですよねー。
しみじみと不思議な気持ちになってしまいます。

そうそう、今日は「愛されない虫 R 」担当シェフから、
目黒寄生虫館のおみやげプレゼントの発表もありますよ!
ご応募いただいたみなさま、ありがとうございました!!

では、本日も虫の世界をご堪能ください〜。




ハリガネムシ
バッチリ写真に収めてます。


ハリガネムシを目撃したことあります。
っていうか、私はたも網で捕まえました。
(さらには、バッチリ写真に収めてます)。
昨夏、田舎に帰省した際、
河原でカマキリを見つけたのですよ。

立派なカマキリです。

辺りは石ばかり+かなり水際で、
これは不自然だゾ! と思った私は
そのままカマキリの観察を続けたのでした。
すると、カマキリのお尻から
黒くて細長い物体が!?

立派なハリガネムシです‥‥。

なんかクネクネしていたので、
たも網で捕獲しちゃました! (笑)
一応、その時すでに
ハリガネムシのことは存じ上げていたので、
これが噂に聞く(気味が悪い)
ハリガネムシなのか! と妙に感心して、
感慨に耽ってしまいました。

その後のカマキリですが、
まだ寄生されている癖が残っているのか、
ずんずんと水面に向かって行きました。
入水したか否かは確認してません。
捕獲したハリガネムシはというと、
甥っ子が執拗に踏み付けていました(笑)。
しかしながら、岩がゴツゴツしていた
せいもあって、ほぼノーダメージ。
下等生物が見せる脅威の生命力。
本当に凄いですね。クネクネッ♪
(一寸の虫にも五分の魂)

ほんとうに、バッチリ写真に収められていますねー!
ハリガネムシが出てくるシーンに出会うこと自体、
あまりない機会だと思うのですが、
それを見事に写真に残しておられます。
しばらく、寄生虫には触れまいと決めていたのに、
あまりに見事な写真だったもので、
ついついみなさんにもお見せしてしまいました!!

ゴミ箱から出るクリシギゾウムシの幼虫

いま我が家のゴミ箱に、
クリシギゾウムシの幼虫がいます。
関係あるのかないのかわかりませんが、
さきおととい、栗ご飯を作ったときに、
虫喰い穴のある栗はゴミ箱ゆきにしたのですが、
毎朝、起きて台所に行くと、
クリシギゾウムシの幼虫は
床に出てきて寝ています。
そのたびにつまんでゴミ箱に戻しているのだけど。
あんな小さな身体でどうやって外に
出てくるのでしょうか。かなり謎です。
(ちえ)

クリシギゾウムシの幼虫だとわかるあたり、
ちえさんは、かなりの虫博士とみました!

栗を買ってくると、たまに虫食い穴から
白色のウジのような虫が出ることありますよね。
結構ショックですが、その虫が、
クリシギゾウムシの幼虫らしいです。

ぜひ見て欲しいのは、クリシギゾウムシの成虫。
メスの口がオスに比べて長いんですが、どうやらこれは、
栗の実にタマゴを産むときに、
栗のイガイガの上から栗の実に穴をあけるために、
長い口になっているらしいんです。
確かに、イガイガを超えて実に穴をあけるとなると、
結構、距離がありますもんね。

栗にタマゴを産むことをさだめとして、
口が長くなるように育っていくクリシギゾウムシ。
今度から、栗を買ったときに虫食い穴があっても、
しょうがない、栗にタマゴ産むしかないんだもんな。
とおおらかな気持ちにさえなりそうです。

ちえさんの家のクリシギゾウムシの幼虫は、
どうやって、ゴミ箱から出てくるんでしょうね〜。
ずっと観察してみたくなりますね。

イモムシ VS 母

なんかものすごい奴が
うちの朝顔の葉に喰いついていました。
成人男子の人差し指ぐらいの大きさで、
まるまると肥えています。
お尻(と思われる部分)に
かたつむりのツノみたいな突起が一本たっています。
(あとでネットで調べたところ、
 スズメガの一種のようですが‥‥)

そのあまりのふてぶてしい容姿に恐れおののき、
母を呼んで
「朝顔の葉っぱ、枯れとると思ったら
 あんなでかい虫が居る!」
と報告したところ、
母は瞬時にしてその芋虫を地面に落とし、
踏んづけてしまいました。(!)

確かに可愛がってた朝顔の葉を喰う芋虫は憎い、
しかしあの地球外生物のような容姿の芋虫を
踏み潰せる我が母‥‥無敵だと思いました‥‥。
そして、凄惨を極めるその轢死現場には、
芋虫の緑色の体液が‥‥。
あ〜〜〜もう思い出しても気持ち悪いです!
この文章を読む人にも
気持ち悪い報告をしてしまってごめんなさい!
でもあまりにも気持ち悪いので
自分だけの胸に留めてしまうのはもったいなくて!
ってゆーか気色悪さにヘンにテンションが
上がってしまって、誰かに知らせずには居れない!!
写真の画像は悪いし、
アングルも斜めになってしまってるので
不採用かも知れませんが、それでもいい、
誰かとこの興奮を分かち合いたい!
という「恐いもの好きのビビリ屋」のような心境で
メール差し上げた次第です。
なお、「緑色の体液」の写真は
さすがに撮れませんでした‥‥。
(みなづき)

幼少期(?)

成人男子の人差し指くらいの大きさ。


みなづきさんからメールを頂いたのは10月始め。
もしこのままこのイモムシが育っていたら、
羽ばたいていたのか、
アオムシコマユバチの幼虫が出てきたのか‥‥。
あ、すみません‥‥ついついイモムシを見ると
最近はそう思ってしまいます。
みなづきさん、気持ち悪さのおすそわけ、
受け取るのが遅くなってすみません!
また何か虫を発見したときは、
お母様に知らせる前に、ぜひ虫博士まで!



今回登場した虫たちをご覧になりたい場合は、
こちらをクリックしてどうぞ。

(検索エンジンgoogleの
 イメージ検索を利用しています。)


クリシギゾウムシ スズメガ


<はらだゆきこさんイラスト壁紙
  ダウンロードはこちらから>


サイズを選んで、クリックしてください。
別のウィンドウが開きますので、
そこから画像をデスクトップにドラッグ&ドロップして
くださいね。

1024×768 800×600
 



ほぼにちわ、シェフです。
きょうは、まず、前々回の「目黒寄生虫館」特集
お土産プレゼントの、当選者を発表いたします!
じゃーん!

★目黒寄生虫館オリジナルボールペン
haruhiさま
Uekiさま
ガマ93さま

★目黒寄生虫館ガイドブック
ナミテントウさま

おめでとうございまーす。

ガイドブックですけれど、
あまりに凄い表紙なものですから
ここ明るいビルでは、
ぼくがそれを会議テーブルなんかで読んでると、
通りがかった人たちが悲鳴をあげます。
「ちょ、ちょっと、見せないでくださいよ!」
「やめてください!」
「いやがらせですか!」
「いやああああああ!」
などと阿鼻叫喚です。
失礼な人たちですよね、
こっちはマジメにやってんのにね!
ぷんぷん。
さて梱包して送らなきゃ‥‥
あ‥‥(表紙を見る)
いやあああああああああっ!!

あ、いえ、すみません。
メール紹介です。

目黒寄生虫館、とても懐かしいです。
地方在住の私が上京した際、
ココに連れて行ってもらいました。
某推理小説の舞台がココをモデルにした博物館で、
ぜひ行ってみたかったのです。
一緒に行った友人のうちの一人は
露骨に顔をしかめていて、
悪いことをしたなあと思います。
なかなか有意義でした。怖かったけど。
全長8メートルのサナダムシのホルマリン漬けには
さすがにひきました。

今、仕事で虫の写真やらデータやらを扱っていて、
あの頃より、一層虫を怖がらなくなりました。
今なら、あのホルマリン漬けも平気だと思います。

ネズミの内臓を引っ張り出している甲虫なぞの写真を
CMYK変換していたりすると、
もう怖いものなしになってしまうのです。
同僚の女の子たちがキャーキャー言っているにも
関わらず、ゴキブリ以外は全然平気です。
まあ、あの頃より、大分年をとったってことも
あるんですけど(笑)
(haruhi)

な、なつかしいですかharuhiさん。
ネズミの内臓を引っ張り出している
甲虫の写真をCMYK変換するお仕事ですかharuhiさん。
でもゴキブリはダメなんですねharuhiさん。
ていうか目黒寄生虫館を舞台にした
ミステリーがあるんですかharuhiさん?
や、やっぱり凶器は寄生虫?!

目黒寄生虫館に行ってこられたのですね。
う、うらやましい‥‥。
噂には聞いていますが、まだ行った事がありません。

ボールペンも良いですが、
ここはひとつ「ガイドブック」をぜひとも頂きたいです。
どうぞよろしくお願いします。

先日、職場のワカモノが何気なく捕まえて
プラケースで飼っていたカマキリから
ハリガネムシが出ました。
カマキリはもちろんお亡くなりになりました。
別に水を与えたわけではありませんが、
出ちゃってました。
生きてるハリガネムシ、初めて見ました。
うねうねうねうね、うねってました。
死んでるのは、道路とかでよく見かけますけど。
カマキリが小さかったせいかハリガネムシも小ちゃくて、
あまり気持ち悪いという感じではなかったです。
(ナミテントウ)

おめでとうございますナミテントウさん。
あなたにガイドブックが当選しました。
うねうねハリガネムシでもダイジョブだったんですね、
だったらガイドブックの表紙もダイジョブでしょう!
ハリガネムシが万の単位でいるような
そんな表紙なんですけどね‥‥。
いえ、もちろん中身はマジメです!
(表紙もマジメなんだけど)

寄生虫館には昔一度だけ行ったんですが、
貧乏だったのでグッズなどはいっさい買えず
(ランチバッグとか、買っても使えないけど……)
資料はほしかったなーと。
地球上なのに異世界って感じで、虫の世界は好きです。
見た後、肝試し的に、みんなできしめんを食べました。

話が飛びますが、昔の虫博士を読み返してたら、
夜に光るなにかが、
釣った魚をばくばく食べていった話がありましたね。
全部の回は読んでないので、
もう解決済みの問題かもしれないですが、
あれ、海ほたるではないかと思います。
夜光虫も海ほたるも、光りますが、
夜光虫はプランクトンで、0.5ミリとかです。
海ほたるはもうちょっと大きい貝の幼生で、
魚の死骸なんかも食べたと思います。
すごい勢いで食べたということなので、
夜光虫の大きさじゃないだろうし、
海ほたるじゃないかと。

赤潮の原因になるプランクトンには
いろいろな種類があるんですが、
夜光虫が赤潮を起こす場合もあります。
昼はただの赤い臭い水ですが、夜はきれいです。
東京湾でも、きれいに光ってることがあるようです。
川崎とか横須賀とかでも、見たという話を聞きました。
波頭とか、海中の何かにぶつかったとか、
釣りのしかけにぶつかったとか、衝撃で光ります。
幻想的で美しいですが、
アンモニアを体内に蓄積するので臭いです。
しかし、もともとは生活排水を出した人間のせいで
アンモニアが海に流れてしまってるんで、
やつらに罪はありません。
釣りをする人には、
「しかけが光って魚が逃げる」ので嫌われます。
海ほたるの場合は、ルシフェリンとかいう、
光る物質を海の中に放出して光るらしいです。
魚を食べた時はどうなってたのか、
ちょっとわかりませんが、参考までに‥‥。
(ぎょもこ)

夜釣りをしていたら光る魚が釣れて、
よく見たらその魚の腹を大量の光る虫が
「ぐじゅぐじゅぐじゅ」って食べていた、
という話でしたね‥‥。
海ほたるですか!
でも生きている魚を食べるのかなあ?
調べてみました。
海ほたるは学名を
「ヴァルグラ ヒルゲンドルフィー」といって、
甲殻類の一種だそうです。
体長は米つぶくらいで、メスが3ミリ、オスが2ミリくらい。
雑食(肉食)で愛称は「海の掃除やさん」、
ときには生きたゴカイやイソメを襲って食べちゃうことも
あるんだそうです! すごいね!
光るのは、海中に吐き出した青紫の液体が
海中の酸素と反応することによるものだそうです。
これ、夜、泳いでるときに襲われたくないですね。
背中とか、びっしりと、海ほたるに襲われて
ピカピカ光っちゃったりしたら、いやですね。
そういう報告はないみたいですけど。

さて今週も画像を見てみましょう。
海ほたるが襲うというゴカイとイソメです。

ゴカイ

イソメ

こういうのを寄生虫館の
「ランチバッグ」(回虫デザイン)に入れて
海釣りなんてステキですね!
ではまた次回!
(愛されない虫の広場Rでは、言うもおぞましい虫の話を
 いつでも募集中だよ! 遠慮なくメールしてね!)

2005-11-13-SUN



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