愛されない虫の広場

第4回

夜光虫って見たことありますか?
1ミリ位の原生動物で、海にいる。
波がおこると、キラキラキラッ、と光る。
ぼく(グッドマン)はタイのコ・サムイという
島で見ました。
夜、海に入って泳いでいたら、体の周りが光るんです。
水を掻くたびに、漆黒の海に、無数の流星のように……。
『ピーターパン』の「ティンカー・ベル」のような
気持ちでしたよ。きらきらきら……うっとり。

という話をしていたら、「ほぼ日」のJAROくんが
「俺も見たことあるっす!」
と鼻息を荒くしました。まずはそのお話から。



これまでの自分の人生において
最もインパクトのあった虫は夜光虫です。
2年くらい前、東京湾に夜釣りに出かけたときの
ことでした。
確か、川崎周辺ではなかったかと思います。
そこは整備された公園から、直接サオをだせる釣り場で、
足場もよく、カップルがたくさん愛を語らってました。
その日は五目釣りでしたから、
特にどの魚を狙うというのではなく、
何が釣れてもよかったのです。
ただ、潮回り(潮の動き)が悪く、
いずれにしてもあまり釣果はパッとしませんでした。

サオをだしてから1時間くらいたったころでしょうか。
「やっとそれらしいのが来たよ」
と同行した友人がリールを巻き上げながら言いました。
相変わらず、うんともすんともいわない自分のサオを
放っておき、友人の元に駆け寄ると、
何やら光る物体が水中から上がってきます。
「何だろう?」
光る魚が釣れるとは、あまり聞いたことがありません。
陸に上げてみると、魚のお腹のあたりが
夜光塗料を塗ったようにように光っています。
ますます疑問が沸いてきます。

そこでもっと近づいてよく見てみることにしました。
「あっ!!」
友人の声で、私もやっと気がつきました。
なんと、光る虫が魚の腹いっぱいにたかっており、
魚の体をガツガツと食っているのです。
虫たちが魚を食っているときの正確な擬音は
“ブジュルブジュル・・・”。
今思い出しても背筋が凍ります。
魚はパクパクと悲しい顔をしながら命を絶ちました。
私たちは、息も絶え絶えに荷物を畳んで、
釣り場を後にしたのでした。



ひーん。怖いよう。
ふつう、海にいる夜光虫って、プランクトンみたいな
ものだから、魚の腹にたかって「ブジュルブジュル」
なんて音を立てて食らいつく、ってことはないと
思うんだけど……。
JAROくんはこのあと釣り仲間に聞いてみたそうですが、
誰もその「夜光虫」を見たことはない、と……。
謎じゃ、謎。

「誰も見たことがない虫を私は見た!」
というメールは、ほかにもいただいています。



毎日、昼食を食べながら見させていただいてます。
「弱弱黒ゴマムシ」の話を読んだ日はコンビニの
ちらし寿司を食べていて、思わず、ご飯に虫が
混じっていないか確認してしまいました。
虫は大の苦手で、ヤな思い出は数かぎりなく、
中でもひとつ、くやしい話があります。

それは、私が小学生の頃。
体育館の掃除当番だった私と友人4〜5人が
目撃したゲジゲジのことです。

とってもボロイ学校の木造の体育館に、
よ〜いドンでモップをかけていたとき・・・
ベージュ色の物体が、床をわしゃわしゃと
動いているのを発見したのです。
最初は ホコリの固まり? と思いましたが、
よ〜く見るとそれは
巨大なゲジゲジだったのです!
体長30〜40cmはあって、5cmはありそうな足が
びっしりと並んでいてわしゃわしゃとくねりながら
体育館を横断していました。
子供心に強烈な印象で、忘れることのできない
気持ち悪い思い出。

で、その後大人になってからはゲジゲジに
遭遇することもなく日々を過ごしていたのですが・・・
会社で虫の話で盛り上がったことがあり、私が
「こ〜んなゲジゲジ見たことある!」って話をしたら
「ゲジゲジはせいぜい2〜3cmのものやろ。
 また、大げさなこと言うて〜。」と鼻で笑われ、
あげくに、ほら吹き扱いされてしまいました。

確かに子供の頃だから、実際よりも大きく感じたのかも。
とは思うけれど、ぜ〜ったいに15cmは、あったもの!
で、くやしいんで広辞苑とか図鑑とか調べたのですが
体長は3cmくらい、オオゲジというのもいるには
いるらしいのですが、そこまで大きいとは書いてなくて
私は結局、ほら吹きのままです。

それからは、
「でっかい蛾が洗濯物にとまってて
 死ぬほどびっくりした!」
と、言っても
「また、ほら吹いて。」と、
胡散臭いモノを見るような目で答えるばかり。
でもでも、ぜったいに巨大ゲジゲジを見たもん!
じゃあ、ゲジゲジじゃない、なんか別の虫かもしんない!

絶対に絶対に私は見たのです。
ちなみに、その時一緒に掃除当番だった友人が
誰だったのかは思い出せず、とりあえず
小学校の頃仲の良かった友人に
確認してみましたが、見たような見なかったような・・・
という、あいまいな返事。確証が得られません。

山田 まや


僕も小学生のときに新聞で
「フライドチキン屋オープン!」
という広告を見て、友人を誘って勇んで行ったものの、
その場所は消防署だったことがあります。
交番で聞いてもわからずじまい。
夢だったようです。
あいやや、こんなことを書くと
山田さんをほら吹きだと言っているようじゃないか。
そんなことはありません。
編集部で調べたところ、ゲジゲジは本名(?)を
「ゲジ」といい、15対の脚をもつ節足動物です。
体長は2.5センチ内外だといいますから、
山田さんの見たのは違う生物だったのでは……。
この件については、読者のみなさんからの情報を
お待ちしたいと思います。
「それは汚れたモップにちがいない」
とかそういうのはナシよ。

というわけで次回!

というわけで次回といわれたところで、
ちょいとお邪魔します、darlingです。
先日、ここで、
我が家の弱弱クロゴマムシが一掃されたかのような
自慢そうな報告をしましたよねぇ。
「疑わしきはとにかく罰する」という、
なんでも捨てちゃえ大作戦が功を奏したと。
しかし、ところが、
「居残りクロゴマ部隊が、まだいるみたいだねぇ」
などと、落ち着いていたらおおまちがいでした。
たんなる逃げおくれの数じゃないんだもん。
いくらでもいるんでしたー。
あんなになんでもクリーンアップしたのに、
捨てたものもなかに「巣」はなかったんでしたー。
天井の明かりのところに、いっぱいいるもん。
いるもんって、えばってどうすんだっつーの。
やっぱりねぇ、「見て指差して確認」という、
駅員さんのような態度が必要だったんですよね。
あらためてもっと正しい捜査方法を考えてみたいです。
その報告は、また、近々。

というわけで、ほんとうに、また次回!

1999-05-11-TUE

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