シルク・ドゥ・ソレイユからの招待状4  ZED、姿をあらわす。 〜フランソワ・ジラール、  リン・トランブレーへの取材〜
シルク・ドゥ・ソレイユ シアター東京で 10月に新しい公演がオープンします。 そのタイトルは、「ZED(ゼッド)」。 作・演出をつとめるのは、 映画監督、脚本家として知られる フランソワ・ジラールさんです。 映画監督が、ここ日本で、サーカスの演出をする、 という、一見めずらしいようなことを 支え、結びつけていく人が シルク・ドゥ・ソレイユの中には、 やっぱりいるのですねぇ。 その要となった人が、 リン・トランブレーさんです。 (インタビューには途中から加わります) できたてのシアターにて、 糸井重里がお話をうかがいました。
もくじ
1 サーカスの演出家。 2008-09-12
2 ただ考える時間。 2008-09-16
3 相棒、登場。 2008-09-17
4 観客との対話。 2008-09-18
5 ステージの上で。 2008-09-19

サーカスの演出家。
糸井 「ZED」のトライアウト公演がはじまって、
今、ずいぶんお忙しいでしょう。
ジラール 今は「ほんとうに忙しい時期」が
ちょっと終わりまして、
数日ちょっと静かな時期があり、
で、そこから先はまた、
ご存知のとおりです(笑)。
(註:ジラールさんは、
 このインタビューを行う場所に着くまでに
 シアター内の通路で
 いろんな人に呼び止められ、
 ちょっぴり遅れて到着されました)
糸井 僕は、なんとなく、
舞台や映画の演出なら
きっとこういうふうにするんだろうなと
ある程度の想像がつくんですが、
サーカスの演出というものが
いったいどんなものなのか、
ちょっとわからないんです。
ジラール シルク・ドゥ・ソレイユは、
とても伝統を大切にするところです。
そして、その伝統を活かして
「アクロバット」と「ドラマチックな演出」
というふたつのことを融合し、
常に成功をおさめてきています。
ですから、まず、シルク・ドゥ・ソレイユの
サーカスの演出においては、
「アクロバット」と「ドラマチック」
これがひじょうに重要な要素となります。
糸井 なるほど。
そのふたつがまず軸にあって。
ジラール それが基本ですが、そのほかは、
こうじゃないといけない、ということは
特にありません。
ギー・ラリベルテという、
シルク・ドゥ・ソレイユの創始者がいますが、
彼も、演出をする我々に
考える余地を広く与えてくれます。
そしてまた、私たちが
演出として考え出したものを
サポートしてくれる
周囲の力にも恵まれています。
そういう意味で、この仕事は
私にとってほんとうに幸運だと思っています。
このシアター自体もそうなんですが、
力がみなぎるような
パワフルなクルーに囲まれているんですよ。
そういう人たちのサポートを得ながら、
全体を成功に導いていく、という制作スタイルを
シルク・ドゥ・ソレイユは常にとっています。
しかも、これは充分ご存知だと思いますが、
ひじょうにスキルが高い
パフォーマーの方々がいます。
糸井 そうですね。
ジラール 客席にいらっしゃるみなさんと、全体が、
ある種の対話を通してつながっていくのが、
シルク・ドゥ・ソレイユのショーの特徴です。
ですから、私の演出も
「みんなが同じ空間を共有する」
ということに注力して行っています。
糸井 ジラールさんは、もともと
シルク・ドゥ・ソレイユにおられたわけではなく、
外部からいらっしゃった方です。
依頼を受けて、まず最初に、
何からはじめましたか?
ジラール そうですね、
私はシルク・ドゥ・ソレイユのショーを
すべて観たわけではありませんでしたから、
まずは2か月ほどかけて
すべてのショーを観てまわりました。
ラスベガス、オーランド、
また日本にも「アレグリア」を観に来ました。
その段階で、シルク・ドゥ・ソレイユとは
どういうものなのか、
充分に理解したかったんです。
また、その途中で、
自分のイマジネーションを働かせて
「さて、自分はどういう演出にするのか」
と、考えていきました。
とはいえ、あまり早急には
進めたくなかったのです。
ゆっくりと、自問自答しながら、
オリジナルのアイデアは重視しつつ、
徐々に徐々に展開させていくという作業を
行っていきました。
(つづきます)
シルク・ドゥ・ソレイユ取材メモ

どの席で、見ますか?

シルク・ドゥ・ソレイユのトライアウト公演が
はじまりましたね。
わたしたち「ほぼ日」取材班も、先日、
みんなで行ってまいりました!

シルク・ドゥ・ソレイユ シアター東京は、
こういうところです。



何度も言うようですが、
東京ディズニーランド(R)のなかに
あるのではありません。
ディズニーアンバサダー(R)ホテルの
となりに建ってます。



↑こちらは、シアターの裏側。
道路を車で走っていると、
シルク・ドゥ・ソレイユの
青いロゴが見えますよ。

でね、くり返しますとね、
わたしたちは先日、チームみんなで
トライアウト公演を観てきました!
まとまった席を取れなかったので、
ふたつのエリアに分かれて
観ることになりました。



わたくしスガノは、このうち
「ナガタら」のグループに入り、
わりと全体を見渡せる席に座りました。

ショーを観終わったあと、
あんまりペラペラ感想を言うと
いつも永田に怒られるので、
わりとポーカーフェイスで
シアターを出たんですが、
「イトイら」エリアにいた糸井が
出口で「どうだった? どうだった?」と
うきうきして訊くので
しょうがないから素直になって
印象的だった、すばらしかったところを
ダーッと話したら、
どうやらポイントが
糸井とちがうようなんです。

「シルク・ドゥ・ソレイユのショーは
 いちどでは味わえない」
と、よく言われます。
それは、座席がちがえば味わい方もちがう、
ということも言えるのかもしれません。

その後、互いのグループは興奮し
「自分の座席ではこうだった!
 自分のあの席だったからこそ
 あそこがこう見えた!」
と言い合ったのですが、
わたしは、次はちがうシートで見てみたい、と
このときひそかに思ったのでした。

シルク・ドゥ・ソレイユ シアター東京の座席は、
大きく分けて
・プレミアビュー
・フロントビュー
・レギュラー
・オーバービュー
の4つのエリアがあります。

どれがおすすめの席か、
はたして「おすすめの席」というものはあるのか、
こっそり知りたいですよね。
シルク・ドゥ・ソレイユの担当の方に
訊いてみよう、と思いました。次回につづく!

(スガノ)

シルク・ドゥ・ソレイユ シアター東京の
トライアウト公演は
こちらのサイト
チケットが販売されています。

2008-09-12-FRI



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