ヤマダのコーヒー
その1 おもしろいコーヒーの達人に出会ったよ!

みなさまごぶさたしております。
「おれは食べて痩せたいのだ。」、
ひさしぶりの更新です。
某オシャレなお店で
「柔道着をモチーフにしたズボンなんですよ」と言われ
試着したら、柔道着そのものになりました。
武井です。

この年末年始、2本、取材をしてきましたよ。
ひとつは、前回予告にもちらりと書きました
「コーヒー」のこと。そしてもうひとつは、
「きびきび動けるカラダづくり」のことです。
こちらは、ずっと通っているジムに取材を申し込み、
「食べて痩せたいのだ」というテーマのもと、
カラダづくりを根本から考え直す機会になりました。

▲なかなかヘビーな取材。でもたのしかった!

このカラダづくり編のほうは「たっぷり」めに
なりそうな感じなので、
まずは、ライトに「コーヒー」編からまいります。

「あんた、コーヒー、飲み過ぎじゃよ!」

あれは、何年前のことだったか、バリ島で、
「伝説の盲目のマッサージ師」というかたに
カラダを診てもらったときのこと。
そのマッサージ師(おじさんとおじいさんの間くらい)は、
ぼくの足を触るなり、大滝秀治のようにこう言いました。
「あんた、コーヒー、飲み過ぎじゃ!」

いや、「じゃ!」はぼくの意訳です。
そもそも日本語ではなかったです(片言の英語でした)。
そして彼は続けてこう言いました。
「1日、マグカップで4杯はトゥ-マッチじゃ!」
はっ。なぜわかるのです、老師。
なにしろ「大盛り」の好きなわたくし。
コーヒーはでっかいカップで、
かなりがぶがぶ飲んでました。
家ではマグカップ、外で飲むときは、
スターバックスが流行ってきた頃だったので、
しょっちゅう「アメリカーノのL」を飲んでました。
エスプレッソをお湯でうすめたやつですね。
いま思えば、味がとくに好きだったわけじゃなくて
「口さみしいときなら、これでしょ!」みたいな、
かっこつけた発想です。
ああ、オレ、かんじわるー。

で、さらにかんじわるいことに、そのうち
「ちょっと飽きる」わけですが、
コーヒーに飽きたわけじゃなくて、
「やっぱりドトールのほうがおいしいよね」
とか、そういうふうに渡り歩いていって、
それでも飲む量はあまり変わってませんでした。
がぶ飲み4杯上等! みたいな。

そんな時だったので「ドキッ」としたわけです。
そして老師(大滝秀治)はこうアドバイスをくれました。
「新鮮なコーヒーを、3杯までにせい」と。
あれから数年。
ようやく、あなたの言う意味がわかりました。
コーヒーでなにが大事かって、
「新鮮さ」だということが!

コーヒーの達人、それは‥‥?

それは「あるコーヒーの達人」に
会ったことがきっかけでした。
弊社にもというコーヒー通がいますが、
彼がCOFFEE LOVER だとするならば、
この人はCOFFEE ADDICTの域じゃないか。
「通(ツウ)」を超えた「師範」の域。

▲こちらがコーヒーの達人。

あれ‥‥どこかで見たことがあるかも。
というかたもいらっしゃるかも。
本業はパーカッショニストの山田智之さんです。
山田さんの出身は石巻。
震災後、たいへんなことになったふるさとについて、
「おれにできることは、おいしいコーヒーを淹れて、
 みんなの話を聞いてあげることだけなんだ」と言い、
まわりじゅうから「おまえはパーカッショニストだろう!
音楽で癒してくれよ!」とつっこまれた、という、
ほんもののコーヒー好きです。

そう、山田さんのすごいところは、
知識だけじゃなくて実践をともなっていること。
彼の淹れたコーヒーがあまりにもおいしいのが
興味をもったきっかけでした。

▲この人のコーヒーはおいしい。何がちがうのか、知りたくなったのです。

軽く「コーヒー寄り」の紹介をしておきますと、
山田さんがコーヒーに興味をもったのは小5のとき。
お母さんと行ったデパートで、
地下の食品売り場のちいさな喫茶コーナーで
おじさんたちが頼んでいるコーヒーを見て
「あの黒い飲み物って何?」
と思ったのがきっかけだったそうです。

山田さんのおもしろいところは、
お店のおじさんが豆を挽いて淹れているのを見て
「飲んでみたい」ではなく
「淹れてみたい」と思ったということ。
山田少年はそのあといきなり、豆を買いに行きます。
しかし、お店の人の「どれがいい?」とか
「挽くの? 豆のまま?」というような質問に答えられず、
くやしく思った山田少年、
「ちっくしょう! コーヒーのこと、調べてやる!」
と考えたのでした。
(うん、ちょっとかわってますよね。)

ネットのない時代はたいへんだった!

インターネットのない時代。
おこづかいでコーヒーの器具を買い、
ついていた小冊子のガイドにしたがって
淹れてみるところからはじまり、
やがて中学生になった山田少年は、
喫茶店をハシゴしては、コーヒーを片っ端から飲む、
ということをはじめました。
お小遣いはぜんぶコーヒー代に消えたそうです。

そんななか電話帳で見つけたコーヒー屋に行ったところ、
そこはコーヒー豆の卸問屋さん。喫茶店じゃなかった。
入ってみたところ、間違いに気付いたのですが、
せっかくだから「コーヒー豆ください!」、
しかしながらおじさんに「うちは卸業者だから、
一般には売らないんだよ」と諭されます。
けれども、こどもがコーヒー豆の卸問屋に来る、
ということじたいをおもしろがってもらえたらしく、
おじさんは、山田少年に、
いろんなことを教えてくれました。

「コーヒー豆って、でも本当は最初黒くないんだよ」と
生の豆を見せてくれたおじさん。
「ピーナッツみたい! 青臭いし、なんだこれ?」
「これを焙煎するんだよ」
「焙煎って‥‥なんですか?」
「豆を焼くんだ。こういうので焼くんだよ」
そして、山田少年の顔を見てニヤッと笑い、
「やってみたい?」
「はい! やってみたいです」。
そして、なぜかおじさんは、初めて会った少年に、
手回しのロースター(焙煎器具)を貸してくれました。

そして自分のお小遣いでミルを購入、
見様見まねで、焙煎して挽いて淹れるという、
「コーヒーの王道」を、中学生の山田少年は
歩き始めたのでした。

けれども「焙煎」のやり方を教わってこなかった山田少年、
お母さんに「どうしよう」と訊いたところ、
「そういうのは、初めチョロチョロ、
 中パッパなんじゃないの?
 たぶんお米と一緒よ」と教えてくれ、
(それが正しかったかどうかはともかく)
「火力を調整する」実験を重ねて、
しばらく自己流でがんばったところ、
だんだんうまく焙煎できるようになっていきます。

‥‥こまったな、プロローグなのに長くなりそうです。
アンチエイジングの話に、まだ、なってないよ。
次回、なるべくはやめに「つづき」を更新しまーす!

2015-01-14-WED