大学進学で家を出て、
関東でひとり暮らしをして８年になります。
年に数回帰省します。
帰省すると母が毎日必ず、
「あんた、今回いつまでいるの？ いつ帰るの？」
と聞いてくるのです。
私は、帰省の日程を細かく連絡するほうで、たとえば
「8月10日に帰るよ。
最寄り駅に着くのは10時半頃かな。
15日の夕方５時にはこっちを出て東京に戻るよ」
というように予定を伝えています。
なのに帰省した日から毎日、
「あんたいつ帰るの？」と聞かれます。
帰省１日目に日程を伝えても、次の日にも聞かれます。
聞かれずに済むために連絡をメールなどにして
見返せるようにしているし、
なにより母本人がリビングのカレンダーに
予定を書き込んでいるのです。
何度も何度も日程を言っている自負があるので、
毎日聞かれるとなんだかイラッとしてしまい、
そこから口論にもなってしまいます。
毎日聞かれるのが嫌だと伝えたこともありますが、
改善されません。
母に言ってもむだだと思い、日程を父だけに伝えると、
「お母さんには連絡もくれない」と文句を言います。
（父は一度伝えれば、予定を覚えてくれます）
コミュニケーションがしたいだけ、
という説も考えましたが、
私は帰省すると母とよく話もしますし、
一緒に出かけたりもしています。
もしかして、母は私を嫌っていて、
帰ってきてほしくないと思っているのでしょうか。
どうすれば穏やかに、いつ帰るのか聞かれずに、
実家で過ごすことができるのでしょう。
（かおりの妹のゆうき）
- このお母さんは、なぜそんなに
「いつまでいるのか」を聞いてくるのでしょうね。
- ごはんの都合とかかな？ いや、でも、この感じ‥‥
こっちの答えを聞かないうちにまた質問され、
何回も同じことを言わされる、この感じ‥‥
経験ありますよ。
- ありますか。
- 自分のことを思いっきり棚にあげて言いますけど、
きょうび、意味もない話をする人たちが
多いと思いません？
沈黙にならないようにしてるのかもしれないけど、
「誰かがこう言ってた」とか「◯◯らしいよ」とか
別にそれをいま言わんでいいやんという内容で、
あらゆる会話や人間関係が形成されています。
- ああ、わかる気がする‥‥。
- そんな会話のなかでは、
人に質問しておきながら、
真面目に答えてもらっているのに聞いてない、
ということも多発します。
だから当然
「さっき言うたやん」「また聞いてくる！」が
くり返されます。
このお母さんはそのように、
一連の流れで、思いつきだけでしゃべってるんですよ。
意味のない問いかけなんです。
- ああ、実務で聞いてるわけじゃないんですね。
あの空間を埋める会話のやり取りって、
なんなんでしょうね。
- うん。あれ、ほんまになんやろう。
- 我々のような関西出身者は、特に
ちょっと演じてんのかな？ というモードのときが
ありますよね。
「何やってんの、あんた、最近！
えー、えらいなぁ、ほんで、ほんで？」
口が大きく動いているだけで、ぜんぜん聞いてない。
- 雰囲気だけ盛り上がってて、
なかみはありませんね。
興味もないでしょう。
- ないからこそ、何度も聞くんでしょうね。
けれども今回のご相談はその内容が
お母さんからの「いつ帰るの？」なのが、
ちょっと引っかかるんですね。
- そうですよね‥‥この娘さんは、
とてもまじめな方ですね。
- 「何度も日程を言っている自負があるので」
と書いていらっしゃいますので、
お母さんに比べたら、まちがいなくまじめでしょう。
- きっと、この相談者さんは
お父さんと似てらして、
お父さんと相性がいいのではないかな。
いっぽうお母さんは、ざっくばらんな方なので、
「自分と同じじゃない」と思ったほうがいいですね。
お母さんは情報を聞いてないので、
「夕方５時にはこっちを出て東京に」とか、
そこまで細かく言わなくていいです。
まず、子どもを嫌ってるわけがないので、
そこを深刻に考えるのはやめましょう。
- あまりにも聞かれるから
「なんで？」と思うかもしれないけど、
それは考えからはずしていいですね。
- いいと思います。
そういえばうちも、お母さんがわりと
好き放題にものを言うタイプですよ。
台所とかで、思いつきで、
ひとりごとを瞬間瞬間に発信しています。
- 瞬間瞬間はかなり怖いですね。
- そのうちひとりごとさえ言わなくなり、
オリジナルの鼻歌を歌いだします。
謎のメロディです。
ああ、とうとう鼻歌はじまったなと
私らは思っています。
- ひとり言はどんな内容なんですか？
- 「あの猫はかわいかったな、なんで死んだやろう」
「かわいかったな、生きてたらな」
などです。
死んだらしかたないし、
生き返るわけがないと思うので、
「かわいかったよなぁ」なとど
私は適当に相槌を打ちます。
そうかと思えば、
「ニュースで殺人事件あったな、ああ恐。
あんた、鍵閉めてちゃんとチェーンしいな」
と言いはじめます。
私らも毎回いちいち「うん」とか言わないし、
母はほっといても気にしません。
「そうそう、こないだもね、向かいの何々さん、
階段から落ちてあばら折って、ねぇ。
あんたも段とか気ぃつけや」
など、永遠に思いついたことを口にしていき、
注意事項を並べます。
こないだなんて、わたしがネックレスしてただけで、
「あんた金具がエレベーターに挟まって死ぬで」
と言いました。
母は、あの手この手で私を殺そうとしています。
- かおりさんたちみたいに
適当に合わせられないと、
気持ちがきつくなってくるでしょうね。
- 意識革命しかありません。
相手が変わらない場合は、
自分を変えるしかない。
思えば、私も幼い頃は
「親、おんなじことばっかり言ってくる」
「なんでなん？」と思ってたことがあったと思う。
でもやっぱり、
宇宙的に考えたら１回きりの出会いやからね。
大きな宇宙の、親子です。
- そうですね。縁ですからね。
でもかおりさん、意味のない会話でも、
「彼氏できたん？」「子どもまだなん？」
「また太ったな」とか
鬱陶しいことばかり言われるのはこたえます。
聞くほうは意味はないかもしれないけど、
責められてる気分になってしまう。
- ハラスメントですね。
無意味で無神経、というのは問題ですね。
向こうにとっては空間を埋めるための行為で、
悪気はないと思う。
普通に、息をするように言ってるだけでね。
- 息をするように‥‥。
- 意味もない言葉で
人を傷つけることもあるということを、
ちょっとはわからんといけないですね。
- ツイッターで
「あんたいつ帰るの？」ばかり言ってたら、
炎上すると思うんですよ。
- なるほど。
「娘さんにそんな何回も聞いたらあかんよ」
というリプライがめっちゃ来るかな。
家族の会話はつねに
非公開ツイート状態ですもんね。
お母さんは、言ってみれば、
世間知らずなんです。
一回、東京に来たらいいと思う。
ハルカスしか知らんからいかんのです。
- 世の中はもっと広いぞ、と。
スカイツリー見て、
宇宙とつながってるってわかったら。
- そしたら、そんなくだらん質問も
しなくなるのではないでしょうか。
でも、こういうお母さんのような人が、
口が重くなったらちょっと悲しいですよね。
かわいそうな気がする。
- ダンマリされたら見てられないですね。
- のびのび言わしといたげたらいいという
思いもあります。
かといって、何度も聞かれるとつらい、
この方の気持もわかります。
これは会話じゃない、掛け合いです。
ようは、ノリよくしてあげたらいいんですよ。
「何時にどこどこ」とか言わずに、
いつも適当に「あさって」と言っておけばいい。
当然また聞いてくるから、
次は「４日後」とか言っておく。
真実の情報はお父さんに伝えておけば
ちゃんとしてくれます。
どうせ永遠に聞いてくるんだから、
「まだ決めてない」とか、
「20日やったかなぁ？」とか、
でまかせを言ってみたりして、
こっちも脳を使わん練習をしたらいいんですよ。
- その一瞬、ぼんやりしてみるんですね。
- 「いつ帰ると思う？」
「どう思う？」
などと言ってもいいと思いますよ。
いつでしょうかクイズを出していきましょう。
- それは新しいですね。
「さて、あたしが帰るのはいつでしょう」
- 「次のＡ、Ｂ、Ｃ、どれでしょう」
と、３択クイズにするのも一興ですね。
クイズになると、お母さんは
神経ピリピリ使うと思う。
そして、お母さん。
お母さんにはやっぱり、
会話の中の意味というものを知ってほしい。
むだ話が平行線のようになってまじわらずに飛ぶのが
井戸端会議なのかもしれませんけれども。
- 井戸端会議ではわりと、
自分の言いたいことしか言ってないイメージが
ありますもんね。
酔っ払いだらけの飲み会もそうでしょう。
- みんな、相手のこと聞いてないですね。
だからといって、
心ないことを垂れ流すのは、よくありません。
それは、世にさらされてなさすぎです。
ツイッターやブログでさらされたら、
お母さんだって怯えるようなこともあります。
このままでいてほしい気持ちもあるけど、
娘さんもマックスストレス溜まってるから。
お母さん、いまからでも遅くないですよ。
アカウントはすぐ作れます。
世に発信したとたん、赤の他人が
「お前何回娘に同じこと言うとうねん」と
突っ込んでくれます。
そこで痛い目に遭うのも経験です。
まぁ、炎上しても気にしないかもしれませんけど。
- そうですね。
先にクイズで
ちょっとびっくりさせといて。
- あかんかったら
ツイッターアカウント開設ですね。
- それでは、今日のまとめをお願いします。
- はい、わかりました。
2017-08-07-MON
