人生の3分の1は、ふとんの中。1/3LIFE

Interview 01 菊地凛子さんに聞いた眠りの話。

ほぼ日「ねむれないくまのために」PRESENTS
個人差はもちろんあるけれど、
人はだれでも、おおむね、
生活の3分の1近くをふとんの中で過ごします。
みんな、どんなふうに過ごしているんだろう‥‥? 
寝つきは? 目覚めは? 快眠法は? 
100人にたずねれば100種類の答えが返ってきそう。

様々な方々に、聞いてみることにしました。
「あなたの、眠りとのつき合い方を教えてください」

第1回目にお招きしたのは、女優の菊地凛子さんです。
菊地凛子さんプロフィール

第2回
                            ピンクの毛布、名前は「あみちゃん」。

──
寝具について、
「これがいい」という好みはありますか? 
菊地
ああ、それはすごくあります。
──
まくらはどんなものが? 
菊地
まくら。
まくらについては、
もう何がいいのか
自分の好みがわからなくなるくらい
ずっと探し続けている気がします。
──
自分に合うまくらって、難しいですよね。
菊地
これまでずっと、まくらカバーは
コットンのものを使っていたんです。
最近はそれをリネンに変えてみたり。
──
リネンに変えてみて、どうですか?
菊地
シャキッとした状態で使いたいので、
洗うのに手間がかかったりもするんですけど、
いまのところいい感じで使えています。
──
マットレスはどうでしょう。
菊地
私、マットレスが硬くないと寝れないんですよ。
もう硬ければ硬いほどよくて、
寝具屋さんで好みを伝えたら
「これ以上硬いのは玄人向けです」
って言われました(笑)。
──
玄人(笑)。
菊地
なんの玄人なんでしょうね?(笑)
まあ、とにかくそれくらい硬いのが好きです。
なのに、
撮影で海外に長期出張に行くと、
アメリカのホテルのマットレスは
ふわふわなんです。
──
ああー、ホテルのベッドって
ふわふわなものが多い気がします。
菊地
体が沈んじゃって寝れないんですよ。
──
そういうときはどうされるんですか?
菊地
どうしていいかわかんなくて、
最終的には床で寝ました。
──
わあ‥‥それは大変ですね‥‥。
菊地
それと、寝具ではないんですけど、
私、ぬいぐるみを抱っこして寝るんですよ。
その重さやかたちがすごく重要なんです。
──
どんなぬいぐるみなんですか? 
菊地
マックスというディズニーのキャラクターです。
耳がふわふわっとしていて、
抱っこしていると、ちょうど頭からおなかが
ぬいぐるみに当たるんです。
それが心地よくて。
──
ぬいぐるみと寝る人も多いですよね。
子どものころからずっとですか?
菊地
はい、ちいさいころから。
あ、そういえば、
わたしが小学生のとき
毎晩使っていたピンク色の毛布に
「あみちゃん」って名前をつけていたんです。
──
え? 毛布に名前を? 
ぬいぐるみではなく。
菊地
はい、毛布にです(笑)。
──
大事にしていたんですね。
菊地
ねえ(笑)。
あみちゃんを
どこに配置すれば気持ちよく眠れるのか、
ずっと試行錯誤していました。
──
どの位置がベストだったんでしょう? 
菊地
あみちゃんのフチの部分のふわふわが、
鼻の下あたりにちょっと触ってる感触が
すごく好きだったんですよ。
だから、フチが常に鼻に当たるように
調整していました。
──
すぐずれちゃいそうです(笑)。
菊地
そうなんです、ずれちゃう! 
なかなかうまくいかなくって。
それで、最終的に辿り着いた答えが、
「あみちゃんの毛をちょっとむしる」。
──
むしる? 
菊地
むしって、小さい毛玉を作るんです。
それを鼻の下におく。
──
それでもう、ずれない。
菊地
ええ、ずっと鼻の下です。
──
「ひげダンス」のような(笑)。
菊地
これを編み出したときは、
「私は天才なんじゃないか」と思いました。
──
(笑)
菊地
で、あみちゃんの上に羽毛ふとんをかけて、
こんなふうにして寝るんです。
──
羽毛ふとんを。
掛けるふとんは、羽毛がお好きですか。
菊地
どうでしょう‥‥? 
羽毛もいいですけど、
重量感のあるふとんも好きです。
──
重たい布団もいいよねって、
ぼくらもちょっと話してるんですよ。
菊地
ふとんにしっかり挟まれる感触で
気持ちよくて眠れるんですよね。
そういえば、寝るまえにうちの子どもたちが
「サンドイッチしよう」って言うんですよ。
──
サンドイッチ? 
菊地
子どもにふとんをかけて、
その上から私が、ばたーって乗っかるんです。
そうすると圧がかかって
気持ちいいみたいなんですよね。
私の子ども時代と同じようなことやってるなと、
いまふと思いました。
──
いいですねぇ(笑)。
それにしても、
「あみちゃん」のお話からすると、
菊地さんはちいさいころから、
「よく眠りたい人」だったんですね。
菊地
ほんとだ(笑)、
そうだったんでしょうね。
──
当時から寝起きは苦手だったんですか?
菊地
はい、そうでした。
とにかく低気圧に弱かったんです。
雨が降ったりすると
いちにち寝ていたいと思うような子どもでした。
──
低気圧はほんとうに影響するっていいますよね。
まったく起きられなくなる人もいるとか。
菊地
もう泥のように動けなくなります。
──
でも、子どものころは
「このダルさは低気圧だ」というのを
知りませんよね?
菊地
そうなんですよ。
ちいさいときは6月くらいになると
すごく頭痛と吐き気があって。
そのときは低気圧が原因だと
ぜんぜん気づかずにいました。
──
気圧のことが言われだしたのは
近年のことですから。
菊地
低気圧と身体の関係がわかってきて、
いまはアプリでチェックもできますよね。
それですこし納得して、
戦えるようになりました。
子どものときは、
未知のものと戦ってたから。
──
わからない原因と戦うのはつらいです。
菊地
「なんでこんなにつらくてだるいんだろう」
と思っていました。
低気圧のせいだと知ってからは、
あまりパフォーマンスが
下がらないことに気づいたんです。
──
理屈がわかると安心できますよね。
菊地
そうですね。私の癖なんですけど、
「何でこうなったんだろう」をよく考えるんです。
それで、原因がわかると安心する。
──
なるほど。
菊地
「これは低気圧だからしんどいんだ」ってわかれば、
対処方法も見つかるじゃないですか。
不要なことはどんどんしなくてよくなるし。
それと同じで、
睡眠のことも、もっとよく知りたいんです。
──
睡眠をもっとよく知りたい。
菊地
はい、知りたいです。

(つづきます)

撮影:池田晶紀、池ノ谷侑花(ゆかい)
ヘアメイク:奥平正芳

着用アイテム:
ATON AOYAMA
03 6427 6335
www.aton-tokyo.com
  • 2023-03-23-THU

菊地凛子さん、最近の出演作。

お知らせしたいことが、ふたつあります。
菊地凛子さん主演の映画と、
テレビドラマに出演の情報を、どうぞ。

 『658㎞、陽子の旅』

1999年に映画デビューした菊地凛子さんは、
2001年の映画『空の穴』で、
はじめて「名前のある役」についたのだそうです。
『空の穴』の監督、熊切和嘉さんと、
22年ぶりにタッグを組んでの映画が上映されます。
全国ロードショーがはじまるのは、2023年。
そう、今年です。
上映開始日などの速報は、
ぜひ公式サイトをチェックしてください。

 特集ドラマ『生理のおじさんとその娘』

ふたつめは、NHK総合で放送される特集ドラマです。

テーマはこちら。

“生理に詳しすぎるおじさん”と
“生理を語りたくないその娘”。
2023年の「生理」の現状を通して
「違う人同士が分かり合うこと」を描く。

興味津々のテーマです。
睡眠と同様に、人間の生理現象を扱うお話。
菊地凛子さんは、伝説の婚活アドバイザーで、
原田泰造さん演じる主人公と
真っ向から衝突する役でご出演されるとか。
みどころがたくさんありそう。
放送日時を、メモしてくださいね!

【放送予定】
2023年3月24日(金)
<NHK総合>よる10:00~11:13(73分)


詳しくはNHKのこちらのページをご覧ください。