湯村輝彦×糸井重里  ごぶさた、ペンギン!  『さよならペンギン』復刻記念 なつかしはずかし30年振り対談
絵・湯村輝彦、文・糸井重里。 1976年に発行されたゴキゲンな絵本、 『さよならペンギン』。 長らく絶版となっていたこの絵本が、 このたび、めでたく復刻されました! となれば、やっぱり、著者のおふたりで 記念の対談をやってもらいましょう。 かつて「毎日のように会ってた」というふたりですが、 なんと、会うのは30年振りなんですって! そりゃあ、ずいぶん、照れくさいでしょう。 いまや、ともに60代のふたりが、 もじもじしながら会って長く語りました。 うふふ。いいですよ、この関係!
#01 恥ずかしいな(笑)。
糸井 (部屋の入口から)
‥‥おーい(笑)。
湯村 (部屋の奥から)
‥‥元気ね(笑)。
糸井 (ちょっとずつ歩み寄って)
うん、元気。
湯村 (すこしずつ近づいて)
オレ、わかる?
オレは糸井をいろんなところで
見てるからわかるけどさ。
糸井 (ずいぶん近くで)
いや、わかるよー。
湯村 (かなり近くで)
そう?
糸井 わかるよー、テリーだ(笑)。
ピタリですよ。
(握手)
湯村 (握手)
いやー(笑)。
糸井 はははははは。
湯村 恥ずかしいな(笑)。
糸井 オレも恥ずかしい(笑)。
湯村 30年ぶりだからね。
糸井 そうだよ。
誰かのお葬式のときに
ちょっとだけ、会ったんですよね。
湯村 そうだったか。
糸井 でも、ちゃんと会うのは、
そうか、30年ぶり!
湯村 いつの間にか。
糸井 そうそう、じつは、ちょっと前にね、
来たんだよ、この事務所の前まで。
湯村 寄ればいいのに。
糸井 それが、寄れなかったんだよ(笑)。
湯村 なんで(笑)。
糸井 いやー、あのね、この近所に、
ときどき来る鍼灸院があるんですよ。
で、何回か来てて、その都度、
どうしようかなぁ、湯村さんち近いから
寄ってみようかなぁ、って思ってたの。
それで、一回、とうとうこの前まで来て、
でも日曜日だったんで、いないかなと思って、
ひとまず電話しようと思って‥‥
でも‥‥できなかった(笑)。
湯村 そのとき電話あったら、
ちょっとドキドキする(笑)。
糸井 困りますよね。
湯村 どうしようか、みたいな。
パンツすぐ穿かないと、みたいな。
糸井 ハハハハハハ、この感じ(笑)。
湯村 新しいパンツないか、みたいな。
糸井 けっきょく、うろうろして帰ったんだけど、
たぶん、近所の人は、
「あやしい人がいるぞ」って
思ったんじゃないかなぁ(笑)。
湯村 オレもさ、糸井が来るって聞いてさ、
もちろんうれしいんだけどさ、
「‥‥糸井が来るのかぁ」って思いはじめてさ。
それが、もう、だんだん、
「‥‥糸井が来る‥‥糸井が来るぞぉ」
みたいになってきちゃって。
糸井 (笑)
湯村 昨日あたりはさぁ、もう、
「明日、来るんだぁ」みたいになって。
なーんか、目が冴えちゃって。
糸井の夢まで見ちゃったりして。
糸井 うわー、申し訳ない(笑)。
湯村 どうしてくれるんだい?
糸井 いやー。
湯村 ちょっと、まだ、恥ずかしいな(笑)。
糸井 ほんとですよね(笑)。
慣れるまで時間が、うーん‥‥。
湯村 ほら、オレ、人見知りだからさ。
精一杯こうやってるんだけど。
糸井 いや、ぼくも、
人見知りの人と会うときには、
うつっちゃいますよ、人見知りが。
湯村 だって、会ってたのって‥‥
二十代のころだからね。
糸井 いやー、恥ずかしい(笑)。
いちいち恥ずかしいですよ(笑)。
湯村 恥ずかしいってことばを
つねに入れておかないと。
糸井 ほんとね。
一行ごとに、いちいち恥ずかしい。
湯村 まいったね(笑)。
どうしよう。
糸井 そうですね‥‥まず‥‥座りましょうか。
湯村 おおぅ、座ろう。
糸井 どこに座ればいいんですか。
湯村 糸井が主役だから、そこで。
糸井 主役じゃないですよ。
湯村 オレはここで、いいの。
糸井 はい、わかりました。
湯村 いやー。
糸井 いやー。
2011-03-30-WED
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