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LIFEのBOOK ほぼ日手帳 2017

LOFT手帳部門12年連続NO.1

ほぼ日手帳 2017

超Cooooooooooolな横山裕一さん。 前編

2017年のほぼ日手帳springのラインナップに、
横山裕一さんの「weeks」が加わります。

日本でも海外でも人気を誇るアーティスト、
横山さんのクールでカッコいい絵を
手帳にして持ち歩きたい!

ほぼ日手帳チームの強い希望ではじまった
制作の道のりを、担当「ほぼ日」笠井が
前後編で短めにご報告させていただきます。

謎に包まれた横山さんのお人柄、
いったいどんな方なのか?

後編はこちら ▶

横山裕一さんのプロフィール

前編「打ち合わせはできません」

みなさま、こんにちは。

ほぼ日の笠井と申します。

手帳チームに配属されて2年が経ちますが、
「このアーティストの手帳を作りたい」と
思いつづけていた人がいました。

それは、美術家の横山裕一さんです。

こういう絵を描く方です。

かっこいい‥‥すみずみまでクールでしびれる。
と、つねづね思っていたチーム一同は、
「横山さんの絵を手帳にする」という企画が
社内で通ったとき、小躍りしました。

しかし‥‥‥よろこんでいるはずなのに、
私の小躍りのジャンプは鈍っていました。

横山さんの手帳を作るには、
横山さんに依頼をしなくてはいけないから。

なぜ、私は依頼をひるんでいるのか?

理由はふたつありました。

その1)

横山さんの絵が大好き、ということは言えても
「なぜ?」「どこを?」
と、依頼のときに訊かれたら、どうしよう。

作品はとてもカッコいいのですが、
理解しているかと問われれば、
ひじょうに困難であり、
というか、理解できませんでした。

その2 )

過去のインタビューを読んでみると、
パソコンを持っていないらしい。

理由は「高いから」「そもそも必要ないから」と
書いてありました。

私の勝手な印象ですが、
だいたいそういうことをおっしゃる方は
変わった方が多い(気がする)。

でもそれは10年くらい前のインタビューなので、
いまは持っていらっしゃることを期待!

(パソコンなくてどうやってデータを送るんだろう!)

横山さんのTwitterを拝見すると、
連絡窓口はギャラリー「ARATANIURANO」さんが
やってらっしゃるとのこと。

メールをお送りすると、早々にご本人から
お返事が来ました。

このメール‥‥タイトルとか文の改行とか‥‥‥‥‥
しかも、ここには残念ながら記せませんが、
メールアドレスが異様に長いのです。

私はここで仮説をたてました。

「横山さんはガラケーを使っている」
この、いわば記号っぽい文面は、ガラケーにちがいない。

横山さんがガラケーを使っていて
いまもパソコンを持っていない場合、
デザイン確認等は郵送ということになるので、
スケジュール管理は気をつけなくてはなりません。

ちょうどそのとき横山さんは
代々木のギャラリーで個展を開催なさっていたので
ごあいさつにうかがうことにしました。

それは新作の「アイスランド」の個展でした。

来場しているお客さまは若者が圧倒的に多かったです。

私がギャラリーに到着したときには
横山さんはいらっしゃいませんでした。

作品をじっくり見ていると、数分後、
お菓子とお酒を片手に横山さんが現れました。

横山さんは、
どうやらお酒がお好きなようすでした。

テーブルにお菓子を広げて、
みんなにすすめていました。

その間、私を含め、
サインをもらう人がいました。

サインをするとき、すごく念入りに
テーブルを拭いていらっしゃったのが印象的でした。

ここで私は横山さんと名刺交換をしたのですが、
ご自身の作品の紙(下描き?)の裏に
ご自身の手描きの連絡先が書いてあるもので、
(例の長いメールアドレスも)
こんな貴重なものをいただいていいのだろうか、
とドギマギしました。

注)その時の名刺。A4のペラ紙の裏紙的な感じ!

名刺も何もかも、いまのところ
期待を裏切らない横山さんです。

いちど、まとまった打ち合わせをしたいと思い、
申し出たところ
「ぼく、打ち合わせはできないんです」
と言われてしまいました。

打ち合わせが、できない‥‥?

それはべつに
話をしたくないというわけではなさそうです。

こういった個展やイベントなどの機会に話をして、
そのうえで
電話やメール、郵送などをベースに
仕事を進行していくのがいいんだ。

こういうニュアンスを、私はつかみ取りました。

作品をほぼ日手帳にする場合、
プリントや加工の種類や具合、
トリミングの指示、色校正など
やりとりがたいへん細かくなるのが通常です。

しかも横山さんは世界的な活動をなさっている方です。

打ち合わせなしで大丈夫かなぁ‥‥
そもそもいろいろ大丈夫かなぁ‥‥と、
このときの私は不安になりました。

しかしその後、制作をはじめてみて、
不安は雲散霧消。

しかし、直後に別の驚きがやってきました。

ポイントは3つ。

1)レスポンスが異様に早い。

2)簡潔。

3)謙虚。

▲だいたいこんな感じの返信なので、毎回、自分の書いたメールが戻ってきたのかとビビりました。

▲コメントもおやさしい。

私も「お世話になっております」というような
おきまりのごあいさつは書かなくなりました。

(後編につづく)

2017-01-29-SUN

後編はこちら ▶