「わたしには無理かも‥‥」 「興味はあるけどむずかしそう‥‥」 そんな編みもの未経験者さん、お待たせしました。 たのしいきっかけの到来です。 三國万里子さんが、ていねいに、 編みものの基礎を教えてくれることになりました。 みんなで編むのは、ちいさなポーチです。 (目薬を入れるのにちょうどいいサイズ) あきらめる人がでないよう、こまかく、くわしく、 ときには動画もまじえながら、 できるだけわかりやすい解説を目指します。 さあ、ことしこそあなたも編みものデビュー。 もちろん経験者も大歓迎です。
 三國万里子さんの新刊『冬の日の編みもの』出版記念   ウェルカム、ぶきっちょさん!  目薬ポーチで  編みもの入門。 先生は三國万里子さん
三國万里子さんプロフィール

さっそくご覧いただきましょう。
これがその「目薬ポーチ」です。


       作者:永田泰大   所有者:山下哲

「編みものは未経験」というかた、
もしくは「むかしやったことあるけど忘れてしまった」
という人たちに向けて、
このちいさな「目薬ポーチ」の編み方を
できるだけくわしく、ていねいに、
解説していくコンテンツをはじめます。

本編スタートは11月上旬の予定ですが、
ほんじつ10月19日(これを更新した日)は、
待ちに待った三國万里子さんの新刊、
『冬の日の編みもの』の発売日です。
そんなうれしい日に、
新しくはじまる三國さんの編みものコンテンツの、
「予告」だけでもさせていただこう、という次第。
(三國さんの新刊について、くわしくは下に)


       作者:山下哲   所有者:永田泰大

「目薬ポーチ」のお話を続けます。

さんざん「目薬ポーチ」とくり返していますが、
この名前は三國さんがつけたものではありません。
勝手に名前をつけたのは、
「ほぼ日刊イトイ新聞」の、
私、山下と永田のふたりです。
三國さんのワークショップでつくったちいさなポーチを、
ふたりとも会社で「目薬入れ」に使っているため、
そんなふうに呼ぶようになってしまったのでした。
すみません、三國さん。


▲2010年12月、『初めてさんワークショップ』にて。

このとき、山下と永田は棒針編みが初体験。
まさしく『初めてさんワークショップ』でした。
山下は「編める自信がない」と事前に思っていました。
二本の棒を複雑に動かし、
暗号のような編み図を読み解きながら進めるその作業は、
とても自分にできるものではないと思い込んでいました。

ところが、それが「できた」のです。
「すこしできた」にすぎないにしても、「できた」。
ちいさなポーチが完成した瞬間の
━━ずいぶん大げさに聞こえるでしょうが━━
全身をかけめぐったあのうれしさは、ずっと忘れません。



▲お互い、自分が編んだものをプレゼントしあいました。

糸井重里も「目薬ポーチ」にチャレンジしました。
「気仙沼ニッティング」プロジェクトに取り組むにあたり、
編むことをすこしでも深く知ろうと、
三國さんに教えていただいたのでした。


▲もちろん糸井も初体験。まずは、作り目から。



▲なかなか思うようにいきませんが、それでもすこしずつ‥‥。


▲何度か失敗をしながら数日後、結局この色で完成。

編み終わっての感想を訊いてみたところ‥‥

「たいへんだということが、
 よーくわかりました。
 簡単なところはなにひとつなかったです。
 だからできあがると、すごくうれしい。
 でも、編みものに向いているのかというと、
 うーん‥‥
 ぼくはジャムを煮たりする方が得意みたい(笑)。
 つまり、編んでみてそれがわかったというわけです」

山下はその後、三國さんの本を見てミトンを編みました。
永田は長い時間をかけて、マフラーを編んでいます。
ふたりとも、
「自分はけっこう編むことが好き」
ということがわかりました。

それを教えてくれたのが、三國万里子さんであり、
「目薬ポーチ」だったのです。

ちいさな「目薬ポーチ」ですが、
これをひとつ編む工程には
「作り目」「メリヤス編み」「減らし目」など、
編みものの基本がいくつも入っています。

「目薬ポーチ」にたくさんの未経験者が挑戦して、
編みものを好きになる人がすこしでも増えたら、
それはゆかいで、すてきなことだと思います。

くわしい解説は11月からですが、
「目薬ポーチ編み図」は、
いまからダウンロードできるようにしておきます。
こちらからどうぞ。

目薬ポーチ
クリックでPDFの編み図がダウンロードされます。
プリントアウトしてお使いください。

腕に覚えがあるかたは、
どうぞ今から編んでみてください。
(ただし編み方などについての質問には
 お答えできませんので、その点はご了承ください)
本編がはじまったら画像を募集しますので、
そのときはぜひ、先輩として作品を投稿してくださいね。

くり返します。
編み方の解説スタートは、11月上旬を予定しています。
たのしみにお待ちください。

三國さんのワークショップにはじめてお邪魔したとき、
「当日はこれを持ってきてください」
と言われたものを下に記します。
本編がはじまるまでに、準備するのもたのしいですよね。

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
〈用意するもの〉

・極太毛糸をひと玉(お好きな色で)
・10号の2本棒針
・はさみ
・とじ針
・筆記用具

※よくわからないかたは、手芸洋品店の店員さんに
 このメモを見せて相談してみてください。

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

それでは、本編でお会いしましょう。

あ、最後にひとつだけ。
三國さんが教えてくれる編み方は「アメリカ式」です。
なんのことかよくわからないでしょうが、
それもまた、あらためて。

2012-10-19-FRI

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これまでの更新
予告編 2012-10-19-FRI
STEP 1 作り目 2012-11-09-FRI
STEP 2 裏目を編む 2012-11-10-SAT
STEP 3 表目を編み、編み図を読む。 2012-11-11-SUN
STEP 4 目を減らす。 2012-11-15-THU
STEP 5 かけ目、中上3目一度 2012-11-16-FRI
発表! みんなの目薬ポーチ! 2012-11-28-WED


三國万里子さんの新刊のおしらせ  2012年の新作たちが盛り込まれた、 ファン待望の一冊が、10月19日に出版されました。

『冬の日の編みもの』
文化出版局/1470円(税込)

『編みものこもの』『編みものワードローブ』
『きょうの編みもの』と、
編みものファンを夢中にさせてきたシリーズの4冊目です。
スケートリンクで撮影したページは、
写真集としてもほんとうにかわいくて‥‥。
伝統の柄と「今」が出会う三國万里子ワールドは、
今作でもまぶしいほどに展開しています。
初心者から上級者までたのしめる一冊。
この冬のおともに、ぜひ。

Amazonでのご購入はこちら

 


このたび、三國万里子さんの新刊
『冬の日の編みもの』が、発売のはこびとなりました。
例年の発売より1ヶ月ほどお時間をいただき、
「今年はまだなのか?」と
お声をお寄せいただいたと聞き、うれしい限りです。
 
では、担当編集者から
『冬の日の編みもの』のご紹介をさせていただきます。
 
これまでの3冊をご覧になったことがある方は、
すでにお気づきかと思いますが、
miknitsは、白い世界から外へ出ました。
スケートリンクでの撮影は、本作のなかに掲載している、
とあるキーアイテムを編み上げたときの
三國さんからの提案で実現しました。
ロケ地がスケートリンクに決まってから、
スケート遊びのときにこんなのがあったらいいな、
と追加したあったかアイテムもあります。
これがそうかしら? なんて想像しながら
ページをめくっていただければ、
おもしろいかもしれません。
 
もうひとつ、探しものネタです。
ほぼ日さんでのユーストリーム中継で寄せられた
「三國さんの着ているニットみたいなのが編みたい」
というお声を真に受けて、
「みたいなの」を作っていただいています。
よかったら、探してみてください。
 
また、本作に掲載の2点のアランセーターは、
アラン諸島への旅の後に編まれています。
岩だらけの島で、三國さんが感じてきたことが
生かされていることと思います。
 
帰国直後に編まれたクラシカルアランセーターは、
やたら力強く、質実剛健で大真面目。
着てみると、肩から袖にかけて
ぎゅっと掴まれるような心地よさに包まれます。
アランセーターが、漁師が海へ出るときの
目印であるというのはよく知られたことですが、
そのルーツを感じずにはいられません。
 
もう1枚のボートネックアランセーターは
その後に編まれたもので、ライトでモダンな1枚。
ダイヤ柄を描きながら
じりじりと頂点まで目を減らしていく過程が、
編み図を見ているだけでも高揚します。
ああ、早く編みたい!
 
そして、毎回、頭を悩ませているプロセス解説ページは、
テクスチャーのおもしろい作品がたくさんあったので、
6つのステッチをピックアップしました。
記号だけではわかりづらい、
でも、とびきり魅力的なステッチが、
作品のところどころに使われています。
それらの作品は、ステッチを存分に生かした、
直線的でシンプルな形のものが中心です。
つまり、そのステッチさえ攻略すれば、
あとは繰り返すだけ、とも言えるわけで、
ビギナーさんにもトライしやすいのではないでしょうか。
 
三國さんは、ハンドニットを手にして
その編み目をじーっと見ていると、
編んだ人と会話ができる、と言います。
時代や地域はもちろん、色やシルエットの好みや、
几帳面だとか面倒くさがりだとか
ロマンチストだとかのパーソナリティまで、
ハンドニットが教えてくれる情報は膨大で、
それに思いを馳せるとおもしろいよ、
ということなのだと思います。
 
『冬の日の編みもの』の三國さんの編むニットも、
また赤裸々です。
ふるさとの景色や、子どもの頃に親しんでいた遊びなど、
本作でもニットを通して三國さんの人となりを
覗き見するようで、
一番のファンを自負する私はとてもわくわくしました。
みなさんも、この本で
すてきな編みものの時間を過ごしていただければ幸いです。
         
         「株式会社リトルバード」
・三角紗綾子


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