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ほぼ日手帳

糸井重里

・連休中というのは、「次なんだっけ?」というような
 スケジュールにしたがって動いているような時間がない。
 それは、とてもいいことなのだ。
 そういう名付けようのない時間を、
 なんとなく過ごしていることこそが、とても大事なのだ。
 しかし、それは同時に
 「考えたくないことについても、つい集中しやすい」
 ということでもある。
 いまは、友人とお別れしたあとなので、
 なにかとそのことについて考えやすくなっている。
 よく言うことだけれど、近い人の死は、
 悲しいよりもさみしいというかたちであらわれやすい。
 日々の仕事に追われていたら、余裕がなくなるおかげで、
 さみしいとか言ってる暇もないのがかえって助かるのだ。
 しかし、連休のせいになんかできないけれど、
 時間に余裕があるので、ついあんまり元気じゃなくなる。
 そういう意味からすると、
 渋谷パルコでやってる「歌謡喫茶」はありがたい。
 そこに行けば、歌謡曲の時間が流れているのだから、
 その時間にやれることをやっていればいい、
 ぼやっとして見えても暇ではないのである。
 5月4日は、ぼく自身がトークする番なので、
 観客席でたのしんでいられないが、たのしむことにする。
 高齢者のぼくにさえも古い曲なんかも流すから、
 客席の方々は覚悟しておいたほうがいいかもしれない。
 ほんとは大瀧詠一さんがいたら、
 話し相手として最高だったんだろうなぁとも思う。
 これまた、あっちに逝っちゃってる人なんだよなぁ。

 唐突に言うんだけど、「信じる」ってことばは、
 いまはどこでどう使われているんだろうな。
 「それはおまえが信じているだけだろう」とか、
 根拠に基づかない感情みたいに扱われているのかな。
 ほれ、いわゆるエビデンスとかデータとか関係ないし。
 現代って、人間文化のうちの宗教(信じる)の部分を、
 そうとう隅に追いやってきたしなぁ。
 「信じる」という古臭いことばを、考え直してみたい。
 ちょっと大きすぎて、書きはじめにくいんだけどね。

今日も、「ほぼ日」に来てくれてありがとうございます。
日本中の小人が閑居してるから、なかなか大変な時期かもね。

昨日のコラムを読み逃した方はこちら。

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