Hobo Nikkan Itoi Shinbun.

ほぼ日ブックスフェア2017 3冊買うと、酒井駒子さんのマグカップとコースターがついてきます。

『LIFE 副菜2 
もうひと皿!』
P92-93
シェフ

最初に『LIFE』の単行本をつくったとき、
飯島奈美さんの「おむすび」をレシピ化しました。
初版の帯の写真も「おむすび」で、
担当編集者として「やったあ!」という気持ちでした。
なぜならおむすびの作り方を写真つきの15工程で説明し、
表紙までおむすびの料理本なんて、なかったからです。
(これからも、ないと思います。)
飯島奈美さんのすごいところは、こういった
「誰もが作るようなものを、うんとおいしくつくり、
しかも、その作り方が説明できる」こと。
副菜シリーズもまさしくそんな本で、
いままでの『LIFE』シリーズにくらべて、
さらにつくりかたが簡単で、
時間もかからないレシピを掲載しています。
今回の『2』には「おかゆ」を載せました。
おかゆです。ただのおかゆ。
材料は米と水、そして「おかか梅」のための
梅肉・おかか・しょうゆ。以上です。
なんでもない料理です。なんでもないんだけれど、
やっぱり、格別においしくできる。
「そっかあ?」と思うかたは、
ぜひ、つくってみてください。
じつはこのおかゆ、飯島さんが「薬膳」の学校で
学んだことをヒントにしたレシピ。
作り方に、ほんのちょっとの工夫が入っています。
風邪をひいて寝込んでるともだちに
つくってあげてもいいと思います。
泣いちゃうかもしれない。

抱きしめられたい。
P254-255
永田

『抱きしめられたい。』は、
糸井重里の1年分のすべての原稿から、
心に残ることばを集めてつくる
「小さいことばシリーズ」の最新作です。
シリーズの主役はもちろん糸井重里のことば。
それから、糸井が撮った写真も
たくさん掲載しています。

糸井重里の本ですから、
糸井重里のことばと写真が
掲載されているのは当然なんですけど、
じつはこのシリーズ、糸井だけでなく、
糸井と縁のあるたくさんの方がゲストとして
あちこちに作品やことばを
添えてくださっているのです。

『抱きしめられたい。』にも
南伸坊さんや和田ラヂヲさんなど、
たくさんの方が参加してくださっているのですが、
とりわけぼくがお気に入りなのが、
福田利之さんが絵を描いてくださった見開きです。
「遊ぶこども」について書かれた糸井のことばに
福田さんがすばらしい絵を
描き下ろしてくださいました。
プリグラフィックスの清水肇さんの
レイアウトもお見事です。

「小さいことばシリーズ」の本を紹介するとき、
こういったゲストの方の作品は、
読んでいる人がページをめくっているときの
ちょっとしたうれしい驚きとして
機能するといいなと思っているので、
じつは販売ページなどでは、
ほとんどお知らせしていません。
こういう機会に「お気に入りのひと見開き」として
お伝えすることができてよかったです。

『小ネタの恩返し。
おやつ、そしてスイーツ編』
P279、P280
おっくん

みなさんは「今日の小ネタ劇場」をご存知でしょうか。
パソコン版でも、スマホ版でも、
「ほぼ日」のトップページの下のほうに、
毎日3ネタ並んでいる、人気の読者投稿コーナーです。
もう10年以上、毎日やすまず更新されていて、
基本的にアーカイブを残していません。
この本は、そんなご長寿コーナー約10年分の
膨大なアーカイブから厳選した傑作選。
10年分ですから、とうてい1冊には収まりきらず、
400ページの本が4冊もできてしまいました。
基本的には、たのしく、平和で、
ちょっと間抜けで可愛らしい、そんな投稿が満載です。
なので、おすすめのページをと言われましても‥‥、
「どこから読んでもオーケーで、
どこから読んでもおもしろいです」と書こうとして、

ハッと「あの投稿」のことを思い出しました。
掲載されたとき、しずかな話題となった投稿です。
笑うつもりでクリックしたら泣いてしまった‥‥
そんな感想が多く届いた投稿です。
ごくまれに、こういう投稿が混じるんです。
それが「今日の小ネタ劇場」という、
読者がつくるコーナーのおもしろさ、奥深さなんです。
けっして「今日の小ネタ劇場」を代表するような
投稿ではないけれど、
じつに「今日の小ネタ劇場」らしい、
「今日の小ネタ劇場」にしか届かない投稿だなあと
思っています。
和田ラヂヲ先生の挿絵にも、心があたたかくなります。

『さよならペンギン』
P15-16
モギ

ココナッツの柄の海水パンツを
買いに行くためにでかけたペンギンは
飛行機にのったり、パラシュートで降下したり、
大ダコに襲われたり、
ジャングルで象のハナをふみつけて
ふっとばされたりしますが、
ガラガラヘビにも出会うのです。

砂漠と赤い空と緑のサボテン。
なぜ空が赤いのかはよくわからないけど、
色のコントラストが強烈で、
なんだかジリジリ灼けつく太陽の温度が伝わってくるよう。
ペンギン、大丈夫かな。脱水症状にならないかな。
さむい国から来てるのに。

案外リアルでおっかないガラガラヘビに
気さくな感じで「じゃ!」と手をあげるペンギンは、
なんか気楽でおしゃれで都会的で、
きっとこの本が最初に出版された1976年の湯村輝彦さんは
こんな感じだったのかなーと想像しています。
トラに襲われたりもするけれど、結局はペンギンと一緒にいたら、
なんだかたのしそう、いつも世界はキラキラだ!

最後に猛烈な蛇足ですが、
わたしはこの絵本の見返し(表紙をめくったところにある紙)の
すっとぼけたペンギンがざーっとならんでいる柄がとても好きです。
こういう柄のシャツがあればいいのに。
こういう柄のポーチがほしいなあ。