2008-12-26

1月4日、吉本隆明さんの
ドキュメンタリー番組が放映されます。

紀新年の1月4日(日)夜10時から放映される
吉本隆明さんのドキュメンタリーの
番組制作発表が行われました。

番組の内容は、先日もお伝えしましたとおり、
7月19日に人見記念講堂で行われた
「芸術言語論 ─沈黙から芸術まで─」を
中心に構成されています。

「戦後の日本の言論をになってきた
 吉本隆明さんという人が、
 2000人の聴衆を前に、あの一瞬にかけようとした
 姿を残しておくべきだ」
と、担当プロデューサーの塩田さんが
会見で語られたとおりに、
講演の雰囲気が、できるだけ
感じられるような内容になっています。



NHK担当ディレクター山口さん
「今年の春あたりから、糸井さんにくっついて
 カメラを回させていただきました。
 話をおうかがいしているうちに、
 これは記録しておかなくてはいけない、
 公共放送の役目だと思って撮るようになりました。
 番組は、講演が中心となっています。
 吉本隆明さんが半世紀かけて考えてきたことを
 2千人を前に、全身全霊をかたむけて語られた姿を、
 こうやって電波で
 多くの人に届けられることがうれしいです。
 また、あの歴史的な講演をあとに残せるという
 歓びもあります」



糸井重里
「いまの時代に、必要なのは、
 やっぱり吉本さんだと思っています。
 ぼくが、若い人に相談されたときに言う、
 相手が喜ぶような答えって、たいがい
 吉本さんのパクリなんですよ(笑)。
 そのくらい、みんなが必要としている人です。
 こうやって、番組ができあがろうとしていますが、
 吉本さんは、もしかしたら
 “俺は出たつもりはない”と思っている
 可能性があります。
 なぜなら、カメラを回すときに
 吉本さんがテレビ用に何かする、というよりも
 密林のゴリラを撮るように、ただ、その姿を
 撮らせてください、とお願いしたからです。
 番組のなかで、吉本さんが、動いて、しゃべっています。
 吉本さんが語っていることと、それ以上の何かが
 見ている人に伝わるのではないかと思っています」

これまで、テレビには本格的には
出演をしたことがない吉本さんのドキュメンタリーです。
どうぞお見逃しのないよう、チェックしてくださいね。

ETV特集
吉本隆明 語る
〜沈黙から芸術まで〜
放送日時 2009年1月4日(日)
22:00〜23:29
放送 NHK教育
2008-12-24

吉本さんの本は、本当は、
女の人に読んでもらいたいんです

紀伊國屋書店の大薮さんに、
吉本隆明さんの著書のなかから
『吉本隆明の声と言葉。』といっしょに
おすすめしたい本についてお伺いしています。

ほぼ日 このまま話はじめると
延々と話が続きそうですね。
「文庫で全集が揃うのは
 夏目漱石と宮沢賢治くらいだ」
とおっしゃってましたが、
次は宮沢賢治ですか。
大藪 ええ。もちろんそうです。
『五十度の講演』の特典として
吉本さんのサイン色紙がついてきますが、
「ほんとうの考えと嘘の考えを
 分けることができれば
 その実験の方法さえ決まれば〜宮沢賢治より」
と書いてありますよね。
ほぼ日 そのことについてはここでも読めます。
大藪 これは『銀河鉄道の夜』の初稿にしか
書かれてないものなんです。
通常、我々が読める『銀河鉄道の夜』は
何度か書き直された決定稿には、
たぶんこの言葉は無かったと思います。
ちくま文庫の宮沢賢治全集には
この初稿から3稿まで収録してあるんです。
ほぼ日 宮沢賢治を買うなら、
ちくま文庫の全集がおすすめ、
というわけですね。
大藪 そういうことです。
宮沢賢治に関して吉本さんが書かれたものからは
色紙に書かれていた文章がタイトルとなった
春秋社の『ほんとうの考え・うその考え』と

ちくま学芸文庫の『宮沢賢治』
この2冊をおすすめしたいと思います。

どちらももっと早くに読んでおけば良かったと
思っている本です。

『ほんとうの考え・うその考え』は
「宮沢賢治における宗教と文学」
「シモーヌ・ヴェイユの現在」、
「苦難を超えるー『ヨブ記』をめぐって」
という3つの講演を元にしたものです。
話言葉で構成されているから読みやすいです。
『宮沢賢治』は、私の夏目漱石のように
全集を片手に宮沢賢治を追体験したい人に
特にお薦めいたします。
「吉本さん、宮沢賢治がホント好きなんだ」
というのがよくわかりますよ。
これは初版が1989年、文庫化が1996年で、
結構新しい作品です。
ほぼ日 大藪さん、もう、時間が来たようですので、
今日はこれくらい、ということにしましょうか。
大藪 ああっ!
最後にあと3冊だけおすすめさせてください。
ちょうどほぼ日の「日本の子ども」
を読んでいて
考えていた本があるので。
ほぼ日 それではあと3冊お願いします!
大藪 ありがとうございます!
吉本さんの読者というと圧倒的に男性、
しかも年配の方が多いのですが
夏に行われた「芸術言語論」の会場に
たくさんの若い女性の姿がいたことに
私は書店員としてびっくりしたんです。
そこから考えを改めまして、
弊社の女性スタッフにも話を聞いて
考えた3冊です。
まずは三木成夫さんの
『内臓のはたらきと子どものこころ』
(築地書館)。
ほぼ日 吉本さんの講演の中でも
三木成夫さんの話はたくさん出てきますね。
大藪 ええ。吉本さんが繰り返し名前を出す人は
知っておいていい人だと思うんです。
吉本さんが病理や心理を考える上で
ベースになっているのは
三木成夫さんの考えらしいと僕はとらえています。
この方は解剖学者ですが、
東京芸術大学の教授で、
亡くなってから思想家として評価が高まりました。
有名なのは内臓の話で
「内臓がむかむかする、おなかがへる
 これが感情、言葉に
 どうやってつながっていくのか」
とイメージを広げていくんです。
実際に子育てで悩んでいる方でも
自分自身にもどこに原因があるんだろうと、
考えることのできる、
実用としても使える本です。
ほぼ日 実用といえば、
糸井がこの本を子どもがいるスタッフに
配ったことがあります。
大藪 これは弊社の女性スタッフも
「吉本さんでフェアをやるなら
 三木成夫さんは外せない」
と、真っ先に候補にあがった本なんですよ。
大藪 三木成夫さんは
『胎児の世界』という著書も有名ですが
「内臓のはたらきと子どものこころ」は
幼稚園での講演会が元になっています。
話言葉で構成されているから
とても読みやすい。
今回はこちらをおすすめいたします。

次におすすめする本は、吉本隆明さんの
『家族のゆくえ』(光文社)という本です。

これも子育てのテーマと重なります。
今は凶悪な事件がたくさん起こってるし、
「こんな時代に子どもをどうやって育てるのか」
と、不安に思っている方は多いと思うんです。
そんな方に
「あれこれ考えてたけど、それでいいんだ」と
勇気を与えるような1冊だと思います。
中身についてあれこれ言うよりも
小見出しを見てピンと来たら
ぜひ、手にとってもらいたい本です。
ほぼ日 小見出しを、ざっとあげてみましょうか。
「家庭の幸福は諸悪のもと」
「日本的育児の大切さ」
「性格形成の大部分は幼児期までに終わる」
「胎児・早期教育は大きな間違い」
「良い幼稚園の条件」
「子育ての勘どころは二カ所しかない」
「父のゲンコツ・母のコツン」
「いちばんいい遊ばせ方」
「『怖い父親』が登場してももう遅い」
「性教育などしないこと」
「老齢は衰退を意味しない」
「女性はほんとうに解放されたか」。
大藪 実際に子育て真っ最中の方にとっては
この小見出しに対して
吉本さんがどういう考えをお持ちか
気になりますよね。
近年の吉本さんの本は
インタビューや講演を
まとめたものが多いですが
この『家族のゆくえ』は書き下ろしです。
表紙をめくると直筆の原稿が掲載されていますが
その字をみて驚きました。
明らかに吉本さんはあまり目が見えない状態で
この本を書き上げたことがわかるのです。
書き進めていくには
かなり時間も要したことでしょう。
内容ももちろんですが
そういう意味でも読み応えのある一冊です。
ほぼ日 さあ、最後の一冊はどれでしょう。
大藪 本当はもっとたくさんの本を
紹介したいんですけど、
本日、最後におすすめするのは
『ひきこもれ』(だいわ文庫)です。
ほぼ日 この本はうちの「吉本隆明プロジェクト」
女性スタッフ間でも
「とにかく読みやすい」と人気のある本です。
大藪 特に『ひきこもれ』と
糸井さんが聞き手をされた『悪人正機』は
吉本さんの著作の中でも
圧倒的に読みやすい作品です。
ほぼ日 どちらも文庫化されてますね。
大藪 ええ。
『吉本隆明の声と言葉。』をお持ちでない方が
いらっしゃったら、まずは
『悪人正機』と『ひきこもれ』
この2冊からどうですか? と
おすすめしたいくらいです。
『悪人正機』は「ほぼ日」読者の方なら
ご存知でしょうから
今日はあえてこの本をおすすめします。
ほぼ日 結果的に2冊おすすめしたことに
なりましたが(笑)。
大藪 そうなってしまいましたね。
最後に『ひきこもれ』をおすすめするには
それなりの理由もあるのです。
というのも
「そもそも、吉本さんってどういう人?」
と、なると大半の方は
「戦後最大の思想家」
「吉本ばななさんのお父さん」
ということくらいしか
思い浮かばないと思うのです。
ほぼ日 確かに私もこのプロジェクトが始まる前は
本も読んだことが無かったですし
それくらいしか知りませんでした。
大藪 そういう方に「吉本さんってこういう人なんだよ」
というプロフィールも含めた紹介をするには、
吉本さんの生い立ちに触れている
『ひきこもれ』は最適な本だと思います。

「ひきこもり」じゃなくて「ひきこもれ」。
タイトルからひきつけられますよね。
『内臓のはたらきと子どものこころ』
『家族のゆくえ』とならんで
教育や子育てに感心のある方には
特におすすめです。
ほぼ日 ちなみに大藪さんは
お子さんがいらっしゃるんですか?
大藪 残念ながら私、まだ独身です。
気は早いですが、
子どもが出来たときに備えて
これらの本を読んでます。
ほぼ日 吉本さんの本の中に『超恋愛論』
というのがありますから、
まずはそっちが先のほうが‥‥
大藪 あっ、そっかあ。
子どもよりも先に奥さんのことを考えなくちゃ。
『超恋愛論』こっちが先かあ!!
早速、読んでみます。


大薮さんへのインタビューは、これでおしまいです。
紀伊國屋書店でのフェアを
ぜひ覗きに行ってくださいね。

2008-12-23

与謝野晶子訳の源氏物語は本当に読みやすい!

「キノベス2008」に
CD BOOK『吉本隆明の声と言葉。』が
選ばれたことについて、
ひきつづき、紀伊國屋書店の大薮宏一さんに
お話を伺います。
大薮さんが、『吉本隆明の声と言葉。』を買う方に
ぜひおすすめしたい本がある、
ということなんですが‥‥

ほぼ日 大藪さんが構想中の「吉本隆明フェア」というか
「大藪セレクション」は
どんなものなのでしょうか?
大藪 これまでも、吉本さんの著作を集めたフェアを
やったことはあるんですが、今回は、
『吉本隆明の声と言葉。』や
『五十度の講演』をきっかけに
吉本さんにはじめて触れた方に向けて、
考えたいんです。
ほぼ日 『吉本隆明 自著を語る』という本も
そういう本なのですか?
大藪 ええ。
『共同幻想論』や『言語にとって美とはなにか』
といった初期の作品に興味をもった方に、
特におすすめです。
この本は音楽系の出版で有名な
ロッキング・オンから出版されたもの。
渋谷陽一さんが一読者として聞き手となり
吉本さんに代表作を解説してもらうという内容です。
作品そのものの解説だけでなく、
吉本さんがその作品を書いた時代背景や
執筆の動機となったエピソード
といった内容で構成されているんですが
これが読みやすい上にすごくわかりやすいのですよ。
現代版のあとがきだと思って読んでみるといいです。
もっと前にこの本があれば、
私も『共同幻想論』で
挫折することは無かったはず(笑)。
ほぼ日 これから吉本さんの初期作品を
読むにあたってのカタログにもなるんですね。
大藪 ええ。まさしくそうです。
『五十度の講演』の副読本としてもおすすめです。
「喩としての聖書」という講演がありますが
その講演を聴く前に
この本にある『マチウ書試論』のページを
読んでおくといいんだよなあ!

この『吉本隆明 自著を語る』のあとがきで
渋谷さんは
「吉本隆明が居なければ自分で
 雑誌を創刊しなかっただろうし、
 今のように出版社を
 経営することもなかっただろう。」
書かれているくらい
吉本さんに影響を受けたそうなんです。
このインタビューの続きは
雑誌「SIGHT」で展開中ですから
興味をもたれた方はそちらもおすすめですね。
ほぼ日 「喩としての聖書」は「ほぼ日」でも
配信したことのある講演ですから
これから読むにはいいですね。
大薮さん、次に手に持たれている本がありますが、
それは文庫ですか?
大藪 ええ。2008年は、あの『源氏物語』が
書かれて1千年目にあたる年なんです。
紀伊國屋書店でも
源氏物語フェアを開催中なのですが、
フェアをするにあたって
「あっ、まてよ。源氏物語といえば、
 『吉本隆明の声と言葉。』にあったな」と。
ほぼ日 ああ!
「源氏物語は与謝野晶子訳がいい」
というくだりですね。
大藪 そうです。
『全訳 源氏物語 新装版』(角川文庫)がそれです。

『吉本隆明の声と言葉。』では谷崎潤一郎さんや
円地文子さんの訳との比較がでてきますし、
瀬戸内寂聴さんや田辺聖子さんなど
源氏物語はいろんな人に訳されてますが
誰の訳を読めばいいかということは
吉本さんしか言ってないと思うんです。
「訳が正確だというわけではなく
 生活の中の教養として身についているからいいんだ。
 与謝野晶子さんはリズムとして
 源氏物語をつかんでいる」
ということをおっしゃってる。
それで、ほんとかな? と読んでみたら…。
ほぼ日 どうだったんですか?
大藪 これがびっくり!
「源氏物語=長い」というイメージがありますが
これはホントに読みやすいんですよ。
与謝野晶子訳は全5巻。
現代語訳としても短い部類です。
瀬戸内寂聴さんの訳だと全10巻ですから。
ほぼ日 マンガの『あさきゆめみし』よりは
少ないかもしれないけど‥‥。
大藪 そうなんですよ。
翻訳というのは、原典に忠実であろうとするために
言葉が不自然になったり、増えたり、
あるいは注釈が多くなったりするものなんです。
しかし、これは逐語訳ではなく、
与謝野さんでないとできない翻訳なんですね。
「そこで言ってることはこういうことでしょう」
と、与謝野さんの解釈がずばっとはいってるんですよ。
最近でも村上春樹さんが
カポーティを訳したりしてますが
それも今までの訳とはまた違った魅力がありますよね。
この源氏物語も同じように
与謝野さんでしか出せない魅力があるんです。
ほぼ日 ページをめくってみても
古典を読んでる感じがしませんね。
大藪 そこなんです。
吉本さんがすすめるんだから
古めかしいというか美文調なのかと思いきや
これがむちゃくちゃ読みやすいんですよ。
全然、文語調じゃないんですよ。
現代語訳なんです。
古典だとやれ敬語だの主語がどこだの
いろいろ悩んでいたのが
嘘のように読めちゃうんですよ。
源氏物語を現代語訳されたのは
与謝野さんが初めてだと思いますが、
「いちばん古い現代語訳がこんなに読みやすいんだ」
ということが驚きです。
ほぼ日 もしかして大藪さん、
『共同幻想論』に続いて『源氏物語』も
挫折組ですか‥‥?
大藪 正直に告白すると。
谷崎潤一郎さんの訳で挫折して
『あさきゆめみし』で源氏物語は終わらせてました。
『全訳 源氏物語 新装版』は
今年、文庫で新装版が出たばかりですので、
おすすめです!
夏目漱石より読みやすいかも‥‥。
ほぼ日 その夏目漱石は、「大藪さんの吉本セレクション」
には入っているんですか?
大藪 もちろんです!
今、私は『五十度の講演』の全てのレビューを
紀伊國屋書店のサイトで書いていることもあって
『五十度の講演』を聞き倒しているところなんですが
中でも、漱石ついてお話している
講演って多いじゃないですか。
ほぼ日 『吉本隆明の声と言葉。』に3つ。
『五十度の講演』では5つでてきますね。
大藪 吉本さんは夏目漱石の作品は
特に丁寧に取り上げられてます。
代表作のひとつ『吾輩は猫である』についても
「作品の中身はそれほど面白いものじゃない」
と、言いきっていることにびっくりですし、
一方で『虞美人草』を
すごくおすすめされています。
でも、おすすめしておきながらも
「『虞美人草』は難解だ。
 新聞小説だったけど
 今のぼくらの教養では読めない」。
難しいし、美文調なんだけど
ここが文学の面白いところなんだぜ、
とおっしゃっているんです。
ほぼ日 大藪さん、口調まで吉本さんの影響を受けてますね。
大藪 そうかもしれないですね。
吉本さんの漱石の読み方を追体験したくて
いま、漱石の全集文庫版を読み返しているんですよ。
毎晩、講演CDと漱石全集を行ったり来たり。
そうやって朝を迎えるのが日課となってしまいました。
ほぼ日 それはヘビーなつきあい方ですね‥‥。
大藪 (笑)、私はちょっと過剰かもしれませんが、
もう少し手軽に吉本さんの読み方を追体験しながら
夏目漱石を味わうことができます。
そこでおすすめなのが
筑摩書房から出ている
『夏目漱石を読む』という本です。
ほぼ日 これは『五十度の講演』に収録されている
夏目漱石の4つの講演が元になっている本ですね。
大藪 そうですね。
吉本さんもあとがきで
「できるだけ読者に分かり易く、
 読み易くするために整えた」と書かれてますが
これは本当にわかりやすいです。
同じ筑摩書房から、
夏目漱石の全集が出ていますから
あわせておすすめですね。
年末年始はじっくり漱石を読んでみるのも
いいんじゃないですようか。
これは案外、知られてないんですが
今、文庫で全集がそろう作家って
夏目漱石と宮沢賢治くらいなんですよ。

(つづきます)
2008-12-22

『吉本隆明の声と言葉。』が
「キノベス2008」16位に輝きました!


このたび、CDBOOK『吉本隆明の声と言葉。』が、
「キノベス2008」16位にランクインしたという
お知らせがとどきました。
「キノベス」とは、新刊を対象に、
紀伊國屋書店の全スタッフの方が
「これぞと思う一冊」を投票し、選考を経て
毎年末選ばれる30冊のこと。
本好きの紀伊國屋書店のスタッフの方が
“自分で読んでみて面白いと思った本30冊”
であるだけに、
注目の集まるラインナップなんです。

そこで、紀伊國屋書店新宿本店スタッフの
大籔宏一さんに
「キノベス」に選ばれたことの
意味や理由について、
また、大藪さんならではの
吉本さんの本のセレクションについて、
お話を伺ってみることにしました。
今日から3回に分けて、連載します。

ほぼ日 大藪さん、『吉本隆明の声と言葉。』が
選ばれたって、本当ですか。
大藪さん そうなんです! おめでとうございます。
年末年始は全国61店舗の紀伊國屋書店で、
売り場のいちばんいい場所で
「キノベス」フェアをおこないますから、
『吉本隆明の声と言葉。』にも、また
注目が集まると思いますよ。
今年の「キノベス2008」
ラインナップを見てみてください。
こちらでごらんください)
ほぼ日 本当だ、16位だ‥‥!
ひとつ上が伊坂幸太郎さんの
『ゴールデンスランパー』なんですね。
東野圭吾さんの『流星の絆』が11位。
「キノベス」は、「30選」ではなくて
ランキング形式となってますが
どういうポイント集計になってるんですか?
ベストセラーランキングとは違うみたいですが‥‥
大藪 ベストセラーランキングは、
1位は『夢をかなえるゾウ』
2位は『ホームレス中学生』
3位は『女性の品格』
ですが、それらは「キノベス」ではランク外です。
「キノベス」1位は、
飯嶋和一さんの『出星前夜』です。
ほぼ日 5位に立川談春さんの
『赤めだか』が入ってますね。
(これは、糸井重里も「今日のダーリン」で
 おすすめしてました)
紀伊國屋ホールやサザンシアターで
多くの落語会を開いている
紀伊國屋書店ならではという感じがします。
大藪 「キノベス」は今回で4回目になるんですが
スタッフの得票数だけを
カウントするものじゃないんです。

まず、紀伊國屋書店のスタッフであれば
社長であろうが、バイトであろうが全員で、
ひとり3冊まで推薦することができます。
推薦できる本の条件は、
●自分が読んだ本であること。
●「ここが面白かった」とか
 「ここがおすすめです」という推薦文を書くこと。

つまり、その本への「思い入れ」がないと
応募できないという仕組みになってます。
ほぼ日 まずはひとり3冊、
推薦文を添えて応募するんですね。
大藪 そうです。ですから、
「キノベス」は売り上げランキングではなくて
紀伊國屋書店スタッフによる
「この本をお薦めしたい!」という
“思い入れ”ランキングなんですよ。
得票数もアドバンテージのひとつになりますが
重要視されるのが、推薦文です。
ほぼ日 で、その推薦文というのは
どうやってポイントに置き換えるんですか?
大藪 全国の紀伊國屋書店から集まった推薦文を
社内でも一目を置かれる「本好き」で構成された
10数人の選考委員が採点します。
ほぼ日 入社面接で「趣味は読書というのはやめてね」と
いわれる紀伊國屋書店ですから
選考委員は強者なんでしょう?
大藪さんにしてもすごい読書量でしょうし。
大藪 もう、選考委員の彼らは別格です(笑)。
私個人に限っていうと、
普段からたくさんの本に触れてますが、
みなさんが思っているほどは読めてません。
私が働く新宿本店では一日に
少なくとも40点、
多い時は100点の新刊が入ります。
全ての本に目を通すことは
物理的に不可能なんですよ。
新しく届いた本を棚に並べるだけで精一杯です。
本好きが集まる職場とはいえ、
次から次に新しい本が入ってくるなかで、
きっちり読み込んだ本の中でも
“思い入れをこめて売る本”というのは
現場感覚だとひとり月3冊がいいところなんです。
ほぼ日 そういうものなんですね。
毎日多くの本に触れている方々だけに、
まずは“推薦される”というハードルが、
すでに高いんですね。
大藪 しかも、集まった推薦文は
選考委員の元には匿名で届きます。
「社長がこの本押してるし、これにしとくか」
みたいなことはなく‥‥。
ほぼ日 推薦文のガチンコ?
大藪 ええ。社長もバイトも平等な一票です。
選考委員が推薦文を読んで
「これは読んでみたい」
「これはお客さんにもお薦めしたい」
と思わせるものが選ばれていきます。
推薦文は後にPOPとして店頭で展開されます。
『吉本隆明の声と言葉。』では
福岡本店の金子治子さんの推薦文が
採用されました。
これが、その文です。

吉本さんの頭の中を、チラッと覗かせて頂く。
そこに広がるのは思考の宇宙!
なんだかどきどきわくわくしてきます。
理解する、理解できないなんていうことよりも、
まずは吉本さんの言葉で
『体験する』ことにこそ意義がある。
あなたもきっと脳みそを使いたくなる、
考えたくなるはず!
(そして5万円の『吉本隆明五十度の講演』が
 欲しくなるはず…)
【金子治子・福岡本店第1課】
ほぼ日 『吉本隆明の声と言葉。』を推薦してくださった
金子さんは、女性なんですね!
吉本さんファンといえば、男性が思い浮かぶので、
これは意外です。
大藪 推薦者もそうですが、
この『吉本隆明の声と言葉。』は
これまでの吉本さんの客層と違って
女性のお客さまからの問い合わせが
非常に多いんです。

先日もこんなことがありました。
20代の女性のお客さまから
「『共同幻想論』はどこにありますか?」
と、お問い合わせをうけたんです。
マーケティング的にも気になったので
「どうして、この本をお求めになるのですか?」
と、聞いてみたんですよ。
そうしたら、
「『吉本隆明の声と言葉。』が
 すごくわかりやすかったから
 他の本も読んでみようと思ったけど、
 何を買っていいのかわからなかったので
 代表作のひとつである『共同幻想論』を」
ということだったんです。
ほぼ日 うわ、うれしいです。
わざわざお問い合わせをされるくらいですから、
吉本さんの本が置いてあるフロアには
ふだん足を向けないお客さんだったのでしょう。
大藪 ええ。私も長年、書店員をやってますから
お客さんを見ればすぐにわかります。
『吉本隆明の声と言葉。』は
吉本さんの講演のCDと
糸井さんとの対談で構成されてます。
つまり、話し言葉だからとてもわかりやすい。
ですけど、『共同幻想論』というのは、
難しい本です。
私も「吉本隆明」はこの本で挫折しました(笑)。
重厚な作品に触れてみたい
という気持ちもよくわかりますが
その両者をつなぐ
ちょうどいい作品を思いついたので、
その方におすすめしたところ、
一緒にご購入していただきました。
ほぼ日 そんな本があるんですか?
大藪 ええ。『吉本隆明 自著を語る』という本です。

『吉本隆明の声と言葉。』をきっかけに
吉本さんの古典を読みたいというかたに
おすすめしたい本がたくさんあるんですよ。
まだ頭の中で構想中なんですが
近いうちにフェアとして展開してみたい内容です。
ほぼ日 大藪さんの「吉本隆明フェア」は、
吉本さんの著書の入口に
すごく参考になりそうですね。
もう少し、詳しく教えてください。

(つづきます)
2008-11-27

「芸術言語論 その2」
上映会中止のお知らせ


11月30日ならびに12月7日に予定しておりました
「芸術言語論 その2」インターネット上映会を
中止することにいたしました。

上映会の申し込み受け付けを開始している状況で、
たくさんの方々から
楽しみにしていただいている最中、
このようなお知らせを
しなくてはいけなくなりましたこと、
本当に申しわけございません。
みなさまに、深くおわび申し上げます。

上映会を中止した経緯について
慎んでご説明申し上げます。

「芸術言語論 その2」は、
会場にお越しいただきましたみなさまから
好評をいただいたイベントだったのですが、
吉本隆明さんのご自宅から
テレビカメラを通して離れた会場にいる聴衆に
語りかけるという形式が
あの講演には不向きであったということが、
イベント開催後、吉本さんのご感想としてあがりました。

そして、改めて
先週末と一昨日、吉本さんと話し合った結果、
講演内容をもういちど映像として
配信することはやめよう、という結論に至りました。

講演会の後、
吉本さんがご感想をお聞かせくださった時点で
改めて上映会について
話し合いを行っていれば
お申し込みのみなさまにお手数をおかけすることも
無かったと思います。

上映会を楽しみにお待ちくださったみなさま、
私どもの考えが至らなかった結果
ご期待を裏切ることになってしまいましたこと
心よりおわび申し上げます。

そして、7月に人見記念講堂で行われた
講演会「芸術言語論」の際にお約束した”続き”を
今回のインターネット上映会というかたちで
待っていてくださったみなさまには
お約束を果たすことができず、
本当に申しわけない気持ちでいっぱいです。

ほぼ日刊イトイ新聞では
この講演についての感想なども含め、
吉本隆明さんのコンテンツを
これからもお届けしていきたいと考えております。
吉本さんとのご相談を重ねつつ、
頂戴したみなさまの声に
しっかり耳を傾けながら
ご期待に添えるコンテンツをご紹介できますよう
このたびの件を深く刻み、真摯に取り組んでまいります。
これからも、どうぞよろしくお願いいたします。

今回の中止について、
ご意見やお気づきになられたことなど
なにかありましたらどのようなことでも
postman@1101.comまで
メールでお聞かせいただければと思います。

改めまして
このたびは申しわけございませんでした。

なお、お申し込みいただいたみなさまには
<【吉本隆明プロジェクト】
 「芸術言語論 その2 自宅から生中継。」
 上映会中止のお知らせ>
という件名のメールを
11月27日(木)午前中にお送りいたしました。
このページとほぼ同内容のメールになっておりますが、
そちらもあらためて、ご確認いただけますと幸いです。
すでに配信は完了しておりますが、
こちらのメールを受信されていないという方も、
このページとほぼ同じ文面のメールですので、
その内容は、このページをごらんになることで
ご確認いただければと思います。

万が一、メールの配信が確認されないなど、
メールの受信に関するお問い合わせは
postman@1101.comまでご連絡くださいませ。

※ご利用になられているメールの設定によっては、
 postman@1101.comからのメールが
 自動的に迷惑メールに振り分けられている可能性も
 ございます。
 お問い合わせの前に、一度メールの設定などを
 ご確認いただけたら幸いです。

2008-11-12

アンケートに
ご協力をおねがいします。


『吉本隆明 五十度の講演』
ほぼ日ストアで発売されてから
今日でちょうど3ヶ月になりました。

この3ヶ月間、
『吉本隆明 五十度の講演』をはじめ、
『吉本隆明の声と言葉。』
イベントや講演会のご感想、
「吉本隆明プロジェクト」への
応援メッセージなど
たくさんのメールをいただきました。
本当に、ありがとうございます。

ひきつづき、
『吉本隆明 五十度の講演』をはじめ
吉本さんの言葉に
より多くの方にふれていただけるよう
みなさんと一緒に考えていきたいと
思っています。

そこで、みなさまにお願いがあります。
「吉本隆明プロジェクト」について
率直なお考え、ご感想をうかがうため
アンケートにご協力いただけないでしょうか。
(『吉本隆明 五十度の講演』
 『吉本隆明の声と言葉。』を
 お持ちでないみなさんも、どうぞお答えください)

期間は、本日11月12日(水)から
12月8日(月)までの約1ヶ月間。
ご協力くださったみなさまのうち、
抽選で100名の方に
ささやかではありますが
感謝のきもちをこめて
粗品(やさしいタオル・ハンド)をプレゼントいたします。

アンケートにかかる時間は
約20分です。
下の「アンケートをはじめる」をクリックすると
アンケートのページが開きます。
一人でも多くのみなさまから
率直なご意見を
おうかがいできればうれしいです。
どうぞ、よろしくおねがいいたします。

(「ほぼ日」趙)

2008-11-05
「芸術言語論 その2」
上映会の予定です。

※上映会は、中止となりました。(11/27追記)

10月27日新宿の紀伊國屋ホールで行った
吉本隆明さんの講演会
「芸術言語論 その2 自宅から生中継。」は、
終了後、みなさまから
あたたかいご感想のメールをいただいたり、また、
ブログでもたくさんご紹介いただきました。
「難しかったけど、ここはわかった。あそこは感動した」
といったメールを、たくさんいただきました。

実は、現場で聞いていました私どもスタッフも、
吉本さんが力を込めておっしゃっていたこと、そして、
あの「感じ」をもういちど
こまかくおさらいしたい、と思っております。
ですから、インターネット上で公開する「上映会」を
自分たちも、とても楽しみにしています。

当日お越しになれなかったみなさまも、ぜひ
この機会にごらんいただければと思います。

上映会は、ブロードバンド用の配信が2回、
ナローバンド用の配信が1回、
全部で3回の公開です。
(定員制お申し込みとなります)
吉本さんの講演はもちろん、糸井との対談を含めて
たっぷり2時間ほどの内容です。
また、上映会の視聴は無料です。

上映時間(予定)  
第1回上映予定 11月30日(日)21:00〜
ブロードバンド 定員500人
第2回上映予定 12月7日(日)9:00〜
ナローバンド 定員1000人
第3回上映予定 12月7日(日)21:00〜
ブロードバンド 定員500人

お申し込みは、
11月18日(火)11:00〜から
このページで受付を開始する予定です。

ブロードバンドとナローバンド、自分はどっち?

今回の上映会のブロードバンドバージョンの視聴には
「下り1Mbps以上」の通信環境が必要です。
光ファイバーなどがそれにあたります。
ADSLやケーブルテレビをご利用の場合は、
環境によって通信速度が変わります。
お使いの環境が、どちらのバージョンの
上映会に向いているか、ご不明な場合は、
こちらのサイトなどで
テストしていただくことができます。
テストの結果、1Mbps以上の数値が出た場合は
ブロードバンドの上映会へお申し込みください。

画質はどんなかんじ?

今回のイベントでは、原丈人さんが開発した
XVDシステムを使って、鮮明な画像で
会場に向けて講演の「生中継」をしましたが、
今回の上映会は、XVDシステムを使っていません。
ハイビジョンカメラで撮影した映像を
Windows Media Playerで再生します。
ふつうの「ストリーミング」と
同じ画質とお考えください。

上映会について、くわしいことが決まり次第、
改めてお知らせいたします。
ひきつづき、こちらのページを
チェックしていただくとありがたいです。

2008-10-27
今日開催する講演会
「芸術言語論 その2」は。


今日19:00から、新宿の紀伊國屋ホールで
吉本隆明さんの講演会
「芸術言語論 その2 自宅から生中継。」
がはじまります。

原丈人さんの「XVD」システムを使い、
ご自宅から生中継される映像を
スクリーンでごらんいただく、という
めずらしいスタイルの講演会となります。

準備のようすなどは、
こちらのページにてリアルタイム中継を
していく予定です。
どうぞときどき、ごらんください。

今回の講演のため、
ものすごいボリュームのレジュメを
吉本さんは完成させました。

回線チェックのリハーサルにも、
吉本さんはすすんで参加なさいました。

回線状況は良好でした。
映像も、ものすごくきれいに、
しかも速く届くようで、
スクリーンを見ていたスタッフが
「まるでガリバーに
 話しかけられているみたいだった」
と、感想を漏らしていました。

紀伊國屋ホールで司会を担当する
共同通信社の細田正和さんとも挨拶をかわし、

吉本さんは、本番にそなえています。

なお、本日会場に
お越しになれないみなさまのために、
このイベントの内容を映像で
人数・時間限定(お申し込み制)で
公開上映いたします。
上映のお申し込み受付は、
11月18日より開始する予定です。
公開日時は、決まり次第お伝えいたします。

では、お越しくださいますみなさん、
どうぞお気をつけていらしてください。
新宿でお会いいたしましょう。
2008-10-21
XVDを開発した
原丈人さんをご紹介します。

10月27日に行われる今回のイベント
「芸術言語論 その2 自宅から生中継」
の実現に欠かせない
最先端の映像技術「XVD」の開発を進めてきたのが、
ベンチャーキャピタリストの原丈人さんです。

今日は、このページで、改めて
原さんをご紹介したいと思います。
(下のほうに画面をスクロールしていただくと、
 原さんが「XVD」について語る動画があります。
 動く原さん、しゃべる原さんを、
 ぜひごらんになってみてください)

きのう、第3部がスタートした連載
「とんでもない、原丈人さん。」
すでにご存知のかたも、多いと思います。

アメリカ共和党の
ビジネス・アドバイザリー・カウンシル評議会名誉共同議長、
国連WAFUNIF代表大使、
日本の財務省参与・税制調査会特別委員、
もと考古学者、
ノーベル生理学・医学賞をとった科学者の弟子、
そして、とんでもない鉄道模型愛好家‥‥と、
いくつもの顔をお持ちの原さん。

そんな原さんが、
世界の最貧国のひとつ・バングラデシュでの
教育・医療改善のプロジェクトに
活用しようとしているのが、
今回の「XVD」という映像技術なのです。
(詳しいことは、こちらからどうぞ)

アフリカの飢餓問題にとりくむ
「スピルリナ計画」。

アメリカ型の「株主資本主義」に変わる
新しい経済のしくみを理論化する
「公益資本主義」プロジェクト。

ことし9月のリーマン・ブラザーズ破綻以降、
一気に加速した世界的な金融危機に際し、
そんな原さんの構想やチャレンジに、
改めて、大きな注目が集まっているようです。

さて、今回の「自宅から生中継」イベントは、
吉本隆明さんのお話を
原さんの「XVD」を通じて体感できるというもの。
ある意味で
「吉本隆明 × 原丈人コラボレーション」企画と
言えるかもしれません。

会場にお越しくださるみなさん、
本番まで、あと少しですね。

どうぞ、おたのしみに!


2008-10-17
五十度の講演、
試聴と質疑応答。


本日より『吉本隆明 五十度の講演』の販売ページを
リニューアルし、
試聴コーナーと感想コーナーを
設けることにしました。



『吉本隆明 五十度の講演』の編集スタッフが
印象深かった講演の一部分を、4つ選んでいます。
こちらのページの「試聴はこちら」の
ボタンを押して、ぜひ
吉本さんの語りをお聞きになってみてください。


では、試聴コーナーの音源について
かんたんにご紹介いたします。

試聴1
「青春としての漱石」より
小説を読んでいて「あーっ!」と思っちゃうもの、
いわゆる「文学の初源性」について
お話されているところです。
失恋のせつなさやあきらめなど、そういう体験に
ぶつかっている人には、
どんなにすばらしい文学作品をもってしても
作品のほうにむかわせる力はない、
でも「だからこそ」というお話、興味深いです。

試聴2
「現在ということ」より
萩本欽一さんが
芸能界の一線から引かれたころの講演です。
「登る」ということが問題になるのと同じように
「降りる」ということは、
そうとうきわどい悩みとなります。
しかし、これはタレントという職業特有の
問題ではない、と吉本さんは言います。
現在の萩本さんの活動を頭において聞くと、
とっても興味深いお話だと思います。

試聴3
「言葉以前の心について」より
子育てについて、吉本さんが話しています。
授乳期の、日本独特の子育て法のなかに
家庭内暴力の根源のひとつが
潜んでいるという内容です。

試聴4
「現在に生きる親鸞」より
吉本さんがどうしてこんなにたくさんの
ことを考えることになったのか、そのきっかけから、
なぜこんなに親鸞に関心があるのか、
という内容が含まれています。

以上4つの講演部分に加えて、
質疑応答部分の音源も、ぜひみなさんに
お聞きいただきたいと思い、
試聴コーナーに加えることにしました。
なにしろ、『吉本隆明 五十度の講演』は、
質疑応答だけでもかなりボリュームがあるのです。
(「講演よりも質疑応答のほうが長い」などというケースも
 当時は、あたりまえだったようです)

音源を聞くとわかるのですが、
吉本さんは、たとえ
講演内容とは関係のない質問でも
真っ正面から受け止めて答えています。
質問者の方が求めている答えの形ではない、
思わぬ方向から
もっと深い部分を掘り起こすように
その質問自体が孕む問題を明らかにしながら
答え、考えていくこともあります。
『吉本隆明 五十度の講演』をお手もとに
お持ちのみなさまも、
質疑応答部分を飛ばしていらっしゃるかもしれませんが、
おすすめです。
ぜひ、お聞きになってみてください。

さて、気がつけばあたらしい講演会
「芸術恵言語論 その2 自宅から生中継」
まであと少しです。
前回もお伝えしましたが、
会場にお越しになれないみなさまに、
時間限定の上映会のようなスタイルで
当日のお話をごらんいただきたいと
思っています。
全部で3回ほどの上映を予定しています。
日時については、あらためて
このページでお知らせいたしますね。
たのしく、いい「生中継」に
したいと張り切っています。
今回のイベントに参加されるみなさま、
10月27日の夜、新宿紀伊國屋ホールまで、
どうぞ気をつけてお越しください。

また、今回、お越しになれないみなさまのために、
時間限定ではありますが、
内容をごらんいただけるようにしたいと思います。
詳細は、このページで後日お知らせいたします。

2008-10-15
吉本家の
回線工事。


10月27日に紀伊國屋ホールで行う
吉本隆明さんのあたらしい講演会
「芸術言語論 その2 自宅から生中継。」のチケットは
先週、完売となりました。

今回のイベントの特徴のひとつは、
なんといっても“生中継”です。
これを実現するための準備のようすを
本日は、お伝えいたします。

↑こちらのスタッフが持っている書類は
中継のための機材の構成図です。
吉本隆明さんのご自宅と紀伊國屋ホールを
結ぶため、今回はXVDという
システムを使います。
カメラやマイクであつめた映像や音声の素材を圧縮し、
既存のインフラで配信するシステムなのですが、
その「既存のインフラ」として
今回使用するのは、やっぱり、
インターネットです。

XVDでデータを圧縮するとはいっても、
一定以上の回線速度
(“上り”と“下り”それぞれ3Mbps)
が、必要となります。
そこで、今回は
紀伊國屋ホール、吉本隆明さんのご自宅とも
光ファイバー回線を引くことになりました。
吉本家の工事のようすを見に行ってみると‥‥

NTTの工事の方が
吉本さんの家の前の電柱に
上っていらっしゃいました。

「ほら、これが
 光ファイバーの芯線(しんせん)ですよ」
と、NTTの方が見せてくださいました。
ほおおおおぉ。

この細い部分に、
たくさんのデータが通っていくわけですね。
(先端の、グレーっぽい部分が
 芯線です。見えづらくてすみません)

引っ張ってきた光ファイバーで
回線状況をチェック。
みんな興味しんしんです。

「ではー」と、NTTの方は
吉本家の窓から去って行きました。
NTTの方、家への出入りは常に
「玄関」でなく、「窓」でした。
現場っていいなあ、と思える瞬間でした。
ありがとうございました。

工事は、なんだかあっという間に
終わりました。
ほら、吉本さんのお名前で、
工事完了の書類も渡されましたし。

実際に、“上り”と“下り”の回線速度を
パソコンを使って測定します。
XVDで映像を送るのに、充分な
回線速度を確保できました。
これで、インターネット回線の準備は
まず万全です。

今回のイベントでは、
紀伊國書店のみなさん、
XVDを提供してくださる
コクヨS&T株式会社と
株式会社デフタ・テクノロジーズのみなさん
当日の映像を撮影してくださる
NHKのスタッフのみなさん、そして、
「ほぼ日」のスタッフが
裏方として力を合わせます。

たのしく、いい「生中継」に
したいと張り切っています。
今回のイベントに参加されるみなさま、
10月27日の夜、新宿紀伊國屋ホールまで、
どうぞ気をつけてお越しください。

また、今回、お越しになれないみなさまのために、
時間限定ではありますが、
内容をごらんいただけるようにしたいと思います。
詳細は、このページで後日お知らせいたします。

2008-09-30
イベント準備、
はじめています。


来たる10月27日(月)に行われる
吉本隆明さんの新しい講演会の準備が
すすんでいます。

今回のイベントでは、原丈人さんの
「XVD」というシステムを使って
吉本隆明さんのご自宅と会場を
生中継で結ぶので、
技術まわりの準備を
入念に行うことが大切です。

紀伊國屋ホールには、
このイベントのために、
インターネットの光回線を引いていただきました。
その工事が終了したので
回線のテストと、
「XVD」の映像がちゃんと
スクリーンに流れるかどうかを
昨日、確かめてきました。

当日、ロビーでは、
『吉本隆明 五十度の講演』の
試聴もしていただけるようにしようと
思っています。

チケットはあと少し
残っているようですので、
ご希望の方は、お申し込みを
どうぞお急ぎくださいね。

申込の詳細は以下のとおりです。

新宿セミナー@Kinokuniya 『吉本隆明 五十度の講演』発売記念 芸術言語論 その2 自宅から生中継。

開催日時 10月27日(月)
19時開演(18時30分開場)
新宿 紀伊國屋ホール
<新宿東口・紀伊國屋書店新宿本店4階>
チケット
発売開始
9月26日(金)10:00
前売:キノチケットカウンター
(紀伊國屋書店新宿本店5階 受付時間10:00〜18:30)
予約:紀伊國屋ホール
(Tel.03-3354-0141 営業時間10:00〜18:30)
料金:1,000円(全席指定 税込)
出演 【吉本隆明家より中継】
吉本隆明 糸井重里
【紀伊國屋ホール司会】
細田正和(共同通信社文化部長)
共催 紀伊國屋書店 ほぼ日刊イトイ新聞
協賛 コクヨS&T株式会社
協力 株式会社デフタ・テクノロジーズ

※当日、会場には収録用のテレビカメラが設置されます。
会場のようすは、DVD化、放送の予定があります。
また、ほぼ日刊イトイ新聞にて、収録動画を放映いたします。


ポイント!

●会場には吉本さんと糸井はいません。
 吉本さんの自宅から、生中継の
 映像と音声でつながります。
 このキテレツなイベントの会場司会を
 受けてくださったのは、
 吉本さんや糸井と長い親交のある
 共同通信社の細田正和さんです。

●このイベントの内容は、動画で収録し、
 ほぼ日刊イトイ新聞で
 日付と時間を決めて上映します。
 上映の日付が決まり次第、お伝えします。

●原さんのXVDシステムとは、
 ハイビジョンのように多量の画像データを
 独自の技術で圧縮し、
 インターネットをはじめとする
 既存のインフラ(低帯域から高帯域まで)で
 配信できるシステムです。
 映像の質を落とさずに、リアルタイムで伝送できるので
 バングラデシュなど
 インフラの設備が整っていない地域での
 遠隔教育・遠隔医療に使われようとしています。
 くわしくは、こちらをごらんください。

さて、吉本家でも、
このイベントに向けて
光回線が導入される予定です。
そのようすも、また、機会があれば
お伝えするようにいたしますね。

吉本さん、いまごろ
構成を考えていらっしゃるでしょうか‥‥?
また、確かめに行ってきます!


(C)HOBO NIKKAN ITOI SHINBUN