敗北の構造

  • 時間

    32
  • 音質

    社会主義学生同盟
    明治学院大学支部と
    南部反帝戦線明学大班の主催による
    〈6.10反帝戦線・社学同政治集会〉
    での講演。
    周辺のノイズや残響音が入っているが
    比較的クリアに収録されている。

  • 講演日時:1970年6月10日
    主催:社会主義学生同盟/南部反帝戦線明学大班
    場所:明治学院大学100番教室
    収載書誌:弓立社『敗北の構造』(1972年)




日本に統一国家というものが成立した千数百年前以前に、
この小さな島に人間がいなかったかというと、
そんなことはありません。
日本民族という場合には、
統一国家成立以降の文化的、言語的に
統一性をもったものを想定しているわけですけれども、
それは日本人とはまるで違います。
日本人という場合には、日本国家成立以前に、
すでに郡立した多数の国家が存在していたと
考えることができます。
僕のいう「敗北」は、そういう
たいへん大昔の敗北ということです。
何が敗北したかというと、
天皇制権力によって統一国家が成立する以前に存在した、
日本の全大衆が総敗北したということです。
その「敗北の構造」は、現代に至っても
依然として存在しているのです。