白いシャツをめぐる旅。2020 わたしのマスターピース。 白いシャツをめぐる旅。2020 わたしのマスターピース。
03 オーセンティックと、フェミニンと。STAMP AND DIARY / utilité
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「白いシャツをめぐる旅。」に
2015年の第1回から参加してくださっている、
レディスブランドのSTAMP AND DIARY
(スタンプ アンド ダイアリー)。
代表の吉川修一さんのアイデアの源は、
ヨーロッパのひとびとの暮らしにあります。
吉川さんは、年に何度も渡欧し、
彼らのライフスタイルを見て、
「あたりまえに、大人たちが、格好よく生きている」
というすがたにあこがれ、
彼らの暮らしを支えるもの・ことを、
現代の日本の生活にもいかしたいと考えてきました。
その思いからうまれたのが、STAMP AND DIARY。
「日記をつけるように、たいせつな日々を暮らす」、
ヨーロッパ的なライフスタイルをコンセプトに、
大人の女性のための上質な服づくりをするブランドです。



そして、この6年のあいだに、吉川さんは、
洋服だけでなく、
インテリアや香りなどの生活雑貨も扱うように。
広島三越、大丸神戸、ジェイアール京都伊勢丹に
直営店をもつようになったSTAMP AND DIARYは
「くらし」のいろいろなシーンをいろどるブランドに
成長しています。



「そうですね。
洋服屋のようで洋服屋に見えないところが、
もしかしたらあるのかもしれないですね。
今、いくつか展開している
百貨店の売り場があるんですけれど、
京都の一か所以外は
リビングのフロアに出店しているんですよ。
ルームウェアというか、
ライフスタイルウェアというようなかたちです。
そんなふうに、ブランドとして、
少しずつ広がってきている感じがします」
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ルームウェアといっても、
「外に出ない」服ではなく、
「家のなかでも、ちゃんと過ごす」ための服。
さらに吉川さんは、STAMP AND DIARYとは別に、
「utilité(ユティリテ)」という
別ブランドも立ち上げました。



「2016年にスタートしました。
STAMP AND DIARYって、
スタンダード・定番・長く続くデザインという、
コンセプトでやってきたんですけれども、
そのいっぽうで、自分たちの考えのなかに、
女性の着る服は、
かわいらしくてフェミニンなものも、
やっぱりいいよね、っていうところがあって、
その部分を引き受けるブランドをつくりたかったんです」



コンセプトは、より女性らしく。
具体的にはどんなところが違うんでしょう。



「まず、製作しているメンバーが違うんです。
どちらもプロデュースは僕なんですけど、
STAMP AND DIARYは、
生地を決める男性と、デザイナーの女性との
3人のスタッフでつくっています。
utilité(ユティリテ)は、
女性デザイナーと僕の
2人でつくっています。
そのなかで、デザインへのアプローチが、
いちばんの違いかな。
STAMP AND DIARYは素材ありき。
まず素材があって、それをどう料理するか、です。
utilité(ユティリテ)は、まずディテール。
それを具体化するために素材を選んで、
デザインを完成させていきます。
STAMP AND DIARYが直線だとしたら、
utilité(ユティリテ)は曲線、
みたいなイメージですね。
女性の持つ曲線美とか柔らかさとか、
かわいらしさとかをより強く表現したいな、と」



なるほど、まったく逆のアプローチなんですね。



「STAMP AND DIARYには、
男性目線というか、
まず布があって、それをかっこよくして、
しかも売れるように、という、男っぽさ、
ストイックさがあると思うんです。
それにくらべるとutilité(ユティリテ)は、
自由。
イメージや感覚、気持ちがまずあって、
こんなブラウスあったらいいよね、
なんて言いながらサンプルを作っています。
そうすると、女性的なほうに振りすぎて、
デザインが甘過ぎたりして‥‥、
それを修正していくというようなやり方です」
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utilité(ユティリテ)って、
フランス語ですよね。
英語で言えばユーティリティ?



「有用性があるとか、使えるとか、そういう意味です。
流行を追って1年で終わっちゃうものではなくて、
スタンダードな中にフェミニンさ、
女性らしさのある服をつくりたいと考えています」



今年の「白いシャツをめぐる旅。」には、
STAMP AND DIARYだけでなく、
このutilité(ユティリテ)の白いシャツも、
紹介することになりました。
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▲utilité ヨーク刺繍ブラウス(F)

 ¥21,780(税込み)
「刺繍のシャツを作ってみたいという、
デザイナーの意図があって、
刺繍の布を探しました。
生地見本のなかで、
2人が同時にパッと指をさしたのが、これだったんです。
でも刺繍の柄がちょっと直線的。
らしくなるように、
前だけじゃなくて、後ろまで、
曲線のデザインにしています」



なるほど。全体に、まるくてやさしい、
フェミニンな要素があふれてますね。
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「前立てとか襟とかに、ステッチが出ないようにしたり、
身頃も袖もギャザーたっぷりで、かわいい感じに、
袖口はパイピングのように細く仕上げました。
utilité(ユティリテ)はギャザーが大好きなので、
どうしてもギャザーを入れてしまうんですけれども、
ともすればかなり甘くなっってしまうところを、
ちょっと辛めのボトムスを合わせていただくといいんです」



ディテールが、どこを取ってもかわいいですね。
かわいいものだけでできてる、っていう感じです。



「だからこそ、大人の方に着て欲しいんですよ。
もちろん若い人が着てもいいんですけれど、
大人のかわいらしさみたいなものが、
の目指してるところでもあるので」



甘過ぎないかわいらしさ。
それがutilité(ユティリテ)の持ち味なんですね。
ちなみに、ベースの部分は、製品洗いに近いような
ナチュラルな風合いの綿100%の素材。
刺繍も綿なので、家庭での洗濯が可能です。
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▲STAMP AND DIARY レースカラーシャツ(F)

 ¥18,700(税込み)
こちらはSTAMP AND DIARY。
プレーンなシャツの襟に、レースがついています。



「シャツの生地は、いつも使ってるもので、
STAMP AND DIARYでは定番のプレミアムクロスです。
僕と生地のスペシャリストの間では、
“カジュアル以上エレガンス未満”
というキーワードをもっているんですよ。
メンズのカッターシャツみたいな空気にならずに、
カジュアル感、ちょっと緩さを出すというのが、
この生地の良さなんです。
『白いシャツをめぐる旅。』では
初めて扱っていただく素材ですね」



え? 
あ、そうか! 
今までは、麻とか綿ローンとかで、
それに刺繍があったりのアイテムで、
こういうプレーンなシャツは、初めてですね。
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「そうなんです。
ベースになっているレギュラーカラーのシャツ、
これは定番でやっているものです。
あまりにも定番過ぎて、目立たないくらいで‥‥。
ただ、買ってくださったお客様は、
すっごく着やすい、動きやすいと言ってくださって。
少しずつ、袖丈をやや短めに修正したりしてますが、
ずっと定番でやってるスタイルです。
その定番のレギュラーカラーのシャツに、
襟のレースをつけたシャツなんです」
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年代によっては、懐かしく感じられるような。
でも今、ちょっと新鮮ですね。



「そうですね。
まさに、“なつかしい”、そういう時代をヒントにしました。
襟レースをやろうと思ったときに、
まずレースを探したんですが、
ここで一度つまずきまして。
以前は、襟の形につくられたレースというものが
あったんですが、
今、世の中に、ないんですよ。
そうすると、普通の幅レースで作るしかないんです。
幅レースをたたんで、襟の角を作って‥‥。
最初、レース1枚の襟を考えんですけれども、
縫製工場から来たサンプルが2枚襟だったのが、
いいなと感じて。
1枚よりは下に襟があった方がしっかりしますし、
甘さが消えて、
STAMP AND DIARYの奥ゆかしさみたいなところも
きちんと出ていると思います」



ベースの定番シャツは、
台襟があって、後ろ姿はヨークがあって、
タックもきちんとたたんであって。
そのタックが、深いですね。
この深さで、ドレープがきれいに出るんですね。
着丈は、後ろが長めで、
吉川さんがよく言う、横から見たときの
建築的な曲線、直線。
そのうつくしさが、STAMP AND DIARYならではです。



「今回、この素材とデザインを選んでくださって、
ほんとにすごくうれしいです」
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▲STAMP AND DIARY タックプリーツスカート(ネイビー)

 ¥21,780(税込み)
こちらもSTAMP AND DIARYの定番、
スーピマコットンの、ギャバのスカート。
生地から始まるSTAMP AND DIARYらしい、
素材ありきのアイテムです。



「そうなんです。
チームの“生地マニア”が選んだ素材で、
専門的に言うと「60のスーピマ」を
高密度に織ったコットン素材です。
この縫製が結構大変で‥‥。
高密度なので、針が通らないんです。
でも、それゆえに、ディテールもですけれど、
耐久性で好評を頂いてます。
この素材がいい、とおっしゃる
ファンがいらっしゃるんですよ。
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最初はできあがった生地を仕入れて
使っていたんですけれど、
定番的に使う素材なので、
今はSTAMP AND DIARYのオリジナルで作ってます」



これまで「白いシャツをめぐる旅。」では、
この素材のパンツを2回紹介してきましたが、
今回、初めてのスカートです。



「張りがある素材なので、
タックプリーツをたたんで、
途中まで縫い留めることで、
気になる腰の部分はすっきりしていて、
そこから下はふんわりと落ちていくかたちにしました。
ギャザーだとボリュームが出すぎちゃいますから」
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布地の風合いが独特ですよね。
スーピマコットンの60双糸(ロクマルソウシ)という
とても上質な糸を綾織りにし、
染めをほどこしてから2段階の特殊加工によって
表面に細かなシワを入れつつツヤを出す。
スーピマコットンにそんな加工をするって、
かなりの贅沢ですよね。



「贅沢です。
もともと素材がいいので、そこに加工すると、
さらにニュアンスが生まれるんですね。
スカートは、パンツとはまた違ったイメージで、
長めの丈というディテールは、
大人の女性を意識しています」



どうもありがとうございました。
STAMP AND DIARYとutilité、
目が離せないブランドです。



STAMP AND DIARY

http://stampanddiary.com/
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utilité

http://utilite.jp/
(次回は、nooyのご紹介。おたのしみに!)
2020-04-11-SAT