ほぼ日刊イトイ新聞
その9 HITOYOSHI サファリとプレッピー。

熊本の人吉市に工場をもつ
メンズのドレスシャツのメーカー、
HITOYOSHI(ヒトヨシ)。
「白いシャツをめぐる旅。」では2年目からずっと、
伊勢丹メンズ館のバイヤーのみなさんと組んで
「ほぼ日」を入れた3社で、
オリジナルのシャツをかんがえてきました。
(HITOYOSHIの工場についてはこちら
社長の吉國さんについてはこちらをどうぞ。)

いまは、メンズシャツも「ちょっとゆったり」の流れ。
そしてレディスシャツのビッグシルエットの傾向をうけて、
「大きめのメンズシャツを
女性たちが着てもかっこいいんですよ」
というレディスのバイヤーのみなさんの
意見も取り入れつつ、
ことしのHITOYOSHIのシャツは、
こんな素材、こんなかたちで
2着をつくることになりました。

共通しているのは、
「羽織って着られる、アウター感覚のシャツ」
こまかく言えば、紺のほうはアウターシャツ、
白いほうは、まっとうなシャツ。
でも、どちらも羽織り感覚で着られるような
サイズ感でつくりました。

2社が「つくってみたかった」
サファリシャツ。

「厚手のTシャツの上からでも着られますし、
シャツの上にシャツ、というふうに
重ねていただいても大丈夫。
シャツのようにも、ジャケットのようにも、
マルチに着ることができるアイテムに、
いま、人気が高まっているんですよ。
そこで、サファリシャツをつくりたい、と思いました」

そう話すのは伊勢丹メンズ館の
アシスタントバイヤーの和泉圭さん。
いっぽう、HITOYOSHIの松岡佳博さんは‥‥。

「ちょうど、HITOYOSHIでも、
きれいなドレスシャツを得意としてきたなかで、
ライフスタイルに特化したような、
1枚で羽織れるようなシャツをつくろう、
という話になっていたんです」

今回の「白いシャツをめぐる旅。」の
最初のミーティングより前に、
そんなことを考えていたふたり。
ならば、伊勢丹×HITOYOSHI×ほぼ日で、
ぜひつくりましょうよ!
ということになったのでした。

サファリシャツは、
1960年代から70年代にかけて流行した
サファリルックのアイテム。
もともとはほんとうのサファリで
ハンティングのときに着る
実用的なつくりのシャツを指しましたが、
それをデザイナーたちが街着としてデザインをし直して
提案したものです。
両胸に大きなポケット(ボタンやプリーツつき)の
襟つきスタイル(台襟つきも、開襟もあり)。
生地は厚手の綿でカーキを使うのが定番でした。

今回、ポケットは、さらに2つ、
長めの丈の前身ごろ、腰のあたりについています。
これは「サファリジャケット」のスタイルを
シャツに応用したデザイン。
ボトムスにインして着るのではなく、
アウターとして着てほしいという思いから、
このポケットをつけました。

松岡さんがふりかえります。

「開襟シャツに大きなポケットがつく、
というのが和泉さんの最初のイメージでした。
開襟シャツは慣れているけれど、
そこに大きなポケットと言われて、
けっこう試行錯誤をしたんです。
女性にも着ていただきたいと考えたら
ポケットはちいさいほうがいいのかな‥‥とか、
いろいろ考えて、結局、
正統派の大きなポケットを、
それも4つ、つけることになりました。
ちゃんとサファリシャツだとわかるように」

ちなみにこの「大きなポケット」、
レディスウェアでも流行しているんですよ。
フィッシャーズベストといって、
釣りのときに使うベストをモチーフにしたものが
ハイファッションのブランドから発表されて、
とても人気になっているとききました。

「開襟にしたのは、アウター的ということで、
ブルゾンのつくりを意識しました。
ブルゾンの襟って、いわば開襟ですから」
(松岡さん)

長さは、たっぷり。
男性でもお尻がすっぽりかくれるほどです。
ふつうの男性のサイズからさらにプラスして、
レディスの「ビッグシルエット」の流れをくんだサイズ感。
身幅も大きく、下に厚手のTシャツ、
たとえばトレーナーのような素材感のものを着ても
だいじょうぶなくらい、たっぷりしています。
(じっさいそういう着方、かっこいいんです。)
袖剣ボロとちゃんとカフスのある2つボタンの
ドレスシャツ的なつくり、
脇はスリットが入っていて、かんぬきで留めています。
後ろは2本タックで、アームホールも余裕があるので、
可動域はそうとう大きく、動きやすい。

色と素材は、インディゴ染めの麻100%。
すみません、「白いシャツをめぐる旅。」でありながら、
「サファリシャツは、やっぱりこういう濃色がいいよね」
と、みんなで決めました。
糸の表面に染めを入れているので、
着て、洗ってをくりかえしていくうちに、
いい感じの白みが出てきます。
デニムの感覚で、たのしんでいただけたらと思います。
ちなみにインディゴ染めですから、
白いものと一緒に洗うのはNG。
白いTシャツの上に着て、汗をかいたり、濡れたりすると、
インディゴの青がTシャツに移染することもあります。
どうぞご注意くださいね。
‥‥白いシャツのコンテンツなのに、ほんとすみません。
でも、インナーを白ではなく、
同じインディゴであわせたり、
黒や迷彩柄、カーキやグリーンなどで遊ぶのも
きっとたのしいですよ。
(だからボタンも、黒蝶貝を使っています。)

アイロンはかけず、
洗いっ放し、干しっぱなしでどぞ。
サイズは1つだけですけれど、
かなりたっぷりとしていますから、
そこそこ身体の大きな男子も、
小柄な女子も、たのしめるはずです。

もうひとつは白いシャツです!

HITOYOSHIとつくったシャツはもう1枚。
まっしろだけれど、ストライプのような織りを使った
スタンドカラーシャツです。
これは「サッカー」という生地で、
「シアサッカー」「しじら織り」とも呼ばれ、
シャツだけじゃなく、ジャケットやパンツなど、
プレッピースタイルの服によく使われています。
たて糸に収縮率がちがう糸を使うことで、
くしゅくしゅっと縮れた列と、
まっすぐな列が規則正しく交互になって、
一色でもストライプに見えるのですね。

この生地のいいところは、「肌離れがいい」こと。
縮んでいる部分はとくに凹凸があるので、
肌への接地が点になる。
汗をかいても肌にぺったりと
まとわりつくことがないのでした。
つまり、夏のシャツにはぴったり。
加工によって、収縮の印象がかわるのですが、
これは「強め」にかけています。

「プレッピースタイルが、
また盛り上がってきているんですよ」
(和泉さん)

かたちは、ベーシックなスタンドカラー。
メンズシャツの台襟を残し、襟を外したかたちです。
サイズはMとL。メンズのMとLです。
「たっぷり」で着てもOKのデザインですから、
あえて、小柄な女性がLを着てもかわいいですよ。

今回つくったこの2枚、
リネンでインディゴ染めのサファリシャツも、
シアサッカーのスタンドカラーシャツも、
あんがい、世の中にないアイテムです。

「そうなんですよ!
ほしいなあ、と思っていたものがつくれました」
(和泉さん)

そうそう、それがいいですよね。
昨年の半袖の開襟シャツもそうでしたけれど、
せっかくこのコンテンツをやっているのだから、
ほしいものを、つくらなくちゃ!

このあと、男子チームは、
「下に何をはく?」
「やっぱりショートパンツじゃないかな」
「ひざ上丈がいいよね」
「長袖にショートパンツっていうのがいいんだ」
「長いパンツをはくなら、上がたっぷりだから
下は細めでもいいかも」
なんて、雑談がつきませんでした。
結論としては、「なんでも合うよね!」でしたけれど。

(次回はルクスルフトのシャツです。おたのしみに!)

2019-04-05-FRI

INFORMATION

「ほぼ日ストア」ページで
ことしのコレクションを紹介するのが4/12(金)、
「ほぼ日ストア」と伊勢丹新宿店、
三越伊勢丹オンラインストアでの販売スタートは
4/24(水)からとなります。

また、ことしはジェイアール京都伊勢丹でも
販売を予定されています。
くわしくは、各店舗にお問い合わせください。

どうぞおたのしみに!

■ほぼ日ストア 「白いシャツをめぐる旅。」
2019年4月24日(水)午前11時より数量限定販売

■三越伊勢丹キャラバン
 「白いシャツをめぐる旅。-見惚れシャツ―」

・2019年4月24日(水)-4月30日(火)
 伊勢丹新宿店本館4階=センターパーク/ザ・ステージ#4

・2019年4月24日(水)-5月21日(火)
 三越伊勢丹オンラインストア

・2019年5月8日(水)-5月21日(火)
 ジェイアール京都伊勢丹 5階=スタンダード&モダン SPOT

■伊勢丹新宿店本館4階=センターパーク/ザ・ステージ#4では、
ほぼ日ストアでのラインナップと合わせて、
さまざまな「白シャツ」をご紹介します。
白シャツと合わせるチノパンや、カットソー、
肌着、バッグ、アクセサリーをはじめ、
「自分だけの特別な一枚」に出会えるシャツの
カスタムオーダー会も実施いたします。

※くわしくは、こちらをごらんください

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