2匹のねこがやってきて、去ってった。〜ミッツと牛との日々〜
第1回

名前も、性別も、年齢もわからないままに出会い、
5か月いっしょに暮らした2匹のねこの「牛」と「海苔」が
ほんとうの飼い主さんの住む仮設住宅に帰り、
わが家は、さみしくなった。

家中の掃除をして、ねこ用トイレを洗い、箱に入れて、
押入れにしまった。
ねこ用トイレを洗っているときは、
毎回、とてつもないさみしさでいっぱいになる。
今回はさすがに
「もう預かりボランティアは、無理かもしれない」
と、思った。
それほどに、悲しかった。




2匹がいなくなってからも、
毎日働いてくれている、
お掃除ロボット・ルンバが集めたゴミの中から、
ねこの毛が、徐々になくなっていった。

完全に、なくなった頃。
やっぱりあらたに、1匹のねこを預かることになった。
その子は、夏くらいに警戒区域内で保護された。
飼い主さんが
「いまの環境では、飼えないから」と
涙のお別れをして、ミグノンで引き取られ、
東京で里親を探すことになった子。

わたしの、預りボランティア生活が、
みたび、はじまった。
箱からまた、ねこ用トイレを出して、
むかえる準備をした。

(つづく)

2012-04-29-SUN
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