第2回

10分歩けば、どこかの駅に出る。

ーー
さきほど、
都営地下鉄が4つの路線を
運営しているとうかがいました。

つまり、浅草線、三田線、新宿線、大江戸線ですよね。

それぞれの特徴を教えていただけますか。
井上
もちろんです。

では、浅草線からいきましょう。

浅草線は主に、東京23区の北と南を結ぶ路線です。

人がたくさん住んでいるけど
交通機関に恵まれなかった場所、
たとえば、馬込駅とか押上駅などを通っています。

▲浅草線。

井上
また、浅草線は
我が国初の地下鉄と郊外私鉄との
相互直通運転をした路線です。

それまで山手線の内側には
私鉄は入れなかったんです。

今でも私鉄の電車は乗り入れてはくるけど、
山手線で止まってるでしょう?

東急も乗り入れてはくるけど、渋谷で止まっているし。

ーー
あ、確かに。

なぜ入れなかったのでしょう。
井上
さきほどもお伝えした
昭和13年の陸上交通事業調整法は、
「首都は公営とし、国の鉄道のみ。

私鉄は入っちゃダメよ」

という法律だったので、入れなかったんです。

その後の都市交通審議会にて
地下鉄を介して私鉄やJRが
直通運転で乗り入れ可能という話になって、
今みたいに入ってこれるようになったんです。
ーー
なるほど。

井上
そして、浅草線と関連して
注目されているのは、品川駅です。

将来、リニアの始発駅になりますから。
ーー
リニア!

ときどきニュースでも伝えられている、
リニア中央新幹線ですね。
大塚
はい。

それにともなって品川駅を
JRさんが再開発しています。

うちも品川に隣接する浅草線の泉岳寺駅を、
JRさんの再開発にあわせて、大改造する予定です。
ーー
どう変わっていくのか、たのしみです。
井上
浅草線の次は、三田線に行きましょう。

板橋区の高島平に、東洋一といわれた
大きな団地ができまして、
それと都心を結ぶ線です。

三田線も、今は目黒線と
相互直通運転をしていますけど、
当初は、北は東武東上線と乗り入れて、
南は五反田駅付近から
東急池上線と乗り入れる予定だったんですよ。

でも結局は、東急目黒線とのみ
相互直通運転をしています。

三田線は、将来、相模鉄道が
東急線に乗り入れてくる予定なので、
そうすると、うちは相鉄さんとも
乗り入れるということになりますね。

▲三田線。

ーー
どんどん便利になっていくんですね。
井上
そうですね。
で、次は新宿線ですね。
ーー
はい、新宿線。
井上
新宿線というのは、東西に走っている線です。

北にJR総武線が走っていて、
南に東京メトロ東西線が走っています。

東西線も総武線もめちゃくちゃに混んでいたんで、
そのバイパスという目的もあって作りました。

新宿線は、京王線とも相互直通運転をしています。

ちなみに、新宿線の本八幡駅というのは、
都営地下鉄で唯一、都の区域を越えて
千葉県に設置された駅なんです。

都営交通というのは本来なら
東京都の中だけしか通れなかったんですけど、
それじゃ1つ手前で止まってしまって、
JRの本八幡駅と接続できないんで、
条例を作って、通すことにしました。

▲新宿線。

井上
さあ、大江戸線いきますか。
ーー
ついに大江戸線。

3年前の取材でも、
大江戸線は車輪にリニアモータを使っているなど、
いろいろおもしろいお話をうかがいました。
井上
大江戸線って、
日本で一番長い地下鉄の路線なんですよ。
ーー
日本で一番!?
井上
はい。全長40.7kmで、最長です。

大きな特徴は、
大江戸線は東京をぐるっと回る環状型の路線なので、
38駅中、26駅で
他鉄道線との乗り換えが可能なんです。
ーー
すごいですね。
井上
大江戸線、当初は一気に全駅を作る
予定だったんですけど、
オイルショックで作れなくなって、
練馬から光が丘の間だけ先に作ったんですよ。

環状線にするには、お金が足りなかったんです。

その後、東京駅の近くにあった都庁を
新宿に移転するにあたって、
「じゃあ大江戸線も通しましょう」となりました。

大江戸線には、放射状になっている路線を
環状に結ぶという大きな目的もあったし、
麻布十番のあたりなど、鉄道がなかったエリアを
通るという目的もありました。

大江戸線ができたおかげで、山手線の中は、
「10分歩けば鉄道駅に出る」

といえるようになったんです。

▲東京をぐるっと回る大江戸線。

ーー
10分歩けば駅に着くようになった‥‥

それってすごいことですよね。
井上
そうですね。

それから大江戸線は、
各駅ごとにパブリックアートを取り入れて、
その地域の特徴が出るような
デザインになっています。

あと大江戸線といえば、勝どき駅が
オリンピックでも重要な駅になるんですが、
既にパンクしてるんですよ。
ーー
パンク?
大塚
乗客数が多すぎるんです。

近くに総合商業施設の「晴海トリトンスクエア」ができて、
会社がいっぱい入って。

朝は勝どきの駅からトリトンに向かう道路が
もう大行列ですよ。
井上
当初の計画より倍ぐらいのお客さまがいるので、
今もう1つホームを作っています。
ーー
そんなに。
井上
はい。あと、大江戸線には
国立競技場駅がありますけど、
あそこもたぶん名前が
変わっちゃうんじゃないかなと思います。

大塚
新しい競技場がどうなるかに
よりますけどね。
井上
まだわかんないからね。

オリンピック・スタジアムとか‥‥。
ーー
もしかして、
駅の名付けもお二人がなさっている‥‥?
大塚
ええ。でも、駅名というのは、
なかなか簡単に変えられないですよ。

うちだけじゃなくて、
他の鉄道事業者さんにも当然影響してくるから。

ーー
いろんなところに影響がありますよね。
井上
「学芸大学」とか「都立大学」とか、
その土地に大学がなくなったって、
駅名は残っていますからね。

そういうケースもあるので、
まだわからないです。

※この取材は、2017年4月に行われました。

(つづきます)

2017-07-20-THU