東京の子。オードリー若林さんからみた「東京」 東京特集
第二回 本当の「東京の子」。
──
若林さんは高校時代、
「ズボンをずらして腰で履くような
 グループに属していた。」
という記事を拝見して、
そんなイメージがなかったので
驚きました。
若林
あー、はいはい。
恥ずかしいですね。
──
中学校からは杉並区に引越されたそうですが、
どんな青春時代を送っていたんですか?
若林
あの‥‥。
キャラクターがぶれるので、
あまり話さないようにしていますけど、
ダボダボの腰パンをしていました。
あと、カチューシャも(笑)。
──
カ、カチューシャ?
若林
あのころダウンタウンさんやロンブーさんが、
ヘアバンドやカチューシャをしていて
周りでも流行っていたんですよ。
学校に指輪をしていって先生にとられたり。
学校指定のカバンに、
安全ピンをいっぱい刺したり(笑)。
流行っていたことは、
ひと通りやっていましたね。
──
指輪‥‥安全ピン‥‥。
全然イメージにないです。
若林
そうですよね。
でも、同じような格好している奴は
いっぱいいました。
あと、高校生なのに、
荻窪駅でケイドロをやったり。
──
ケイドロですか(笑)。
ケイドロって、警察と泥棒に別れて
追いかけっこし合う遊びですよね。
若林
そうです、そうです。
ビルとビルの間を
友だちと走って逃げて、
日が暮れるまでずっとやっていました。
──
へえ。
あの、女の子とデートとかは?
若林
いやー、なかったですね。
強いて言うなら、
イケメングループが阿佐ヶ谷の喫茶店で、
吉祥寺の女子高の子たちと3対3で会っているのに、
たまーによんでもらっていたのが
唯一の女の子との接点ですよ。

たぶん、本物の東京の高校生は、
渋谷にある青山学院高等部とか、
山手線エリアの中の高校に
通っている人たちだと思います。
中野から西の、
荻窪や吉祥寺エリアにいくと、
だんだん芋くさくなっていって(笑)。
──
そんな(笑)。
若林
どこからどこまでが東京出身か、
という議論はあるんですよ。
僕の中では、広尾とか松濤とか、
東京の真ん中で生まれ育った人が、
本当の「東京の子」だと思います。
写真家の篠山紀信さんの息子さんの、
篠山輝信さんとか。
──
ああ、なるほど。
若林
広尾が地元という友人がいて、
その人は繊細でおしゃれで、
洗練されているんですよね。
無理にカッコつけたりしないし、
人とちょうどいい距離をとっているし。
──
それが本当の東京っぽさだと。
若林
あくまでも僕の感覚ですが。
なので、入船とか荻窪出身の自分は、
東京っぽさが全然ないんだと思います。
(つづきます。)
2017-07-21-FRI